洞窟の奥へと進み続け、ドレイク達は冒険を繰り広げた。
黒き洞窟を松明の炎で照らし、獣人やゴーストと闘い
壁が迫ってきたり岩が転がり落ちてくるような罠を潜り抜けたり
とにかく映画でしか見ないような冒険を繰り広げたのであった。
「ほら、もう直ぐ出口よ」
アステリオスの肩に乗ったエウリュアレが藤丸とドレイクの様子を呆れた様子で見つつ、光が溢れている洞窟の出口を指差す。
ドレイクは出口を二度見すればガッツリと肩を落とし
「チクショウ!結局お宝には出会えなかった!!」
と露骨なまでに落ち込んでいる。
ノリで楽しんでいた藤丸は宝が見つからなかった事にあまりショックこそ受けていないが、それでも何かしらは欲しかった為
「まあ出口になんかあるかもだろ?新しい指輪とか」
前の冒険した洞窟だとキャットが中身食ってたんだっけな……と思いつつもドレイクをそう励ます。
ドレイクはその言葉にニヤリと笑えば、出口に向けて駆け始める。
「アタシ達の旅は……これからだぁ!!」
意気揚々とドレイクが外に飛び出せば──
「……いやまあ、何も無いとは思ってたぞ」
竜儀の呟きが表す通り、冒険を讃えるような宝箱もラスボスも見事に何も無かった。
ドレイクが崩れ落ち、徒労か……!と本気でガッカリした声で呟くのを見つつ、藤丸も若干くたびれたように溜め息を吐けば
《やっっと繋がった!結界が切れたのに通信が繋がらないから心配したよ!》
今まで途切れていたカルデアからの通信が復旧したのか、ドクターの焦っていたであろう様子が伝わってくる様子で声が掛けられる。
藤丸はバツが悪そうにしつつも事のあらましを話し──
《お宝探しって……夢があって良いけど状況を考えて!ミス・ドレイクも!!》
《なはは!!ええやんええやん、冒険にはボウケンジャーもニッコリやで!》
ロマンが呆れ半分と言った様子で藤丸とマシュを叱る。
若干遠くからは巡の愉快そうな声が響き渡っており、ロマンは巡の言葉に対してやれやれ、別に羨ましいとかじゃ無いけれど……と肩をすくめ
「でも……ドクター、
藤丸も漸く気付いたのか、眼前の景色を前に言葉を失う。
竜儀もまた何も言わずにその景色……
「行けるところまで、行って良かった。
こんなに素敵なモノが見られるなんて……」
何処までも広がる大海原が、夕陽に照らされて光輝いていた。
《……星の、開拓者か》
ダ・ヴィンチちゃんが通信越しに景色を見つつそう呟けば
マシュが景色に見惚れたように、小さく呟く。
「こんな
藤丸もまた、その色彩に目を奪われていた。
かつての過去、一般からの逸れ者として……願いを捨てて、色がぼやけてモノクロに見えてた頃とは大違いの、美しき景色。
自らの手に刻まれた令呪と、指に嵌められし赤き指輪を見る。
俺の願いは──あやふやで、ちょっとした事で変わってしまいそうな程小さな願い。
マシュの横顔を見て、自分自身の願いをぼんやりと考えていれば
「先輩、海が綺麗です……!
隣で、見ませんか?」
と微笑み掛けられる。
藤丸は軽く頭を掻きつつも、"あぁ、"だなんて曖昧な返事をしつつもマシュ隣へと並び立つ。
ドレイクが満足げに頷き、竜儀もまたこくりと頷く。
エウリュアレはアステリオスの肩に乗って興味無さげに藤丸達を見ていた。
藤丸は夕陽に照らされるマシュの横顔を見つつ
「……見つけてやるさ、俺の願い」
とだけ、小さく呟いた。