「いやあやっぱり強いね」
「皮肉かよ!!」
ゴジュウウルフの斬撃を踊るように避け、裏拳を食らわせて怯んだ所を蹴り飛ばしつつバトルジャパンはステップを刻む。
カンフーダンスと言う独特の動きに藤丸はイマイチ対応し切れず
「悪いけど、まだまだ行かせて貰うよ」
迫り来る槍を避け、距離を取りつつも斬撃を交わらせる。
「そんなもんかよ!!」
「──ッ、まだ行けます!」
もう片方では赤雷が迸り、止まる事を知らないかのようにモードレッドが果敢に攻撃を繰り出し
マシュが盾で斬撃を受け止めつつも攻勢に乗り出せずに居る。
赤雷が爆ぜ、大気を焦がす。モードレッドの振るう剣が、マシュの構える円卓の盾を幾度となく叩きつける。
重低音の衝撃波が周囲の瓦礫を吹き飛ばすが、マシュの足は一歩も引かない。
「ハッ、威勢だけは一人前だな! だが守ってるだけじゃあ、いつかその盾ごとブチ抜かれるぜ!」
「……それは、どうでしょうか!」
マシュの瞳に決意の光が宿る。
守るための盾を、今この瞬間は自分達を認めさせる為の武器へと変える。
衝突の反動を利用し、マシュは最短距離で盾を突き出した。
一方、バトルジャパンの軽やかなステップは加速していた。
「ほらほら、足が止まってるよ!」
「っの、野郎……チョロチョロと!」
藤丸……いや、ゴジュウウルフの苛立ちは頂点に達していた。
必殺の斬撃は空を切り、返ってくるのは鋭い打撃。
バトルジャパンの動きはまるで重力を無視した演舞だ。
一見、遊んでいるようにも見えるが、その一挙手一投足には無駄がない。
バトルジャパンの力もあるだろうが、ジギルはその力を完璧に使いこなしている。
攻撃を避ける動作がそのまま次の打撃の予備動作となっており、藤丸はまるで巨大な洗濯機の中に放り込まれたかのような、逃げ場のない感覚に陥っていた。
「こう見えても聖杯戦争に参加しようとしてたんだ、それなりに僕も強いよ!」
「んなろ……だったらこれで……!」
【キングオージャー!!】
藤丸がセンタイリングを行使し、マントを放ってバトルジャパンの動きを封じようとする。
だが、バトルジャパンはそれを鼻先でかわすと、逆立ちのような体勢から強烈な旋風脚を藤丸の顎へ叩き込んだ。
「予備動作が丸見えな状況でその行為は頂けないかな!」
吹き飛ぶ藤丸。同時に、隣の戦場でも動きがあった。
モードレッドの猛攻を耐え凌いだマシュが、一瞬の隙を突いて盾を地面に叩きつける。衝撃でバランスを崩したモードレッドの懐へ、マシュが肩から飛び込んだ。
「今です、先輩!」
「……ああ、わかってる!」
膝をつきながらも、藤丸は歯を食いしばって立ち上がる。
四人の戦士が、再び火花を散らす。静寂を切り裂く金属音と、迸る雷光。
「魔力回せ!!」
「あぁもう仕方ないな……一度だけだよ!」
宝具──ではない、さりとて全力の一撃が、雷のようにマシュ達へと放たれ──
「……先輩!」
「硬化ぁ!!」
マシュの盾とクワガタオージャーの盾が組み合わさり
巨大な盾となって雷と激突。
数秒の拮抗の後──
「……悪くはねえな」
モードレッドが剣を担ぎ直したのが、戦闘の終了の合図となった。