「……さて、相手を何とか遥か遠くへと送ったは良いが、状況は決して良くはない。
相手の損害は軽微だし、此方は最早満身創痍。次に戦えばまぁ負けるだろうね」
アーチャーは冷静にそう話す。
全員で生きる目標こそ叶えられたが、次にアルゴノーツの面子と戦えば犠牲は必ず出る……いや、それどころか全滅してしまってもおかしくはない。
更にはトレジャーハントノーワンと融合した黒髭まで居る始末。両者が弱ってる所を横から掻っ攫っていく恐れだってある。
「だから何だい、やる事は一つさ
アルゴノーツも黒髭もぶっ潰して、聖杯もブン奪る!!」
ドレイクは酒を飲み干せば、床へと叩き付けてそう宣言する。
結局やる事は全員ぶっ飛ばして聖杯を手に入れるのみ。
まぁそう言うだろうね、とアーチャーは頷きつつ
「1番の問題はヘラクレスだ、彼の命のストックはまだまだ残ってるし」
「……アンタの宝具で良くない?」
アーチャーが口にした言葉に対して、角乃が首を傾げつつ尋ねる。
アーチャーの宝具はヘラクレスの頭部を一発で砕いていた、そりゃ時間は掛かるだろうがちまちま宝具を連発していけばいずれはストックも尽きるのではないか。
「そう上手くはいかないと思うぜ」
と、口を開くオリオン。ギリシャ1番の狩人の目は伊達ではなく、戦闘中にも多くの事を見ていた。
「ヘラクレスの奴、戦闘中どんどん攻撃が効かなくなってただろ?」
「うん、てごたえがにぶくなってった……」
オリオンの言葉に頷くのはヘラクレスと激闘を繰り広げたアステリオス。
相手が徐々に硬くなり、此方の攻撃が通じなくなっていったのは肌で実感していた。
「多分一度受けた攻撃には耐性が出来るんだよ、だからもうアーチャーの宝具じゃ殺さねえな。
俺……アルテミスの宝具でも殺せると思うけど、それで打ち止めだな」
ヘラクレスを殺し切るのは流石に不可能だ。スーパー戦隊の力一つじゃ足りないし、合わせ技で殺せたとしても纏めて耐性を持たれてしまう。最悪"スーパー戦隊"そのものの力が通用しなくなるかもしれない。
「──とは言え、一体どうすれb」
オリオンの頭を貫いて、一本の矢が突き刺さる。
クマのぬいぐるみから血がとんでもないくらい溢れ、オリオンの汚い悲鳴が辺りへと響く。
「音的に──あの島からかな?」
「方角的にも間違い無さそうだ、矢文がある事から敵襲ではなく用件があるとみて良さそうだ」
陸王が遠くに見える島へと耳を向ければ、アーチャーが頷きつつ矢に紐付けられた紙を取り出し、藤丸達へと渡す。
「どれどれ……?」
藤丸が紙を開き、マシュが隣でその文章を読み──
「抜いてよぉ!!!!」
ガン無視されてたオリオンの悲鳴で、漸く角乃が矢を引き抜いた。
「──つかこれ俺の仲間の矢文だな、合流するか」
いてえいてえと唸っていたオリオンがチラリと矢を見れば、思い出したように藤丸へと声をかける。
「「……はい?」」
藤丸とマシュが、同時に素っ頓狂な声を上げた。
「矢文は送ったぞ。
──で、結局味方なのかお前は」
「デュフフw無論敵ですぞ?いやしかしその前に筋肉モリモリマッチョマンに一泡吹かせたいと思っておりましてな!」
島にて変にオタクっぽい怪人を見つつ、狩人は溜め息を吐いた。