爆炎によりマシュは吹き飛ばされ、藤丸がマシュを受け止める。
船は大きく揺れ、全員が吹き飛ばされる。
「皆んな!!」
使い魔を穿ち、テガソードに乗っていた角乃が飛び降りて、吹き飛んだ仲間達の元へと駆け寄る。
「これで少しは頭が冷えただろう、ついでに誰か殺せれば良かったんだがな」
身体の大部分を消し飛ばされ、ただ立っているヘラクレスを見てイアソンは満足そうに笑う。
「ヘクトール、さっさとエウリュアレを奪ってこい」
【カニキュータマ!】【ボウエンキョウキュータマ!】
全員が爆炎により吹き飛ばされた今、アステリオスが庇ったとは言えエウリュアレの側には誰も居らず
アステリオスもまた、動かずに居た。
「──逃げな!アンタが捕まったら元も子もっ」
ガレオン砲を展開したドレイクがヘクトールの左腕に生えた蟹の鋏によって殴り飛ばされ、拘束魔術が遠方よりエウリュアレへと直撃する。
「全身を拘束しようと思いましたのに、やはり彼女には魔術は効きづらいのですねえ」
ふむむ、と相手を観察しつつも残念そうにメディアはぼやく。
しかしてエウリュアレの動きを封じる事には成功しており、ヘクトールは悠々とアステリオスの隣を通り過ぎて、エウリュアレへと手を伸ばす。
ますたーが、ゆうきをくれたけど……だめ、だった。
このひとたちはえいゆうで
ぼくはやっぱりかいぶつで
かいぶつはえいゆうに、倒されるものだから。
きっと
だけど、それでも──
「電撃──」
地球に宿し伝説獣のオーラが、アステリオスより浮かび上がる。
ドラゴン、グリフォン、ペガサス、マーメイド、フェニックス。
それに気が付いたヘクトールが槍を振るい、メディアが魔術を放たんとするが
「させぬ!」「海賊舐めんなぁ!!」
竜儀が身体で槍を止め、ドレイクが大砲を放ち魔術を相殺する。
アステリオスは叫ぶ。
えうりゅあれが、みんなが。
おれをかいぶつじゃなく、アステリオスとよんでくれるかぎり
おれは、ぼくは──!!
「フラッシュ!!」
五つの伝説獣のオーラが明日テリオスの身体へと収まれば、電撃となって炸裂し
ヘクトールの蟹腕諸共穿ち、吹き飛ばす。
「がっ──!!」
ヘクトールはイアソンの隣にまで吹き飛ばされてしまい、エウリュアレは解放される。
「ミノタウルス──まだ動くか!!
ヘラクレス!!さっさと起きてその怪物を殺せえええ!!」
ヘラクレスの身体から蒸気が立ち上り、命を一つ犠牲として一歩を踏み出さんとし
「
四つの石がヘラクレスの周りに着弾すれば、最後の石がヘラクレスの頭部を吹き飛ばす。
「……は?」
イアソンが呆気に取られた様子で再び地へと沈むヘラクレスを見れば
「良かったよ、彼が巨きくてさ。
おかげで神秘を上乗せしてもう一回殺せた。まあそれでも蘇生されちゃうんだけどさ?
だから──今しかないよ、ゴジュウジャー」
既に各々がセンタイリングを構えて、気力を振り絞って立ち上がっていた。
全員で生き残るにはもう、此処しかない。
此処を逃せば──誰かが犠牲になる。
「行くぞテメェらぁ!!」
「勿論!」「分かってる!」「いやさか!!」
【キングオージャー!】【キラメイジャー!】【ドンブラザーズ!】【オーレンジャー!】
既に舵は切られている。
アステリオスは既に限界に近く、しかしヘラクレスを掴み自分諸共相手船へと移動しようとして──
「行かせない、から!」
【必殺奥義!アバ・タロ・斬!!】
「全員で戻る!約束は違えさせんぞ!!」
ザングラソード・快桃乱麻と秘剣・超力ライザーの赤き斬撃は交わり、ヘラクレスを吹き飛ばす。
命には未だに届かず、しかし相手船へと吹き飛ばす事は叶い
「ひらめキーング!!」
陸王が描いた巨大なウルフデカリバーが空へと飛び出し、藤丸がマントを絡めて持ち手を掴み──斬撃を放てば、相手船を丸ごと飲み込める異空間が開かれる!!
「メディアぁぁぁぁ!!なんとかしろぉ!!」
相手の狙いを理解したイアソンが叫ぶが、アーチャー達の射撃がメディアが動く事を許さない。
「潮時だな」
「そうねえ、アルゴノーツの力とゴジュウジャーの力はよ〜く分かったわ」
この戦場において、唯一何もせずに観戦に徹していたシャイニングナイフとスイートケークは満足そうに頷けば
イアソンへと迫った射撃をナイフで弾き飛ばした。
「この勝負──俺達の、勝ちだぁ!!」
アルゴー号は異空間へと飲み込まれ、そのまま切り裂かれた空間は閉じる。
無論死んではいない、何処か遠い海にワープさせただけだ。
それでも──こうして、全員揃って……戦場を、乗り越える事が出来た。
ゴジュウジャー面子が居ないと先ず全員生存は出来ませんでした。