「──倒れねえ!なんだ此奴!」
ゴジュウウルフが斬撃を振るう。斬撃は直撃して魔本を叩き落とす──が消えない。消えるそぶりさえ見せない。
【バトルフィーバー!】
「モードレッド」
「わーってるよ!」
ジギルとモードレッドが共に斬撃を叩き込み、そのままモードレッドが赤雷を叩き込むが──それでも倒れない
《攻撃は当たっている。つまり幻術ではない。タフネス──ではないなこれ》
ロマンが通信越しに魔本の解析を進める。ガッツを発動してるにしたって幾ら何でも頑丈すぎる。攻撃は当たってるのに倒れない──何故だ?
「クソッ、埒が開かねえぞコレ!!」
ゴジュウウルフが舌打ちをしつつ、仲間を呼ぶか悩み──
「其奴は発禁本だ。内容はどうあれ人を殺せるという話さ」
青髪の少年が、髪をかきながら姿を現す。霧の中だというのに平然としていた。
「いけません!此処は危険です、避難を!」
マシュが咄嗟に少年の前に立ち、盾を構える
「魔本から目を離さないのは良い判断だ。そして俺は言うこと言ったら避難するから気にするな。」
ふ。と少年は愉快気に笑う。
「テメェ良い声してるなとは思ったがサーヴァントか!?」
クソッ、霧のせいで良く分からねえ。とモードレッドは舌打ちする。
「いやまあそうだろうとは思ったよ。胆力が異常すぎるし」
ジギルは苦笑していた。
「俺はアンデルセン。クラスはキャスター、色々知りたきゃ俺の本を読め」
眼鏡を押し上げ、アンデルセンは何か言われる前にさっさと自分の詳細を告げた。
「──えっ、あの、世界三大童話作家の!?」
「あ〜……」
マシュが驚き、藤丸も何となく反応する。
アンデルセン。世界でもトップクラスに有名な作家の一人だ。
「ほう?その様子……愛読者か、良いだろう!
別にそれとは全く持って関係ないが、アドバイスをくれてやる。
アレは本じゃない。一種の固有結界だ。で。まあ出し惜しみする必要もないので教えてやるが──此奴はマスターの精神を映し出すサーヴァントだ。
だがはぐれだ。要するにサーヴァント未満魔力以上だな。実体がないから倒しきれないわけだ。」
「では倒せないのでは!?」
実体がない。それ即ち何をしても撃破不可能である。マシュは思わず叫んだ。
「そう急かすな。要するに此奴は今名前の無い本だ。
名前の無い本、それにどうすれば実体を与えられる?答えは簡単だ!
おい魔本──お前の名前は今日から
──本が煌めき、魔力が固まる。
幼き幼女が、サーヴァントとして現れる。
「やるじゃねえか!なんで今までやらなかったんだよ!!」
「殴り合いになったら負けるからだ。──さて。彼奴には本来のマスターは居ない。
……正確には、この時代には。だろうが。
早く倒してやれ。本来の持ち主が居ないと、本が気付く前にな」
「──はい!」
揺蕩う少女は何かを求めるような辺りを見渡す。
マシュは少女を見て一つ頷けば、そのまま駆け出した