花の魔術師もどきと英雄王もどき、神ゲーに挑まんとす 作:ロクデナシな文字書き
あばばフォウくん(口調が分からない)が動き回ってすごくてやばい。(小並感)
神代のあたりの設定のネタバレ(?)です。Wiki片手の割には頑張った。
誤字脱字報告、感謝します!!!
「フン、大方理解したわ。よもやそれほど強欲とは、俄然興味が唆られるではないか、その
「いやまぁ、本当に凄いとは思うよ。でもさぁ、でもさぁ……」
悔しいです、と言った表情を隠さずに全面に押し出すと、ギルガメッシュが鼻で笑った。せめて、フェイカやってる私達にも教えてほしかったなぁ、でもきっと本来なら発生しないシナリオだったから許されたんだよね。じゃあ余りにも全面的に出たらもしかして。
「そう心配するでないわ。其の内
「ギルガメッシュ……!」
「
「ギルガメッシュゥ?!」
コントのようなやり取りをしていると、不意に風が強く吹いた。私が「酷くない……?」と悲しんでいる一方で、ギルガメッシュは塔の方向を見て口を開いた。
「おい、獣。アレに登れと言うか?」
「……あのね、キャスパリーグは基本的には喋らな「いいや、それは心配しなくても大丈夫だよ、ギルガメッシュ王」喋ったぁ?!」
余りの衝撃にあんぐりと口を開けてしまう。くそう、さっきから私のロールプレイが崩されてばっかりじゃないか。しかし、こんなにも喋れるとなると、まさか相当力を蓄えているのでは?
考察に夢中になっていると、キャスパリーグが再び話しだした。やたらと真剣な声色だったので、私は直ぐに意識を戻す。
「……今から二人には、眠ってもらいたいんだ。そこで、とあるモノを見てほしい」
「ほう、夢ときたか」
「戦闘しないんだね? じゃあ遠慮なく」
即座に花畑に横になると、ギルガメッシュが呆れた目線を寄越してくる。キャスパリーグに至ってはゲジゲジとその前足で蹴ってきている。ちょっと、寝れないじゃないか。
「マーリンは勝手に寝るんじゃない! ……すまない、ギルガメッシュ王。こんなのが迷惑かけて」
「いや、構わん。どうせロクデナシはロクデナシ。それに案外躾も簡単なものよ、なぁ?」
「はいっ!」
直ぐに起き上がって返事をすれば、ギルガメッシュはククッと笑う。キャスパリーグはたいそう驚いたらしく目を見開いていた。なんだ、そんなに珍しい見世物じゃないぞぅ。ねぇ、そんなことより、本題に入らない?
「流石ギルガメッシュ王だね……それじゃあ、横になって目を瞑って。直ぐだから、安心しておくれよ」
感心しているらしいキャスパリーグはギルガメッシュを褒めた。私は手綱を握れない猛獣とかじゃあないんだけども。
失礼な、と怒りの表明をしながらも、再び花畑に寝転ぶ。付近でギルガメッシュが横になったからか、ふわりと花の香りが辺りを漂った。その心地のいい香りに身を任せて、ゆっくりと瞼を閉じる。温かな日差しが身体を包み、風で揺れる花の音がオルゴールのように思える。
だんだんと、意識の境目が朧げになる。深い底に落ちていく。
最後に聞こえた音は、やけに記憶に残る、悲しげで寂しそうな、
「君は、人々をどう思うのだろうね」
それは、とても静かな声だった。
***
ふと意識が起き上がる。
そっと瞳を開くと、そこには何処か見覚えのある光景が広がっていた。
美しい緑の森に、何人かの武装した人々がいた。彼らはちょうどその場に降り立ったタイミングらしく、辺りを見回していた。緊張しているらしく、やたらと空気がピリついていた。
「敵性生物……いません。オールクリア」
「ふぅ……」
何もないと思ったらしい彼らは、ほっ、と身体の力を抜いた。
しかし、異変が起こった。彼らがどうしたのかはわからないが、突然人のようなナニカが現れた。それらは口を開いたかと思えば、舌っ足らずとでもいいのか、とにかく不気味な声で同じ言葉を発しだした。
