Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

107 / 146
また投稿ミスってました


お月の女神様

「あーあ、逃げられちまいましたね」

 

何処までも続く、激闘が起こったとは思えないほど静かな海を見つつランサーは呟く。

あの超至近距離の宝具を受けてよくぞ無事だったもんだ、とランサーは呟けば。

 

「咄嗟に船を傾けたんだよ、それで威力を分散させてた」

「それ以外でも宝具の威力は下がっていたけれど、それで上手く行く辺り流石フランシス・ドレイクね」

 

ユニバース戦士と言う不確定要素込みで、その力を使わせないようにしたつもりが素の力で乗り切られるのは流石偉大な星の開拓者と言った所か。

 

「じゃあこれからどうする?」

「勿論ドレイクを追うのでしょう?そういう約束で貴方の部下になったのです」

 

口調こそ尋ねるようだが、既にドレイクを追う事を確定したように二人は船長である黒髭を見る。

黒髭は自らの顎をかけば

 

「ん〜……取り敢えず何処かの島でお二人とアバンチュールを」

 

「「よし殺そう」」

 

黒髭の言葉に、二人の海賊は即座に獲物をぶっ放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【キングオージャー!】【マジレンジャー !】【オーレンジャー!】

 

「くそっ、幾ら何でも多すぎだろ!」

 

「島は見えてるのにこのままじゃ……!」

 

なんとか黒髭から撤退する事が出来た藤丸達。

島が見えて来たと言うのにワイバーンの群れに遭遇してしまい、一行は再び戦闘を余儀なくされていた。

マントでワイバーンを海に叩き込み、魔法で燃やし、古代の超力で船を守るが元々あった損傷まではどうにもならない。

船底には穴が空いており、水が入って来て沈没までの猶予もあまりない。

テガソードには全員を乗せる事は出来ないし、下手に動かせば船が崩壊する可能性だってあった。

しかしこのままでは時間の問題である以上、一か八かと藤丸はテガソードへと手を掛け──その前に、無数の青き光がワイバーンを残らず射殺した。

 

「どうやら助太刀みたいだね、あの島からサーヴァントの気配を感じる」

 

「あの距離からワイバーンを一層となると……中々強力な英霊だな」

 

アーチャーが島を見つつ光の正体を述べれば、竜儀が島との距離を見つつそう話す。

敵は居なくなった以上、島に上陸する事は容易となり

そのまま上陸すれば、既に先ほどの光を放ったと見られる英霊、月光のような淡い髪色をした美女がクマの人形片手に立っていた。

 

「礼を言うよ、アンタの助けがなかったらこの船は沈んでた。

……で、どうしてアタシ達を助けたんだい?」

 

正体も目的も不明な英霊に対してドレイクが礼を言いつつも油断なく尋ねる。

女は数秒考え込めば

 

「なんて話すんだっけ、ダーリン?」

「俺は喋らないって段取りだっただろ!?」

「あっ」

 

クマのぬいぐるみ……だと思われた存在を、女はダーリンと呼び

その"ダーリン"は思わずと言った様子で目を見開いて女へとツッコミを入れた。

微妙な沈黙が辺りを包んだが、ロマンが

 

《まあまあ、使い魔だろう。こっちで解析すれば……》

 

とそのまま解析を始める。

別にぬいぐるみを喋らせようと思えば割と簡単に出来るもの、そんな不思議な事でもない。

と思っていたのだが、調べれば調べるほど不思議な情報が発掘されていく。

霊基はぬいぐるみの方にあるし、力は殆ど女性の方にある。

ロマンが首を傾げつつ解析を進めれば、やれやれと観念した様子でぬいぐるみは口を開く。

 

「しゃーない自己紹介するよ。

俺は弓兵のオリオンだ、よろしくな」

 

ギリシャ神話に登場する、世界有数の知名度を持つ星座の元となった狩人、それがオリオン。

 

「……ぬいぐるみだったんだな」

 

男とされてた人物が女性だったりしたし、んな珍しくもねえかと藤丸が納得したように頷けば

 

「いやいや流石に人間からぬいぐるみはおかしいでしょ!?」

 

思わずと言った様子で角乃がツッコミを入れ、陸王と竜儀が同意するように頷いた。

 

「色々事情があんの!……まあ後で話すよ。んでこっちは」

「私はね!ダーリンのお嫁さん!」

 

ぬいぐるみの嫁を名乗る女に、英霊ってのは一癖も二癖もある奴しか居ねえなと藤丸が見れば

てへ、と女は舌を出し

 

「じゃなくて、真名ね?

