Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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なんかゴジュウジャーてんやわんやですね


怪物

巨体が打つかり合い、互いに押し合う。

数秒の拮抗の末に吹き飛ばされたのはアステリオス。

先程から数度激突しているが、相手のバーサーカーの方が出力は上。

理由として挙げられるのは──

 

《あの敵は黒髭のサーヴァント、魔力供給を受けているが……アステリオスは誰とも契約していない。

二人ともバーサーカーであり、魔力消費が激しいクラスである以上その差は致命的すぎる……!》

 

其処をカバーするのが藤丸とエウリュアレの役目だったのだが、何故かエウリュアレの攻撃は悉く弾かれ、無効化されてしまう。

エウリュアレ曰く

 

「……とんでもないのに愛されてるわね」

 

との事らしく、魅了系統が一切通用しないバーサーカーにとってエウリュアレはほぼ戦力外。

他メンバーも戦闘中な今、ゴジュウウルフである藤丸が動くしか無いと言うのが現状である。

 

「だったら契約を……!」

 

魔力が足りないと言うならくれてやれば良い。

藤丸は一歩踏み出そうとして

 

「やめた方が良いわ、人間があの子に触れるなんて」

 

エウリュアレから引き止められる。

どう言う意味だ、と聞く前にアステリオスは再び吹き飛ばされ、此方へと倒れ落ちる。

迷ってる暇は無い、とテガソードを持った手でアステリオスへと藤丸は触れ……

 

〔ころした〕

 

管制室より観測されている藤丸立香のバイタルが、急激に低下する。

ゴジュウウルフとしての変身は解け、黒き稲妻が手より迸る。

藤丸の脳内に駆け抜けるは無数の感情。

こわい、いやだ、にげたい、殺した。

血生臭い感情が脳天まで昇り、藤丸は思わず片膝を突く。

 

「……当然よ、あの子は人間とは契約しないわ。

あなた達が怖いもの」

 

エウリュアレが藤丸の前に立つ。

怖い?と藤丸が手を押さえつつエウリュアレを見つめる。

エウリュアレは目を細めつつ

 

「あの子は生前怪物だった。

何も知らない子供達を貪り食ったの。だからまた人間と関わって、怪物になるのが怖いの。

迷宮に居た理由も人と関わりたく無いからよ。何も知らないなら弁えなさい、手を伸ばしたって破滅するだけ──」

 

「五月蝿え!知るか!!」

 

エウリュアレの言葉を遮り、藤丸は立ち上がる。

エウリュアレが目を開き此方を見るのを無視して、藤丸は走り出す。

何を言われたって分かりやしねえ。

俺は結局人間だし、この世のはぐれ者。

人の気持ちを理解しようなんて土台無理な事だ。

……けれど、そんな俺にも分かる事は、確かにある。

 

【ゴジュウウルフ!】

 

手を伸ばし、アステリオスを掴む。

幾らスーパー戦隊の力を纏っていたとしても、バーサーカーの戦闘領域に入る事は自殺行為に等しい。

アステリオスが止まり、藤丸を見る。

 

「お前がどんだけ人間の事が怖くて、関わりたくなかったとしても……今、お前は此処に居る!!

だったら……お前には、外の世界に出る程の"願い"があるんだろ!!」

 

アステリオスの脳裏に浮かぶは、女神との出会い。

例え自分が自分の名を呼ばなくなっても、彼女だけは呼んでくれる。

そんな、約束。

藤丸の令呪が紅く輝き、契約は成される。

 

「お……まえの、ちから、かりる。

えうりゅあれを、まもる……ために!!」

 

「ああ!好きなだけ持っていきやがれ!!」

 

「……っ!

あり、が、とう……!!」

 

藤丸がテガソードを手に走り出し、藤丸を警戒して動きを止めていたバーサーカーに斬りかかる。

バーサーカーは斬撃を受け止め、雄叫びを上げる。

 

「血ダ……血ダァ……血ダアアァァァーーーッ!!」

 

自身の近しい親族を悉く討ち果たし、ノルウェー王に名乗りを上げたという逸話。

バーサーカーの真名をエイリーク1世。

血斧王であり、魔女に愛されし者。

エイリークの宝具、血塗れの戴冠式(ブラッドバス・クラウン)が発動する寸前──アステリオスが空に飛び、宝具発動前にエイリークへと斬りかかる。

エイリークとアステリオスの斧が交差し、大きく軋む。

 

「コロス……コロスゥゥ!!ミンナコロシテ、セイハイヲヲヲヲヲ!!」

 

「だれも、ころ……させ、ない!」

 

深淵のラブリュスが一つとなり、巨大な斧となりて……血斧王さえ斬り伏せる。

エイリークが光の粒子となって消え、アステリオスは荒い息を吐き続ける。

 

「お疲れさん。これから宜しくな、アステリオス」

 

藤丸が汗を拭いつつも笑顔で差し出した手を

 

「うん……よろしく……」

 

アステリオスは、受け止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連結索は切り離され、船から離れる事は可能となった。

 

「部下が一人逝ったのに随分と大人しいじゃないか?」

 

敵の戦力を減らしたと言うのに、何故か余裕を崩さない黒髭に対してドレイクは銃口を向けつつ尋ねる。

黒髭はオタク的な様子を崩さず笑えば

 

「バーサーカーなど我等黒髭四天王の中では最弱……なんてな。

俺にも必要だったんだよ、宝具を解放する時間ってのがなぁ!!」

 

黒髭の余裕の正体をドレイクが悟った時、既にアーチャーと竜儀は動いていた。

しかしハンマーと杖はメアリーとアンに塞がれ、アーチャーと竜儀は船の方へと吹き飛ばされてしまう。

その様子を観測していたロマンは即座にマシュを呼ぶ。

 

《マシュ!》

 

「はい!宝具で──」

 

「それも、織り込み済みさ」

 

マシュが盾を持って即座に駆け出すが、陸王と角乃の斬撃の間を縫って現れたランサーの斬撃が盾を直撃し、マシュはたたらを踏んでしまう。

 

「……全員聞けぇ!生きたい奴は今からアタシの言う通りに……!!」

 

防御は最早不可能と悟ったドレイクが即座に号令を飛ばすが、黒髭は笑みを崩す事はない。

 

「ああ、やっぱりテメェはそういう女か。

だが、遅せぇ!!」

 

砲塔に魔力は十二分に集まった。

一切掃射も余裕、この近距離で外す事は有り得ない。

 

「刻め、星の開拓者(フランシス・ドレイク)

これが黒髭の……アン女王の復讐号(クイーン・アンズ・リベンジ)だ!!」

 

黒髭の船より放たれし光線が、ドレイクの船を撃ち抜いた。

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