Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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海賊と海賊

冒険も終わり、ドレイク一行は船へと戻りアーチャーと合流。

新たな仲間を加え、無事に大海原へと出航を行う事が出来た。

既に時刻は夜であり、空を見上げれば綺麗な星空が輝いていた。

 

「……結局鉤爪の男の手掛かりは無かったな」

 

「振り出しと言う事ですか」

 

星空を見上げつつ、やれやれと藤丸がぼやけばマシュがそう尋ねる。

しかしドレイクは上機嫌に酒を飲みつつ

 

「いやいや、新しい仲間を手に入れたんだし一歩前進さ。

そうだろ?エウリュアレ、アステリオス!」

 

と島に寄った事で加わった二人を見て笑い掛ける。

しかしアステリオスは海をじっと見て黙っており、その様子を不審に思ったエウリュアレが首を傾げつつどうしたのか尋ねようとして──

 

「うううううぅ……!

な、にか……くる!!」

 

「横側から何か迫って来てるよ!」

 

アステリオスの声と、陸王の声が同時に船内へと響き渡る。

アステリオスは野生のカンとでも言うべきもので、陸王は何かが迫る音を耳で聞いてそれぞれ気付いたらしく、即座に全員が戦闘態勢を見つつ横を見れば──一隻の海賊船が此方へと迫っていた。

 

「敵襲!撃て撃てぇ!!」

 

ドレイクの号令の元砲弾が敵船へと着弾するが、一切の効果は見られず

更に急旋回による回避も試みるが、先に相手が突っ込んでくる方が早い。

 

「効かねえ大砲に、力任せの突進……忘れるものかい。

来やがったな、髭野朗……!

全員衝撃に備えろ!打つかるよ!!」

 

ドレイクがそう指示すると同時に、敵船が此方の海賊船へと激突。

船が横転するのでは無いかと思われる程激しい揺れ。

藤丸とマシュが咄嗟に互いを掴む事で何とか支え合い

 

「いやさか!」

 

怪力を持ってして強引に態勢を整えた竜儀が陸王と角乃を受け止め

アステリオスがエウリュアレを受け止めた。

アーチャーはひらりと跳躍し、そのままドレイクの隣へと並び立つ。

 

《敵襲だ!今は船の横腹に敵船が突いてる状態、このまま砲撃を貰うとかなり不味い──》

 

「が、砲撃をしない辺り何かしらの意図はあるだろうね、分かるかい?」

 

《……分からない、が敵の正体なら分かる。

鉤爪の海賊と言えば元より一人しか居ない。海賊のイメージ、その始祖とも言える人物……黒髭、エドワード・ティーチだ!!》

 

敵船の甲板部分に立っているのは黒髭が特徴的な半裸の大男。

管制室の測定により見える超高密度の魔力を測定、聖杯を持っている事は明白。

正しく人々がイメージする海賊と言った要望の男、黒髭は不敵に笑う。

その様子に心底嫌そうな様子でエウリュアレは溜め息を吐く

 

「あなた達の目的って彼奴だったのね、私が知る限り最強の……ヘンタイのサーヴァント」

 

「ヘンタイ?」

 

エウリュアレが狙われていた原因もどうやら黒髭らしい。

それはそれとしてヘンタイ、と言う言葉に藤丸達が首を傾げれば

 

「エウリュアレちゅわあああん♡♡」

 

黒髭は某青狸のようにメロメロな様子でエウリュアレにすんごいハートマークを飛ばせば

 

「エウリュアレちゃん……神(文字通りの意味)あんなに可愛い女神は滅多にお目にかかれないんや。

まっ、本当に女神だからバランスは取れてるんだけどね。

きゃわわ!キュンし!エウリュアレちゃんなう!エウリュアレちゃんなう!語感が悪くて呼び辛いですなコレ!!」

 

あまりにも海賊らしくなく、ネットミームを口走り続ける黒髭に全員が言葉を失う。

 

「改めて会ったら更に気持ち悪い……」

 

「う」

 

エウリュアレがそっと口を押さえれば、アステリオスがエウリュアレを庇うように前に出る。

藤丸はもう斬った方が早くね?と剣を構えており、陸王と竜儀はノーコメント。

角乃は汚物を見る目で黒髭を見つつマシュの目を隠していた。

 

「なんか大きくてかわいいやつは退けよ!其方の需要は今は要らな──」

 

アステリオスがエウリュアレを隠した事に苦情を入れようとした黒髭の髪を抉るように、弾丸が通り過ぎる。

銃声の発生源を見れば、怒り心頭のドレイクが銃を構えており

 

「テメェ……何を無視してやがる。

散々アタシにちょっかいをかけやがって、聞いてんのか髭野朗!!」

 

既にテガソードを構えており、即座に開戦してもおかしくないほどの剣幕。

そんなドレイクを見て黒髭は──

 

「hun?BBAの声など一向に聞こえませんが?」

 

辺りを、静寂が包む。

藤丸でさえ思わず固まってしまう程の言葉、誰も反応は出来なかった。

 

「BBA不要ッこの"エウリュアレ氏"があれば良いっ

何その無駄乳、変身した時に何処収まってんの?しれっと流されてるけど変身した時背格好変わってない?

傷は良いよね傷は。顔に傷……魅力的だよね。

けどBBAかあ……それで萌えるのは至難の技だ。

せめて半分くらいなら"アリ"だ。って言えるんですけどね〜」

 

怒涛の言葉、陸王がチラリとドレイクを見るが……そっと目を逸らし、次に声を掛けようとしたマシュをそっと止めておく。

立ったまま死んでるドレイク船長に声を掛けるのは躊躇われたらしい。

 

「……どうする?」

 

「どうしようもないだろう」

 

藤丸が竜儀を見て尋ねるが、竜儀は渋い顔をしつつ肩をすくめるのみであった。

何処となく緩い空気が辺りを包み掛けたが、アーチャーが杖で船の床を軽く叩き、敵船を杖で指す。

 

「戦闘態勢は解かない方がいいね、あの船には複数のサーヴァントが居るようだから」

 

藤丸達がテガソードを構えつつ、敵船を見据えれば

やれやれ、と無精髭の飄々とした男が頭を掻きつつ甲板から現れる。

 

「そのまま場の雰囲気に流されてくれりゃあ、おじさん達の仕事も楽だったんだけどねえ」

 

姿を現すは4人のサーヴァント。

飄々とした男、竜儀と島で争った巨大な男、そして長身で抜群なスタイルをしている美女と小柄で幾多の傷跡がある男装の麗人。

 

「皆さん良い所に、ではエウリュアレ氏のついでにBBAの"アレ"を」

 

「それが本命でしょう、これ以上近付かないで下さい」

 

長身の女が微笑みつつも辛辣な態度で黒髭に接すれば、敵船のサーヴァント達が武器を構える。

 

「ドレイク!!」

 

藤丸がドレイクを見れば、ドレイクもまた銀のテガソードに指輪を嵌めつつ笑う。

 

「決めたよ藤丸、あの髭は地獄に叩き落とす」

 

【センタイリング!】

 

「ドゥフフ、盛り上がって来ましたな!

では海賊同士いざ尋常に──」

 

ドレイクと藤丸達が指輪を嵌め、ステップを刻めつつ駆け出せば

相手の英霊達もまた走り出す。

 

「ブッ殺!!」

 

此処に海賊同士の戦いは、幕を開けた。




黒髭の口調が一番楽しいけど難しい
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