Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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これにて冬木完結


Grand Order

俺は目を開ける。

見慣れた路地裏が目に入る

そこで俺は、「ああ、これは夢だな」と理解した。

俺は藤丸立香。

ただのはぐれ者だ。

ごく普通の日常を送り

気が付けば、普通と言う道から逸れてしまった者

それが、俺だ。

路地裏は燃え上がり、荒野へと変わる。

ふと振り向けば、2人の男が背を向けて立っていた

 

「誰だアンタら」

 

何事にも全力全開で挑み、敵とさえ分かり合おうとする者。

腰に身に付けているのは、所長が持っていたギアトリンガー。

人々の未来を奪わんとする存在の邪魔をする者。

その手に持っているのは、騎士王が持っていたオージャカリバー。

その武器を認識した時、不思議と理解した。

ああ、この人達が本来のスーパー戦隊なのだろうと。

彼等の身体が白き鎧と赤き鎧に包まれば

──光が、差し込んでくる。

目を開ける事も出来ない程の、輝かしい光

耐える事が出来ずに目を閉じてしまう前に

更に黒き鎧に包まれしゼンカイザーと

黄金の鎧を身に纏うクワガタオージャーの姿を、見たような気がした。

 

「……夢だったな。やっぱり」

 

再び目を開けば、見知らぬ白い天井。

むくりと起き上がれば、隣には眼鏡をかけた後輩の姿。

 

「す、すみません先輩──!

入室するつもりは無かったのですが何やら声が聞こえたので……」

 

あわあわと慌ててマシュが弁明するが

別に気にすんなと手を振っておく。

 

「──で、戻って来れたんだな……カルデアに」

 

「……はい、レイシフト処理が何とか間に合ったようです」

 

俺の記憶はキングオージャーの力を使った辺りで途切れている。

考えるとたぶんだが彼処で気絶してしまったらしい。騎士王との戦闘後と言う事もあるだろうが──情けない限りだ。

辺りを見渡す。

マシュ以外の姿は無い

 

「……所長は、帰って来られなかったんだな」

 

「──はい。」

 

目を閉じて、少しの間彼女を悼む。

本当に助けられた、あの特異点で彼女に出会えた事は、心の支えとなってくれた。

金のテガソードを握り締め、祈りを捧げれば

 

「──大丈夫だ、行こう。

ロマニ辺りが呼びに来たんだろ?」

 

「はい、その通りです」

 

軽く首を鳴らしつつも、起き上がって管制室へと向かう。

気が重いが、そんなのは気に掛けてられない

2人との付き合いが長かったロマニ達の方が、より辛いのだろうから。

そう思いつつ管制室の扉を開ければ……

 

「へぇ〜、戦隊考古学なんてあるんだ!私も生前にその道を行けばその方面でも名を馳せただろうね!」

 

「いや〜ほんまマイナーなのが難点やわ!都市伝説やなくてちゃんとした分野ってのを中々理解して貰えへんし……」

 

「あはは、まあ実際相当マイナーなんだろうねえ、僕も知らなかったし」

 

炬燵で蜜柑を食べてるロマニと、何やら熱く語り合ってる男女2人。

後ストーブに当たってるスタッフと思わしきメンバー達が居た。

ぽかーん、と藤丸は唖然とした様子で其れ等を眺めていたが

ロマニが藤丸に気付けば

 

「や、乙な物だろう?