私の真名はねぇ〜……アルテミス!月の女神やってまーす!よろしくね!!」

 

とにっこり笑って自己紹介してみせる。

 

「宜しくな」

「宜しくお願いします」

 

藤丸がぶっきらぼうに、竜儀がぺこりと礼をして挨拶に応えたが

他は呆然とした様子でアルテミスを見る。

 

《……神格を落として英霊サイズの霊基に収まっているが、彼女は本物の神霊だ》

 

過去に一度、ステンノとは遭遇したが彼女は自分で"弱き者"との名乗るほど戦闘向けでは無かった。

しかしアルテミスは違う、月の女神である彼女は当然戦闘能力も決して低くはない。

普通のサーヴァントとして召喚される事は先ず有り得ず、それこそステンノとエウリュアレが召喚された事さえ有り得ない事態だった筈なのだが……

 

「ダーリンが召喚されるのが不安で私が代わったの!」

「ついて来たんですこの女神……」

 

二人は神話内で恋人だった以上縁は十分。

アルテミスはオリオンの召喚に割り込み、その結果オリオンは力の殆どをアルテミスに取られてしい、オリオンはぬいぐるみとなる程まで弱体化されてしまった……と言う事なのだろう、めちゃくちゃだが神霊なら可能なのだろう。

 

「まあサーヴァントだし、4人の誰かで良いから契約してくれねえか?」

 

オリオンとアルテミスもまた英霊、マスターのバックアップは必要だ。

それで誰と契約するかと全員が顔を見合わせる。

藤丸はアステリオスと契約してるから除外、残るは3人。

正直誰でも特に問題は無い、故に陸王が名乗ろうとして──

 

「此処は私が契約しよう」

 

と竜儀が先に前へと出て、オリオンと契約を果たす。

 

「良いのかい?相手は神様だけど」

 

テガソードを信仰する竜儀にとって、別の神というのはどうしても良い印象にならないのでは、と陸王が尋ねるが

 

「テガソード様が他の神を差別する筈も無いだろう、私は信者としてテガソード様を信仰している以上他の神に捧げるつもりも無いが、別に嫌ったりする必要もない」

 

と答えたので、それなら良いかと陸王は引き下がる事にした。

どうやらテガソードを崇める心には変わらないが、別に他の神を否定したりはしないらしい。

 

「じゃあこれからどうするの?黒髭を倒すにしても船壊れちゃったじゃん」

 

「先ずは修理かな?この島にはワイバーンが沢山居るし鱗とか使えそうじゃない?」

 

「そりゃあ良い、ワイバーンの鱗は加工すりゃ鋼より硬くなるしな」

 

《カルデアからも一つ、ひょっとしたらドレイクの船をゴーカイジャーの力で強化出来るかもしれへん、色々調べてみるわ》

 

「んじゃ決まりだね!暫くこの島を根城にして船の修繕に尽力する!!

飛竜の島での楽しい楽しい狩猟生活だ、やるよ野朗ども!」

 

「「「ハイホー!!」」」

 

角乃がどうするべきか尋ねれば、陸王が空から聞こえるワイバーンの羽音や鳴き声を聞いて修繕を提案し、オリオンがそれに頷く。

巡がゴーカイジャーの力による船の強化を提案すれば、ドレイクは頷きつつ船員に向けて号令を発すれば

船員達は意気揚々と行動を始める。

こうして、島での修繕が始まるのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。