「──この子、フランは人造人間だね。
この時代に生きている。だからこそ指輪も応えた──いや、英霊でも指輪を授かったりしてるんだっけか。
まあ、兎も角彼女は英霊では無いよ」
ゥゥ、と唸っているフランを見つつジキルは眼鏡を押し上げる。
本来なら指輪争奪戦の敵なのだが、状況が状況と言う事も相まって暫く敵対する事は無いだろう。
何故か唸り続けるフランを見てジキルは首を傾げていたが
角乃がフランに軽く触れれば
「あ〜……調査って言われてあちこち触られたのが嫌だったみたい。フランも女の子だもんね」
相変わらず便利だなソレ、と藤丸が角乃の指輪を眺めつつ呟き
オラさっさと謝れ、とモードレッドがジキルを軽く小突く。
数秒かけて事態を把握したジキルが
「あっいやっ、ごめんよ。英国紳士としてあるまじき行いをした」
慌ててそう謝れば、フランはまた軽く唸る。
それを見たモードレッドが
「わかってくれりゃ良いってよ」
と軽くジキルの背を叩いて笑う。
「何でわかるんだ……」
「うーん、僕も何となくニュアンスは分かるけどね」
竜儀が明らかに言葉を発していないフランを不思議そうに見れば
あはは、と陸王は笑いながら自らの耳に触れる。
「──さて、僕の情報網にソーホーエリアに妙な物が現れたと情報が入った」
コホン、と咳払いをした後ジキルはそう話す。
屋内にまで入り、市民を襲う──今までに無かった存在。
それは人間くらいの大きさの本である事。
言うならば魔本──それの対処を頼みたい、と。
《人手は多いし2つのグループに分けようか》
ロマンがそう提案をする。
指輪の効力があれば魔霧の影響は受けない。
戦力は多いに越した事は無いが、拠点を無人にするのも不安が残る。
カルデアの選抜によって選ばれたのは
Aグループ
ジキル
モードレッド
藤丸
マシュ
Bグループ
禽次郎
陸王
角乃
留守番
竜儀
フラン
《──以上だ、変更希望はあるかい?》
特に異論は出なかったので、ジキル達と禽次郎達は二手に分かれて行動を始める事となった。
「──さて、何をするか」
2つのグループを見送った竜儀は拠点を見渡す。
このまま何もしないと言うのも居心地が悪い。
チラリと視線を向ければ、フランが指輪を見ながら椅子に座っている。
──交流を深めるのも悪くはないか、と海賊達を思い出して竜儀は眼鏡を軽く直す。
「私は暴神竜儀。テガソード様の信奉者である。
……フランよ、お菓子は食べられるか?」
ゥゥ?と不思議そうに首を傾げるフランに
まあ食べられなければ私が食べれば良いか、と竜儀はキッチンへと向かうのであった。