「あーもうやり辛い!!」
角乃のドリルを避け、竜儀のハンマーと陸王の銃撃を避け、霧の中へと消えて行くジャック。
子供好きな角乃としてはそもそも武器を振るうのを躊躇ってしまうし
陸王もまた優しさ故に銃を撃つのを躊躇ってしまう。
竜儀と藤丸、そしてマシュは躊躇こそしないがそれでも攻撃を当てられずにいた。
いかんさん背丈が低く、普段の対戦相手とは勝手が違う。
そして相手の気配は即座に消え、霧に紛れて襲って来る以上防戦一方にならざるを得なかった。
「ティッラァ!!」
ジャックが再び迫った瞬間、竜儀が地面を砕いて衝撃で宙へと浮かす。
「わあ、凄いね!」
無邪気に笑うジャックを見つつ、マシュが跳躍して上から盾を振り下ろす。
ナイフを交差させ、盾を防ぐがそれでも吹き飛ばされ
「アオーン!!」
藤丸のウルフデカリバー50が空間を切り裂き、ジャックを再び空へと打ち上げる。
ジャックが宙を舞った瞬間、霧が一瞬だけ薄れる。
その隙を逃さず、藤丸が叫んだ。
「今だ!!」
マシュが盾を構え直し、跳躍の勢いのままさらに高度を稼ぐ。
盾の先端が淡く光り、まるで流星のようにジャックに向かって突き進む。
「マシュ、任せた!」
ジャックは空中で体を捻り、両手のナイフを振り回して回転しながら落下速度を殺そうとする。
だがその動きを読んでいたかのように、竜儀が大きく踏み込んで地面を叩きつけた。
再び強烈な衝撃波が広がり、ジャックの下方から爆風が吹き上がる。
落下軌道が狂い、無理やり高度を下げさせられたジャックはトッキュウブラスターを構えて空中にて回転する事で周囲へと乱射。
「皆さん、私の背後へ!」
マシュが盾を構え、ゴジュウジャーがマシュの背後へと飛び込む事で銃撃を防ぐ。
「……ん〜、じゃあ、またね?」
地面へと降り立ったジャックは藤丸達を見れば
にぱ、と幼女らしい笑顔を見せつつあっさり霧の中へと消えて行く。
「待て!」
藤丸が慌てて駆け出すが、既にジャックは霧の中へと掻き消えてそのまま消え去ってしまった。
《戦闘中の分析によるとこの霧の一部はあのサーヴァントの宝具だったよ。
けど全部が全部って訳じゃないから複数の原因があると思われるね》
戦闘が終わったとみたロマンは冷静にそう告げる。
本来なら敵の真名と一緒に告げるべき、だったのだがそれは出来なかった。
「……思い、出せない。
私達が誰と戦ったのか」
つい先程まで戦っていたサーヴァント。
それがもう、ユニバース戦士だったのかさえ分からない。
それこそがあのサーヴァントの宝具なのであろう。
もう、どんな敵だったかさえ覚えてなかったが。
「ふうん、まあやるじゃん」
「すまんの、いざとなれば助けるつもりだったのだがモードレッドが……」
赤き騎士が姿を現し、空よりゴジュウイーグルが舞い降りる。
どうやらあの戦闘を観察していたらしい。
「連中をぶっ倒すって事は敵じゃねえだろ、改めて案内してやる。
其処で自己紹介なり何なり済ませちまおうぜ」
赤き騎士に漸く認められ、藤丸達は此度の拠点へと移動するのであった