「取り敢えず敵は僕が撃ち落とす、仕留め切れなかったら君達の出番だと思ってくれ」
禽次郎──ゴジュウイーグルは空へと舞い上がり、近くに居たホムンクルスを撃ち落としつつ下に居る3人へとそう話す。
マシュは的確に撃ち抜いていくゴジュウイーグルを見て
「この霧での正確な狙撃──凄いですね、元がご老人とは思えません」
と感心したように呟く。
霧が渦巻くこの都市の視界は控えめに言っても最悪。
それなのに上空から的確な狙撃をする姿は味方としてとても安心出来る物だ。
「僕は目を強化されているからな!──と、着いたぞ!」
「俺が鼻、陸王が耳、竜儀が怪力で角乃が読心、んで禽次郎が視力──俺だけ弱くねえか?」
藤丸がゴジュウジャー全員の恩恵を比較して改めて愚痴り、マシュがそれを励ます中
竜儀は巨大な屋敷を見上げていた。
「ふむ、中々だな」
「気を付けろ、前に訪れたモードレッド曰く"散々な目にあった"らしい──む?」
禽次郎の強化された視力が、開かれた扉を捉える。
その前に居るのは──道化師。
道化師のような奇怪な衣装に、三又に分かれた尻尾など悪魔を彷彿とさせる外見だ。
「……臭えな。
血と、火薬と──火か?」
すんすん、と鼻を鳴らしつつも藤丸が真っ直ぐと屋敷を睨みつける。
一つだけよく分からない臭いが混じっていたが、恐らく魔術関連の臭いであろう。
「一応聞こう、敵だな?」
ギョロリと禽次郎達を捉えた道化師が、跳躍して此方の眼前へと降り立てば
竜儀が指輪を構えつつも眼前の男に尋ねる。
「残念な事ですが、彼は計画に参加する事を最期まで拒んだ。
ですが敵かと言われれば、それはとても難しい問い掛けです
なぜならば──彼は、一人でに爆発したのですから!」
此方を揶揄うように、心底愉快そうに道化師は笑う。
「さてさてさてさてさてさてさて、私のクラスはキャスター、真名をメフィストフェレスと申します。
さて、何故貴方達に真名やクラス名を明かしたのかと──」
笑い続けるメフィストファレスの言葉を遮るように、禽次郎がテガソードへと指輪を嵌める。
【クラップユアハンズ!!】
「──人を殺して、何故笑っているんだ!!」
怒りを爆発させたかのように、禽次郎が走り出し
藤丸達もまた禽次郎へと続いて駆け出す。
「ふぅむ、何故笑っているのかと言われれば──仕事を楽しんでいる、からでしょうか!」
メフィストフェレスは笑顔を崩す事なく、迫るゴジュウジャーへと向けて無数の時計を投げ付ける。
【ゴジュウイーグル!】【ウルフ!】【ティラノ!】
マシュの盾が時計を薙ぎ払い、薙ぎ払われた時計は周囲で爆散し
それがそのまま、開戦の合図となった。