「おとうさんどこ? まってよ! おとうさんどこ? まってよ! おとうさんどこ? まってよ!」
「ねぇさんまてよ、あぶないだろ! ねぇさんまてよ、あぶないだろ! ねぇさんまてよ、あぶないだろ!」
「あはは! きゃはは! あはは! きゃはは! あはは! きゃはは!」
同じ台詞を延々と繰り返す。何度も、何度も。
それはまるで壊れたコンピューターのように。
「……っ!」
誰かが息を呑む。腰を抜かす。誰も、その奇妙で不気味な光景に、動けない、目を逸らせない。
そのナニカはどんどん数を増やす。無差別に、無尽蔵に増える。
「っひ」
誰かが小さな悲鳴を上げた。そのナニカはゾンビ、という表現が最もふさわしくなっていたからだ。突然、それらは彼らを襲い始めた。
「そっ、総員攻撃!」
「撃て、撃てぇぇ!」
「怯むな、殺されるぞ! リロードは交代で、攻撃の手を休めるな!」
彼らは精一杯抗う。それこそ軍隊のように、いや実際軍隊だったのだろう。慣れた手つきで銃を放ち、それらを倒す。薙ぎ払う。
しかし、数はいつまでも増えていて。
「隊長、不味いです! 弾薬が足りません!」
「っく、すみません! こちらα、突破されそうです!」
「……くそ! 銃はなるべく使うな、急所を確実に狙え! γはαの応援に! 全員、死ぬんじゃねぇぞ!」
「「「了解!」」」
必死に隊長と思わしき人物が指示を飛ばす。けれど確かに、彼らはじわじわと追い詰められていった。気がつけば彼らは、それらに囲まれていたのだ。
決壊の瞬間は、あまりにもあっけないものだった。
「っ、きゃあああ!」
一人の隊員の足に、それらが噛みついた。その悲鳴に気を取られた彼らの何人かが、さらに襲われる。
「ぐ、ぐぁぁぁ?!」
「ひ、い、いやだ! し、しにたくない!」
「だれか、だれかぁっ! たすけてぇぇ!!」
あるものは腕に噛みつき、あるものは首を捻じ曲げ、あるものは集団となって押しつぶし、そうやって彼らを蹂躙していった。
「くそ、α、β ! 弾薬は?!」
「すみません! もう無くなっています!」
「こちらもで、っす!」
彼らは必死に生きようとしていた。その様は、実に恐ろしく、悲しく、なによりも人間らしかった。
「っ、死んでたまるか、絶対生きるぞ、お前らぁ!」
「「はい!」」
死にたくない、まだ生きたい、ここから逃げ出したい。それぞれが己の命を守るために、ただただ抵抗する。たとえ直ぐ側で、見知った命が途絶えていても、悲鳴が増えていても。
けれど、もうそれらを倒す術を持っていない彼らは、為す術もなく惨殺された。
誰ひとり残らずに。
辺り一面には、かつて人だったものが無造作にぶちまけられて、地には彼らの所有物とその身体についさっきまで通っていたであろう赤がついていた。
ゲームであることを忘れてしまうくらいの迫力、生々しさ、恐ろしさ。
血はそれこそポリゴンで表現されるものの、そこにいた彼らの表情は、声は、感情は確かに生きている人のもので。
彼らはAI、コンピューター、NPCである筈なのに、そこには確かに
なんとも言えない不気味さが、私の心を揺さぶる。
一体全体、キャスパリーグはこんなものを私に見せて、何がしたかったんだ?
ごくり、と息を呑んだその瞬間、脳に聞き覚えのある声が響いた。
「ああ、すまない。見せるのはこれじゃないんだ。忘れてくれ」
その声色は、まるで本当に見せてはいけなかったのに、と後悔するような、困ったような、悲しむような、そんな複雑な色が混じっていた。
神代一年目の第一調査隊のアレです。ちなみにキャスパリーグはガチで見せる気なかった。ギルガメッシュも同じの見てる(現在同時進行系で別空間です。各々の夢なのでマーリンとは別の空間だけど見せているのはフォウくんなので夢の内容は同じ)。フォウくん大焦り。