「でけぇ魔本……オレの頃のブリテンには居なかった類の怪物だな」
モードレッドが剣を片手にそう話す。
モードレッド。叛逆の騎士。円卓の騎士。アーサー王伝説の一人。
「──あなたの生前のブリテンと言うと、円卓の騎士の時代に怪物が存在していたのですか?」
マシュがそう尋ねる。確かにあの時代は"ファンタジー"とも呼べる時代であり、怪物が存在していてもおかしくはないだろう。
「……盾ヤロウに言われると変な気分だな。」
盾ヤロウ!?とマシュが驚いているのをガン無視してモードレッドは頭を掻けば
「そりゃいたさ、ドラゴンやら巨人やらとも闘ったんだぜ」
今では存在しない神秘に満ち溢れた場所、幻想種や跋扈していた時代。
現代兵器すら通用しない怪物に、己が武器で立ち向かったのが円卓の騎士。
「後はピクト人だな」
ありゃ部族やら蛮族じゃなくて〜……なんつったか、SFの違いか?とモードレッドが何と表現するべきか悩みつつ口にする。
「エイリアンかよ……」
冗談か?冗談と思いたいが"キュウレンジャー"には宇宙人が居たと巡が言っていたし、案外本気で言ってるのか?
藤丸は円卓ジョークと言うべきなのか頭を悩ませた。
「……その、もう一つお聞きしたい事があるのですが」
「其方が本命だろ、さっさと言え」
マシュが藤丸をチラリと見た後、おずおずと尋ね
モードレッドが先程と変わらない態度で先を促す。
「あなたは、何故戦っているのですか?ミスター・ジギルは故郷の都市を守るため。ですが──」
モードレッドは数秒マシュを見つめ
盾を見た後、軽く溜め息を吐く。
「ジギルにもジジイにも言ってないんだが……誤魔化せねーだろうな。」
と呟き、渋々と言った様子で口を開く。
「オレ以外の奴が、ブリテンの地を穢すのが許せねえ
父上の愛した都市を汚して良いのは──このオレだけだ。」
「……」
願い。ある意味、願いなのであろう。
酷く歪んでいるように見えて、酷く真っ直ぐな願いだ。
藤丸がモードレッドを見て、モードレッドがもう良いだろ、と肩をすくめる。
「で、だ。
──これはオレの性根の問題だ。けど質問に答えてやった。今度は其方が付き合えよ」
赤雷が、迸る。
明らかな戦闘態勢。周りを見渡しても敵は居ないし、切先は自分たちへと向けられている。
「マスター、やるぞ。良いな?」
うっ、と短い悲鳴がジギルより漏れる。
「……ワザと黙ってたのにさ。僕に隠し事もしてたってのに……まあ、断ってもやるんだろう君は」
はぁ、と眼鏡を押し上げて、ジギルはテガソードに指輪を嵌める。
「勘違いすんな、マシュも藤丸も嫌いじゃねえが──我慢出来ねえ、やるぞ」
【バトルフィーバー!】
「ごめんね、付き合って貰えるかな」
マスターとサーヴァントが、それぞれ剣を構える。
「……やるしかねえか!」
「は、はい!」
【ゴジュウウルフ!】
藤丸もまた赤き鎧に身を包み
マシュが盾を構えて
二人のサーヴァント、二人のマスター同士の戦闘が幕開けた。