禁足地調査隊として招集を受けた時、私はかつての冒険の日々を思い出した。
あの頃は私はまだ「へぐなちゃご」の子供で、周りの大人たちの後をついて行くのが精一杯だった。
私が所属していた「我らの団」というキャラバンでは、個性豊かな仲間たちで溢れていた。
今まで出会ってきた大人の中で最も信頼ができ、だけど酒癖が悪いところがキズの「我らの団」の団長。
その団長と共にキャラバンを創設した無口だけど人一倍優しく、私の師匠とも言える加工担当のおっちゃん。
絵を描くのが大好きで、モンスターのことになると早口になりテンションがおかしくなる。けれど、お母さんのように暖かくみんなを見守ってくれた看板娘のソフィア。
語尾に「ニャル」をつけて喋る、いつも美味しいご飯を作ってくれるキャラバンの料理長。
竜人族ならではの多彩な知識と錬金術で、みんなを支えてきた竜人商人さん。
そして、「我らの団」の代表する
1人は口下手で我儘で向こう水、だけどやる時はやってくれるハンターの「ゆうた」。
頻繁にはちみつを要求したり、片言で上手く会話をすることができないところから、「我らの団」の末っ子的なポジションだった。
だけどハンターとしての腕は一流で、今ではそこらのハンター協会のハンターとは比べ物にならない実力を持っている。最初の頃は私以上のへぐなちゃごだったけどね。
そして、もう1人。
常に私たちの先陣を切り、「我らの団」の...いや、この世界の希望の星とも呼べるハンターさん。
ゴアマガラが襲撃してきた時も。
狂竜ウィルスで生態系が乱れた時も。
極限化したモンスターが暴れ回った時も。
古龍の出現で世界各地が災害に見舞われた時も。
ハンターさんは臆することなく、モンスターたちに立ち向かい、いつも笑顔を浮かべて私たちの元へ帰ってきた。
その姿は太陽のように眩しく、私の憧れだった。そして、いつかこの人を支えられるような立派な加工屋になりたいと思っていた。
けれど、ある日を境に「我らの団」は解散してしまった。ハンターさんが新大陸古龍調査団第5期団として選ばれたのだ。
「古龍渡り」の謎を解明するために、10年に一度の割合で新大陸に調査団が送られる。それが、新大陸古龍調査団だ。
伝説とも呼べる凄まじい功績を残したハンターさんが、調査団に選ばれるのは当然のことだった。
私やゆうたもハンターさんについて行きたかったけど、あの時は実力が足りず、ハンターさんを見送ることしかできなかった。
ハンターさんが新大陸へと渡った後、ゆうたを筆頭に「我らの団」は旅を続けていた。
けれど、ゆうたはドンドルマに実力を認められ、晴れてG級ハンターとなった。
ゆうたに続くように、他のキャラバンのメンバーもそれぞれやりたいことを見つけ、それぞれの夢に向かって歩き出し始めた。その結果、団長が「我らの団」の解散宣言を行ったのだ。
団長と加工屋のおっちゃんは、今もどこかで旅を続けているらしい。ベルナ村に立ち寄った際は、よく旅の話を聞かせてもらっている。
ソフィアは学術院でモンスターの研究をしているらしく、酒場でよくモンスターについて色々と教えてもらっている。酒癖が団長以上に悪いため、色々と苦労するんだけどね。
料理長と竜人商人さんは、団長たちとは別行動で世界各地をふらついていて、たまにどこかの村で会っては料理をご馳走してもらっている。
「我らの団」の中で、私が一番長く付き合っているのはゆうただった。
定期的に私の元に訪れては武器や防具の加工を依頼してくるのだ。いつまで経っても片言は抜けないのだが、それもまたゆうたらしくて良いんだ。可愛い弟みたいなものだね。
だけど、あれからハンターさんと会うことは一度も無かった。
風の噂やエイデンさんの話から、世界各地を歩き回りハンターとして大活躍をしているのは知っている。けれど、ハンターさんは風の如く立ち去り、出会うことはできないのだ。
一時期カムラの里に駐在していたらしいのだが、私がカムラの里に足を運んだ時には既にエルガドへと移動していた。
そして、エルガドに向かうと既にハンターさんの姿は無く、別の場所へと旅立ってしまったのだ。
私がハンターさんを探して各地を回っていることをハンターさんは知っているらしく、各地で置き手紙を貰うこともしばしばあった。
それだったら実際に会ってくれても良いのに...と思うこともあるのだが、世界各地でハンターさんを求める人がたくさんいるため、私だけが独占することはできない。それは理解している。
だけど、会いたいものは会いたいのだ。
会って伝えたい。
私はこんなに成長したよって。
昔みたいに、いや、昔以上に貴方の役に立てるよって。
ソフィアが痺れを切らして私にはもう手に負えないって。
いや、本当にソフィアの愚痴がやばいんだって。
「婚期がー!!」とか「いつまで待たせるんですかこのあんぽんたん!!」とかもう会う度に聞かされてたまったもんじゃないのさ。
というか、ハンターさんを狙う女の人多すぎじゃない??
