「……要するに、話を纏めるとこう言う事だな?」
ドリルで縦にぶん殴られたダビデと、ついでにぶん殴られたオリオンを正座させている角乃を見つつ、藤丸は咳払いをして聞いた事を再度確かめるように話した。
ダビデは契約の箱の持ち主だが、召喚された時に逸れてしまった。
それでドレイクの部下となり、箱探しを始めた。
誰が敵か──それこそ、ドレイクが敵かもしれないし誰が聞いてるかも分からない状況故に、真名を隠して。
だが敵は分かり、箱をどのように使用するかも分かった。
「──故に僕は真名を明かしたのさ」
敵はイアソン率いるアルゴノーツ。
目的は特異点の消滅だ。
「消滅すれば修復も聖杯もあったもんじゃない。絶対に阻止しないとならない事だ。──まぁ本来、契約の箱では不可能な業なんだけどさ」
やれやれ、と苦笑しつつダビデは肩をすくめる。
触れた者を消滅させる宝具。
規模は小さく、精々一人が限度の代物。
しかし、エウリュアレ──神霊を消滅させるとなると、話は変わる。
「私と同じって事ね!」
「テガソード様と同じか?」
「んや何方も違うと思う」
アルテミスが笑顔を見せ、竜儀が首を傾げつつも呟き
その両方をオリオンは否定した。
《アルテミスは無理矢理英霊として現界したし、テガソード……は、どうなんだろ。
巨大ロボットが神様は良いとしても……やっぱり世界が違うから定義が多少異なっててもおかしくはないと思う》
ロマンは改めてテガソードと言う不思議な存在について考えつつ、両方をきっちり否定しておく。
イアソン側としても作動するかどうか分からない物よりも、確実に作動する物しか狙わないだろうし。
そもそもテガソードは大き過ぎるから捕縛目的には不適切だ。
「……私は私のまま現界してるの、神格としての格の違いの所為でしょうね。
月の女神と古い土着神じゃ比べるまでも無いもの」
彼女が箱に触れれば神と認識されてしまう。
神に捧げた箱に神を捧げると言う矛盾。
機能不全となった箱は暴走し、結果として全てを消滅させる。
「……まあやる事は変わらなそうだね」
どの道イアソンは打破しなければならないし、箱とエウリュアレは守る。
そして、その為には──
「ヘラクレスの、撃破……」
アタランテが仲間になったとて殺し切れるとは言えない。
彼女が持ってるキュータマをフル活用してもう数回、だが確実に全ての命は奪えないし全てを出し切ってしまえばイアソン達に倒されてしまう。
《……言わないなら私から言おうか》
ダ•ヴィンチちゃんがキュータマを見つつもロマンに尋ねる。
万能の天才は既に一つの手段に行き着いている。
──今更言えた事ではないが、彼に負担を強いる策。
ロマンが首を振り、口を開こうとし──
「ちょーっと待ったぁ!!
戦力……幾らあっても良いんだろ?」
その声に、全員が武器を構えて振り返る。
死んだかと思えばノーワンと合体をし、去っていった海賊。
「黒髭……!」
黒髭の面影はほぼ無い。一部の装飾品が海賊らしい程度だが……それでも声に黒髭の意思を感じた。
現れたトレジャーハントノーワンは指を高らかに上げれば
「俺とトレジャーハントバトルで勝負しろ!
勝てば──黒髭として、協力してやろう!!」
まさかの提案。
信じ難いが──ナンバーワンにノーワン達が忠実なのは、陸王と角乃は理解していた。
「良いぜ、やってやるよ!」
アタランテがラシンバンキュータマ……アルゴノーツの位置が分かるキュータマを見て、時間に余裕がある事を伝えれば
藤丸が頷き、此処にナンバーワンバトルが開催された。
トレジャーハントBATTLE:ready……GO!