「……何か見つかったか?」
フランケンシュタインの屋敷内、死体は無いが明らかに何かが爆ぜた後に黙祷を捧げていた禽次郎が藤丸達に問い掛ける。
マシュは一枚のメモを手にしており
「はい、博士の遺したメモが。これを書いている最中に襲われたそうです」
内容は魔霧計画なる存在を突き止めた事。
主導者はP、B、Mの英霊3名である事が其処には書かれていた。
「"M"ephistopheles……先程の道化師が首謀者の一人かもしれん、後でジギルさんにも読ませよう」
ふむ、と竜儀は先程撃退した英霊の真名を考えればそう話す。
最も、アレが壮大な計画を立てるとは思い辛いので全くの別英霊かもしれないのだが……自分達は正直其処まで英雄に精通しているわけでは無い、後でジギルに聞くのが賢明だと思考を打ち切った。
「……僕も実は一つ見つけていてな。
すまない、入ってきてくれないか?」
禽次郎が立ち上がり、奥の通路を手招きする。
奥から現れるのは白いドレスを着た虚ろな瞳の少女。
「……ゥ」
小さく唸り声を上げており、手には──金色の指輪、即ちセンタイリングが収まっていた。
「指輪の戦士、か。それで──貴女は何方だ?」
ユニバース戦士は人間でも英霊でも成れる存在、角が生えている辺り英霊寄りだと思うが実際に聞いてみなければ、と竜儀は尋ねてみる。
「ゥゥ……」
しかし少女は唸るばかりで答えるそぶりは見せない。
通信でも何方とも判別は出来ず、強いて言うなら
《ん〜……たぶんジャッカー電撃隊の指輪やな》
通信越しの映像から、少女の持っているセンタイリングの正体が分かったくらいである。
「彼女は人造人間だ。
奥の棺に収まっていてな、説明書も付属していた。
──曰く、祖父ヴィクター・フランケンシュタインが製作した最初の人造人間だと」
《フランケンシュタインの怪物だね、けど最後は燃え尽きた筈だけど──》
少女はどうやら言葉を発さないらしいが、それでも"フランケンシュタイン"と言う単語に反応している。
ならば彼女こそフランケンシュタインの怪物──なのだが
「長い、フランで良いだろ」
フランケンシュタインだと別人だし、怪物と呼ぶのもなんか違う。
そもそも名前は無いし、ならばフランで良いんじゃね?と藤丸は頭を掻きながら提案し
「……ゥ」
「どうやら、喜んでるみたいです」
「うむ、名前があるのは良い事だ!
では帰るとしよう、此処には何もなさそうだ」
禽次郎がうんうんと力強く頷けば、新たな仲間──フランを連れて、ジギルの元へと帰還するのであった。