「敵船──浮遊!?」
「はっ、そう来なくちゃ面白くねえ!」
宙へと浮かび上がった敵船。
削った戦力は元以上へと膨れ上がり、影なれど名だたる英雄が集っているのが見える。
──分かる。
あの醜い魔神柱より、今のアルゴノーツの方が余程厄介だ。
だが、だからこそ良い。
よく分からない化け物の肉よりも、英雄が持つ指輪の方が余程略奪し甲斐がある!!
「野郎どもぉ!飛ぶぞ!!」
はぁ!?と驚きつつも吹き飛ばされないように近くの物へと捕まる藤丸達。
ドレイクは既に、どうすれば良いのか分かっていた。
自らの指輪を抜き取り──自らの船の舵輪。その中央へと着ける。
【ゴーカイジャー!】
赤き海賊船と、黄金の鹿が宙へと浮かび上がり──
海の底より、無数の幽霊船もまた共に浮かび上がる!!
「嵐の王、亡霊の群れ……ワイルドハントの始まりだ!!」
かつて従えた船団と共に、海賊は嵐の海を航海する。
宇宙を駆ける救世主達の船に──ド派手な海賊は真っ向から挑む!
「全く、船長も大したものだ……」
半端呆れるように竜儀は笑えば、改めて眼前の時──シャイニングナイフとスイートケークに向き合う。
やる事は変わらない。
我が信仰を、テガソード様へと捧げるのみ!!
「キャプテンと言うのは、やはり愉快な物だな」
「良いわよね〜!!」
同調するように巨大化したシャイニングナイフとスイートケークも頷いたが、敵同士である以上──激突は避けられない。
巨大なハンマーと、食べ物を切るのに使うナイフのような武器が真正面から激突した。
「野郎ども──好きにやるぞぉ!!」
「好きにやれ!お前達の手で私を勝利へと導くんだ!!」
ゴーカイレッドとシシレッドが剣を交わせば、残る船員達も各々激突していく。
此処まで来たら戦術も何もありはしない。
──如何に、願いが強い方が勝つか!!
「おっらぁ!」
斬撃、銃撃、魔術、色とりどりの攻撃が戦場を彩る。
イアソンはドレイクの砲撃を必死に避け、斬撃を振るう。
ああ、やらなければ良かった!と現在進行形で後悔している。
今だってさっさと降参したいし、剣を投げ出したい
仲間に全部任せて逃げ出してしまいたい。
──けどしない。
ああクソだ、俺は本当に運がない!!
だがまあ──最低限、英雄らしくやれていると思う。
思わなきゃ、やってられないさこんな事!!
「はぁぁぁぁっっ!!」
キューソードが、ドレイクを切り裂く。
だが、海賊は以前健在。
「良い男になったじゃないか!」
【ファイナルウェーブ!!】
赤き斬撃が──真っ向から、イアソンを切り裂いた。
俺の夢が終わる。
魔女が願った架空が終わる。
「俺は──最初から、良い男だ……」
なんて捨て台詞を吐いて、崩れ落ちる。
英雄の影が消えて、魔女がイアソンの元へと駆け寄る。
英雄達を乗せた船は、海へと落ちる。
元々──私は前線向きじゃないんだ。
宝具を展開しながらやり合えば、まあこうなる。
だがまあ──悪くは無かったかな。
「……イアソン様……好き、です。
これからも、ずっと」
倒れた此方を膝枕にて迎えてくれた魔女はそう笑う。
恐ろしい宣言だな、と笑おうとして……自らの身体が、光の粒子へと還っていく事に気づく。
まあ、前の最期よりは余程良い結末だな。
イアソンはそう笑い
メディアもまた、笑い返して
──アルゴノーツは、消滅した。