ソルベ・デ・ベンリヤ   作:カブライニキ

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脳を焼かれたんだ。ブルアカと、ブリザードソルベに


第一味 ソルベ・デ・ヒョウガ

 

「待てぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

「ウヒャヒャヒャ!!あーばよイオッツァァァン!!」

 

白と青のマッシュカラーの頭髪を纏った少年は銀髪の風紀委員会から逃げていく。

これこそが彼の望んだ結果

 

 

「委員長が来る前に退散退散ッ!」

 

『そこ、右に曲がって』

 

「了解!」

 

右耳に装備するイヤフォンからまた指示がとび、少年は路地を右に曲がる。

 

「うっ!!」

 

「間抜けがァァァァ!!人間ってのには限界があるんだなァァァァァ!!」

 

 

急に右折したことにより、『銀鏡イオリ』は路地の壁にぶつかる。

そもそもが薄暗い路地だ。どこかにぶつからないほうがおかしい

 

「に〜げるんだよォォォ!!」

 

『ちょっと、前!』

 

「前?ウヴォア!!」

 

後ろを向きながら走っていたせいか、普通に壁にぶつかった。

 

「は、鼻がもげる鼻がもげるッ」

 

『落ち着いて。その程度じゃ傷つかないでしょ』

 

「俺は脆いのっ!鼻どうなってるこれ!?ひしゃげてない!?」

 

 

少年は慌ててぶつけた顔面を労る。

実際鼻頭が少し赤くなっている程度で、特に大した傷にはなっていない

 

「はあっ!はぁっ!ようやく追いついた......!」

 

 

「なんちゅう走力してやがる」

 

通路の先でイオリと風紀委員に囲まれた。

 

 

「今日こそ年貢の納め時だ!『氷河ソルベ』!」

 

「俺とイオリちゃんの仲じゃん!見逃してクレメンス」

 

「どんな仲だ!さぁ、大人しく捕まれ!」

 

スカーレットウッドの格式高いスナイパーライフルを向けられ、『ソルベ』は大人しく手を上げる

 

だが、その手にはアイスのようなものが握られていた。

 

 

『どうすんベェ?』

 

「ああ、速戦即決だ」

 

『いくベェ』

 

 

あげた手を素早く下ろし、ソルベはパーカーについた腹部のジッパーを下す。

 

「警告はした!!撃て!」

 

 

風紀委員会の面々も容赦なくソルベに発砲するが____

 

 

 

『アイス』

 

 

その弾丸は、当たる寸前で凍りついた

 

アイスのようなものを腹部の『口』に喰わせ、その上顎を閉じる

 

 

『イートアイス!イートアイス!』

 

 

その口についたレバーのようなものを回転させ、体から氷気を生み出す。

 

『チュポン チュポン』

 

 

小気味のいい音が鳴り響き、周囲の温度はさらに低下する。

 

 

「さ、さんむっ!!」

 

「厚着してくればよかったぁ......」

 

 

泣き言を放つ風紀委員を他所目に、ソルベは瞳を蒼く光らせ_______________

 

 

「はぁー......変身」

 

 

『いや〜ああああッ!!』

 

 

歌舞伎役者のようにこぶしのある声が、その口から鳴り響き、ブレードが展開する

 

 

『ブリザードソルベ!!』

 

 

舞うは氷気_______________

 

 

『ヒエヒエ』

 

 

奏でるは、氷河の軋む音

 

 

 

 

____________________

 

 

「では!陸八魔社長の益々のご健勝と今回の依頼達成を祝ってェ〜〜〜!」

 

 

「乾杯!」

 

「乾杯」

 

「かんぱ〜い!」

 

「か、乾杯、です」

 

少年少女たちは『便利屋68』の事務所で祝杯をあげる。

こたつに鍋を囲みながら

 

 

「ほら社長!じゃんじゃん飲んでくだせぇ」

 

「気が効くじゃない副社長」

 

「社長に似合うカクテルをご用意いたしました」

 

 

そう言ってソルベは『陸八魔アル』のコップにジュースを注ぐ。

 

「今日はたくさん依頼料が入ったわよ!みんなじゃんじゃん食べて!」

 

「フゥ〜!社長太っ腹ァ!」

 

昔の便利屋では仕事終わりに祝杯をあげるのすら難しかっただろう。

だが、今はソルベの活躍により、『便利屋』が一つの企業として成り立ち始めている

 

 