炬燵は日本にいた頃にハマってね、蜜柑は其処の彼が差し入れてくれたんだ」

 

「炬燵と蜜柑はセットやで!」

 

関西弁の男が笑みを浮かべつつ蜜柑を一口食べれば

よいしょ、とロマニは起き上がる

 

「……何くつろいでるんすか」

 

「いやいや、こう言う緊急事態にこそゆるふわ……落ち着きは大切なんだよ?」

 

藤丸が思わずツッコミを入れれば

いやいやとロマニは反論する。

まあそれはさておき、とロマニは言葉を続ける

 

「生還おめでとう、藤丸君、マシュ」

 

「そしてファースト・オーダーの達成お疲れ様」

 

「なし崩し的に全てを押し付けてしまったが、それでも君達は冬木の特異点を消去し、戻って来てくれた」

 

「その事に心からの尊敬と感謝を送るよ」

 

藤丸はロマニの真摯な気持ちを感じたのか、少し照れたように頬を掻く

……そして、表情を暗くしつつ言う

 

「けれど、犠牲も多かっただろ」

 

ロマニはその言葉を受け止めるように目を閉じ、少し深く呼吸をした後に話す

 

「……そうだね」

 

「所長は勿論だが、レフが起こした爆破によりカルデア職員の6()()が死亡。

君以外のマスター候補も生きてこそいるが──再起不能だ」

 

「主要な設備も完全に復旧したとは言えず、人類の未来を守る為のカルデアは死に体と言っても良い」

 

どうやら、レフが起こした爆破は想像以上の被害を齎していたらしい。

藤丸が思わず

 

「──そんなに酷かったんだな」

 

と呟いてしまえば、ロマニは苦笑しつつも

 

「ああ、レフ1人相手に酷い有り様だ」

 

「だからこそ、ボクらは死んでいった彼女等に変わって人類を守らねばならない」

 

人類を、守る。

ロマンが確固たる決意を持って言うその言葉

しかして藤丸はレフの、人類は滅亡したと言う言葉を聞いていた

故に尋ねる。

 

「──おい、それって」

 

「いや、レフの言う通り人類の滅亡は確定している。

未だに2017年以降の文明の光は消えたままだ」

 

「冬木の特異点が消えたと言うのに、だ。

そう、ボク達は冬木こそが人類の未来を歪めた原因だと思っていたが違ったんだ。」

 

ロマンが指を上げれば、管制室に映し出されるのは大きな世界地図。

しかして、異質な点が1つ……いや、7つ。

 

「──これを見て欲しい、復旧したシバで改めて過去の地球をスキャンした」

 

「……これは」

 

地図の上に、ぽっかりと穴が空いたかのように

7つの黒点が現れている。

無論、従来の世界地図ではあり得ない点だ

 

「さて、藤丸君に質問だ」

 

「レフはどうやって、人類を滅ぼしたと思う?」

 

ふむ、と藤丸はロマンの質問を聞いて考え込む。

所長を葬れる程の力、しかして世界規模で行使できそうにも無いし

スーパー戦隊の力を持ってる様子も無かった

ならばサーヴァントか?しかして誰かしらを従えている様子は無い

むむむ……と頭を悩ませていると

 

「あはは、少し意地悪だったかな?」

 

「──答えは、聖杯だよ」

 

聖杯、万物の願いを叶えると言うソレ。

それで人類を滅ぼせとでも願ったのか?

いいや、そんな願いを叶えられるなら此方も人類を治せと願えば良いだけだろう。そんな大規模な物ではあるまい。

 

「レフは、聖杯を使って過去の歴史を改竄したんだ」

 

「んな簡単に滅ぶもんか?」

 

自分じゃ何も思い浮かばないが、それでも歴史を変えたら丸ごと人類滅亡……は少しイメージしずらい、それ故に首を傾げれば

 

「確かに、多少の過去改竄では歴史は変わらないとも」

 

「しかし、改竄された時代が人類にとっての選択点(ターニング・ポイント)なら……」

 

選択点(ターニング・ポイント)……?」

 

「この戦争が終わらなければ」「この航海が成功しなければ」「この発明が間違っていたら」「この国が独立しなかったら」

 

「その過去を変えてしまえば、人類の歴史が大きく狂ってしまう時代と場所」

 

「それこそが究極の選択点(ターニング・ポイント)であり、この世界地図へと浮かび上がった7つの黒点だ」

 

