Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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エミヤの宝具詠唱はかなり好み


正義の味方

 

「──投影」

 

それは、所有者の魔力尽きようとも輝き続ける名剣。

その名を絶世の名剣(デュランダル)!

それは魔術師の杖を寸断せんと振り下ろされ

 

「甘えよ!」

 

しかして、杖は水のように唸り、剣を弓兵の手元から叩き落とす

すかさず描かれるは無数のルーン

弓兵の目を潰すように文字が輝いたかと思えば

風が刃となって弓兵へと迫り

 

「投影」

 

熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)

七枚の花弁が舞い上がり、風を防ぐ。

既に何度、攻防を繰り返したのだろうか。

弓兵は無数の宝具を投影し

魔術師は無数の文字を描き続けた。

お互いの身体に依然一つたりとも傷は無い

一度の傷が、そのまま致命傷になると互いに理解しているからだ。

やれやれ、と油断なく杖を構えたまま魔術師が口を開く

 

「──ったく、時間稼ぎも良い加減にしたらどうだ?

此処は手っ取り早く──宝具で決着付けようや」

 

魔術師の予想だと、自分が勝てる。

三騎士に対しての勝利の予想

しかしてそれは傲慢では無く、数多の戦場の経験が伝える

この杖が赤き槍ならば、と何度も神を恨んだが

仕方ねえ、と舌打ち一つで割り切る。

 

「──良いだろう」

 

弓兵もまた、頷いてみせる

自身の役割は時間稼ぎ

しかして最も面倒なのは、相手がありったけのルーンを行使し、此方を少しでも動けなくする事

かの騎士王が負けるとは思わないが

眼前の魔術師を野放しにするのは少々──いや、かなり面倒と断言出来る。

ルーン魔術について全てを知らない以上、互いに決着を付けるのは妥当と弓兵は判断をした。

泥がまだ、自分の思考を闇へと染め上げぬ内に

仕事を、全うするとしよう

なんの動作もなく

しかして同時に、言葉は紡がれる

 

「I am the bone of my sword(体は剣で出来ている)」

 

「我が魔術は炎の檻」

 

錬鉄の固有結界。

広がる光景は燃えさかる炎。

無数の剣が大地に突き立つ一つの荒野が広がる。

空には回転する巨大な歯車。

しかして歯車はひび割れ、剣は闇へと侵食されている。

荒野には乾かぬ泥が溢れ

正義の味方はその中に立っていた。

 

「Steel is my body, and fire is my blood.(血潮は鉄で 心は硝子)」

 

「茨の如き緑の巨人」

 

「I have created over a thousand blades.(幾たびの戦場を超えて不敗)」

 

「因果応報」

 

「Unknown to Death.(ただの一度も敗走はなく)」

 

「人事の厄を清める杜」

 

「Nor known to Life.(ただの一度も理解されない)」

 

「焼き尽くせ──」

 

「Have withstood pain to create many weapons.(彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。)」

 

「木々の巨人」

 

「Yet, those hands will never hold anything.(故に、生涯に意味はなく)」

 

荒野に現れるは巨大な巨人。

尽きぬ炎を宿した巨人は、正義の味方へと歩み出す

そしてそれを仕留めんと展開されるは無数の宝具

全ては投影されし贋作

しかして、その贋作は決して原作に劣らず

寧ろその数、巨人さえ穿つ。

 

「灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)!」

 

「So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS!(その体は、きっと剣で出来ていた。)」

 

二つの宝具が同時に放たれる

数えるのも億劫な程の、しかして一つ一つが必殺とも言える宝具の雨が巨人へと降り注ぐ

しかして巨人は止まらず、我が身の炎を絶やす事なく歩み続ける

 

「──ッ!」

 

弓兵もただ鎮座するのみにあらず、手に収まるは弓と矢

無数の宝具で穴だらけとなり、されども止まらない巨人の頭部を穿つ!

それと同時に、弓兵(アーチャー)は鷹の目をもって見た

此方へと杖を投擲せんと構える

──魔術師(ランサー)の姿を。

 

「──その心臓、貰い受ける!!」

 

そしてその杖は、正義の味方の心臓を貫いた。

歯車は砕け、荒野は無くなり

巨人もまた朽ち果てる

 

「この勝負、俺の勝ちだ」

 

魔術師は弓兵を一瞥すれば

洞窟内へと霊体化をして、向かっていく

弓兵は、消える寸前に呟いた

 

「──全く」

 

「次こそは、まともに働きたいものだ」

 

WINNER:クー・フーリン

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