カムラの里とかやばいって。
美人竜人姉妹に加えて「猛き炎」でしょ?
あのウツシっていう教官や里長のフゲンさんもハンターさんをどうやってカムラの里に留まらせるかを必死に考えてたし。
「Welcome to the family, son」作戦とかよく分からない言葉の作戦を計画してた時は鳥肌が立ったよ。
エルガドの王国騎士さんたちや姫様もハンターさんの話でいっぱいだったしね。
モガの森のハンターさんや受付嬢さんもやばかったし、ネコ嬢さんたちもやばかった。女の目をしてた。
新大陸調査団はそのような話をしてなかったから大丈夫だと思うけどね。
あ、でもエイデンさんがパートナーの勝気な推薦組がうんたらかんたらって言ってたような...
とにかく、ハンターさんは男女問わず全員から求められているからやばいのさ。
早く「我らの団」を再結成して、ハンターさんは
どうにかしてハンターさんを見つけなきゃって悩んでいたとある日、ゆうたから禁足地調査隊の招集を受けたんだ。
正直、めちゃくちゃ興味があったのだけれど、それよりもハンターさんを見つけるのが最優先だったため、その招集を断った。
けれど、招集されたメンバーのリストを確認してみると、その中にハンターさんの名前があったんだ。
なんと、ゆうたがベルナ村でくつろいでいるハンターさんを見つけて、禁足地調査隊に招待したのだ。
私は思わず「よくやった!!!」とゆうたの背中を思いっきし叩いてガッツポーズを決めてしまった。その時「いたい」というゆうたの情けない言葉が漏れていたのだが、そんなのはどうでもよかった。
やっとハンターさんと会える。
私は嬉しさでいっぱいだった。
けれど、不安もあった。
ハンターさんは、あの時と同じハンターさんなのだろうか?
もう変わってしまって、私の知るハンターさんではなくなってしまっているのではないか?
考えれば考えるほど、私の心はイヴェルカーナの冷気を浴びたように冷たくなっていった。
だけど、そんな不安は一瞬にして消え去った。
「おっしゃー!!ダレン・モーラン討ち取ったりぃぃぃ!!」
「せんぱい、あいかわらずつよい。...とおいな」
「そんなことねぇよ。ゆうたがいたから大分楽に狩れた。本当に成長したな、ゆうた」
「......うん!!」
「それより、ダレン・モーランの角へし折ってこの船の撃龍槍にしようぜ撃龍槍!!ジェマ、できるか!?!?」
ハンターさんはハンターさんだった。
昔のように砂上船から飛び出し、ダレン・モーランへと立ち向かって行った。
そして、その後ろをゆうたが必死について行く。
私がずっと見てきたハンターさんたちの姿がそこにあったのだ。
よかった。
あの頃と全く変わっていなかった。
私は上がった口角を誤魔化すように頭を振い、ハンターさんの元へと駆けつける。
「よっし!!任せてよハンターさん!!」
ごめんね、ソフィア。
この調査が終わったらハンターさんを連れて帰るから、今は少しだけハンターさんを独り占めさせてもらうね。
「あー...アルマさん、だっけか?大丈夫かい?」
「ひぇぇ...」
「あちゃー...腰抜かしちゃってるよ。そんなにダレン・モーランが怖かったのかい?」
「い、いえ...あのハンターさんの動きが...」
「あぁ......(察し)」
とあるハンターの正体は、モンハン4の主人公でした。
狂竜ウィルスを対処しただけではなく、黒龍・紅龍・祖龍の全員と戦ったヤベェやつです。
多分シリーズで一番強いんじゃないスかね??
XシリーズやFシリーズは知らん。
あいつらこそ人間じゃねぇよ。
ハンターさんのこれまでの経歴は
一般ハンター時代(クソ強)に「我らの団」の団長と出会う
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モガの森やユクモ村の専属ハンターと事件を解決(モンハントライ・サードのストーリー)
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団長に呼び出されてバルバレへと向かう
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砂上船に乗っていた新米ハンター「ゆうた」と共にダレン・モーランを撃退
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「我らの団」結成(モンハン4のストーリー)
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新大陸古龍調査団第5期団に任命(モンハンワールドのストーリー)
↓
現大陸に戻ってすぐ「百竜夜行」の情報を聞きカムラの里へ向かう(モンハンライズのストーリー)
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ベルナ村で寝ているところをゆうたにスカウトされる(モンハンワイルズのストーリー) ←イマココ
てな感じです。
年齢は20代半ばから後半あたりかな。