……成る程、と藤丸は頷く。

恐らくそれを改変したからこそ、レフは人類滅亡を成し遂げる事が出来た…のだろう。

念入りに7箇所も破壊してしまえば、流石の人類史と言えども耐えられなかったらしい。

 

「どうにかする方法、あるんだろ」

 

人類を守る、と言って見せたのだ。

その対抗手段だって確保しているだろうと藤丸はロマンを見る

そしてロマンもまた応える

 

「……その方法こそレイシフトだ」

 

「冬木の特異点と同じように、それぞれの歴史へとレイシフトして歴史を正しい形へと戻す。

そうすれば、特異点は消滅する」

 

「──それこそが、人類を救う唯一の方法だ」

 

ロマニは何故か言い難そうに、その先の言葉を噤んでしまう

 

「どうした?だったら直ぐにでもやらなきゃ──」

 

その様子を不審に思った藤丸が尋ねれば、ロマニは答える

 

「……だが、レイシフト出来るのは君だけだ」

 

君だけ、即ちたった1人で特異点に挑まねばならない事実。

藤丸は数秒掛けてその言葉を受け止め切れば

 

「……だろうな、マスター候補全員が再起不能って聞いてた時点で薄々わかってたよ」

 

やれやれ、と頭を掻いて見せる。

無論不安だし、とても辛い事だ。

はぐれ者一匹に突然全てを乗せられたのだから

それでも、未だ見つからぬ願いを叶える為に

藤丸立香には、覚悟は備わっていない

しかして、生きると言う想いはあった。

 

「どの道やらなきゃ死ぬんだろ」

 

「それなら、どんな事でもやってやるよ!」

 

金色のテガソードを握り締めつつ、藤丸は自らの胸を叩いて見せる

ロマンは眩しそうにその姿を見れば

 

「……すまない」

 

「そして、有難う」

 

「──その言葉によって、ボク達の運命は決定した!」

 

くるりとロマンは振り返り、生き残りし4割のスタッフに向けて宣誓をする。

 

「生き残った全てのカルデア職員に告ぐ!」

 

「現時刻を持って、ロマニ・アーキマンが正式に司令官の任へと就く!」

 

「そして、カルデアは前所長オルガマリー・アニムスフィアが予定した通り」

 

「人理継続の尊命を全うする!」

 

カルデアスタッフ達が各々深く頷き

帽子を被った関西弁の男が一冊の本を握り締め

杖を持った女性が笑みを浮かべつつも頷いて見せる

 

「目的は人類史の保護及び奪還!」

 

「探索対象は各年代と原因と思われる聖遺物、聖杯の回収!」

 

「我々が闘うべき相手は歴史そのものだ」

 

「藤丸君、君の前に立ちはだかるのは多くの英霊・伝説となるだろう」

 

「それは挑戦であるとも同時に、過去に弓引く冒涜でもあろう」

 

「我々は、人類を守る為に、人類史へと立ち向かうのだから」

 

「けれど生き残るには──いや、未来を取り戻すにはこれしかない!」

 

「……例え、どのような結末が待っていようと、だ」

 

「以上の決意を持って、作戦名をファースト・オーダーから変更する」

 

杖を持った女性がひょいと杖を振るえば

黒点を塗り潰すように、大きな文字が浮かび上がる

それは──

 

『Grand・Order』

 

「これはカルデア最後にして原初の使命だ」

 

"人理守護指定G・O(グランド・オーダー)"

 

「──魔術世界における、最高位の使命を以て」

 

「我々は、未来を取り戻す!」

 

各々が決意を示すように、腕を天へと掲げる

こうして、カルデアのグランドオーダー。

人類を救うための闘いが今幕を開けた……とさ。




万能の天才と初のゴジュウジャー登場人物の名乗りは次次回となります!
冬木が終わってもまだまだ続くFate/No.1orderを宜しくお願いします!!
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