「ほーんと!ソルベが来てから依頼の達成も楽になったし〜、風紀委員会とまともにやり合わなくて良くなったし〜......あはっ、いいこと尽くしだね!」

 

 

『浅黄ムツキ』は今日の功労者を褒め称える。

 

「は、はい......ソルベさんが来てから、もやし弁当生活が終わりました、から」

 

少しおずおずと『伊草ハルカ』もソルベを称賛する。

今にも消え入りそうな声だが、ソルベはしっかりとその声を拾っていた。

 

 

「いやいや、俺にできるのはせいぜいああやって囮役に徹することだから。」

 

ソルベはそれぞれの皿に鍋を取り分け、渡す。

 

「実際依頼の成功率は格段に上がった。今日もお疲れ。ソルベ」

 

 

「カヨコ課長の的確な指示がなかったら今頃死んでるよ」

 

そしてソルベは鍋ではなく、アイスを食む。

すると、ソルベの腹のあたりから何かが飛び出す。

 

「おぉ〜今日は三つかぁ」

 

『ソルベ』

 

そいつらを回収し、ソルベはジャケットの内ポケットに入れておく。

ひょこっと顔を出していて可愛らしい。

 

 

「ソルベ、はいこれ」

 

「わ、私からも」

 

ソルベは2人からそれぞれ味の違うアイスを受け取る。

 

「ありがと。あとで食うから冷凍庫に入れてくるわ」

 

 

そう言ってソルベは席を立つ。

 

「ま、待って!まだここにいて!寒いから!」

 

「......社長、いい加減普通のコタツ買いましょうって......」

 

 

「そ、それはまだ予算的に......」

 

 

ズボラな社長を他所目に、アイスを冷凍庫に入れて再びこたつに戻る。

暖房システムも何もないただの箱のことをコタツと言っていいかは謎だが

 

 

「それじゃあ、ご飯中だけれど次の依頼を発表するわ」

 

「連日の依頼なんて珍しいね」

 

カヨコは鍋を食べながら小首を傾げた。

連日の依頼はアルが『過酷な労働環境は社員離れを引き起こすから断るわ』といつもなら電話で断ってるはずだ。

 

 

「ほれ、これだ」

 

「これは......」

 

 

「ホテルの見回り?」

 

「し、深夜に......?」

 

 

パソコンを机の上に出し、依頼内容を確認する。

 

「依頼料は相場の五倍......つまりまたとないビックチャンスってことよ!!」

 

「......五倍って......また騙されたんじゃないの?社長」

 

「それならソルベが止めてるでしょ〜」

 

三人はパソコンの画面を覗きながら若干訝しむ。

 

 

「最近、ホテルの従業員が姿を消してるらしい。それの調査と、1番奥の部屋にこれを貼ってきて欲しいんだとよ」

 

 

「うえっ!何それ気持ちわるー......」

 

「お札、ですか?」

 

 

「厄除けの護符......というより、何か禍々しいようなきが......」

 

 

結局受けてしまった依頼なので、それぞれ依頼内容を確認しつつ、事務所で眠りについた。

 

 

 

 

ただ1人、ソルベを除いて

 

 

 

__________________

 

 

「......ふぅ」

 

ソルベは自室で一度息をつき、再び大きく息を吸う。

 

 

 

「っ..........さいっこう..........!!!!」

 

 

大急ぎでノートを開き、文字がびっしりと書かれた欄にチェックマークを入れる。

 

 

『アル社長にお酌をする』

 

『イオリの足を凍らせる』

 

二つ、達成

 

 

「俺の知らないストーリーだぁ.......」

 

ノートを抱きしめ、嬉しそうにくるくると回る。

 

「いやぁ......まさかキヴォトスに転生するとは......神も俺を見捨てたわけじゃなかったのかぁ......!」

 

しかも、俺の好きな特撮の転生特典付きとは気が利いている

 

 

「ふっふっふ......この調子で、最後の目標もクリアするぞ〜」

 

 

氷河ソルベ・やりたいことノート

 

その35『社長にお酌する』

 

 

その2『イオリの足を凍らせる』

 

 

クリア

 

 

 

 

最終目標

 

『便利屋の益々の発展。あと便利屋水着イベント』

 

 

 

 

 

氷河ソルベは________________

 

 

 

 

 

 

「てってってーれー(例のbgm)」

 

 

 

 

 

 

重度のブルアカオタク転生者であった。

 

 

 

 




便利屋大好き侍、義によって助太刀致す
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