Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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特異点に訪れた陸王は藤丸達と会う前にどう行動していたのか。


煌めくアイドル密着取材!

僕は百夜陸王。

言わずと知れた天才スーパーアイドルだ。

僕はある日にテガソードと契約を果たし、指輪を授かり

己が願いを掛けて闘う──筈だった。

いつも通りの日常を過ごして、いつも通りの眠りに落ちた時

夢の中で、テガソードが自分に話しかけてきた。

契約の時を含めて2度目

まさか君も僕のファンになっちゃったのかな?と思ったが

どうやら違うらしい

テガソードが言うには

 

【──人類史は焼却されんとしている】

 

【しかし、指輪の齎す闘いで】

 

【闘える者と闘えない者が生まれるのは、あまりにも不平等だ。】

 

【故に、百夜陸王。】

 

【お前が望むのなら、焼却される人類史から特異点へと移動させよう】

 

【其処で齎される闘いはある。】

 

【無論、その場に残るのも良い。】

 

【既に人類の命運は託されている。】

 

【泡沫の夢のように、この危機は過ぎ去るであろう】

 

どうやら、とんでもないサプライズが巻き起こっているらしい。

このままでも良いが、恐らく人類の命運を託されたのは指輪の戦士

テガソードは必然的に生まれてしまう経験の差や戦闘によって所有する指輪の数の差を危惧している……と見た

そして、僕はテガソードの言葉に頷く

何故って?そんなの決まってるだろう

 

「僕のファンを、みすみす燃やさせはしないさ」

 

人類史の焼却、それは僕を推してくれている人々まで燃やす物。

──そんな事はさせない

アイドルはファンが居てこそ輝くのだから。

 

【──では行け!百夜陸王よ!!】

 

辺り一帯を眩い光が包み込み

目を開けば、其処はフランスの街中だった。

 

「──やれやれ、面白くなってきたね」

 

辺りは現代ではなく明らかに中世的な風景

しかして言葉は不思議と理解出来る。

故に、目を閉じる

耳から入ってくる情報に、集中する。

足音ひとつ、雑談から内緒話まで──全て聞いた。

 

「成る程、ね」

 

金色のテガソードをさすりつつ、歩き出す。

竜の魔女、ジャンヌ・ダルクが蘇って街を襲撃している。

何とも理解し難い状況だが

一先ずは……お金が必要だ。

僕は人間だし、生きる為には飲食や宿が必要。

だからお金を稼ぐ。

働く?いいや違う。

人々は疲弊し切ってる

ならばこそ、夢中になれる物を──百夜陸王と言う、癒しを届けよう

 

「聞いて下さい、"野生のカン"」

 

金色のテガソードを片手に

広場の舞台を僕のステージとして、歌い出す。

人々は興味や好奇心から、足を止める。

ちょっとした暇潰しなのかもしれない

野次ったり揶揄う為に止まったのかもしれない

けれど、君も直ぐに僕の虜になる!

最初は変人を見る目だった人々が

徐々に顔に笑顔を浮かべて

陸王と言う存在を聞く為に、見る為に広場へと集まり出す

1時間もすれば──

 

「皆んな!今日は集まってくれて有難う!!」

 

「「「キャーッ!!!!」」」

 

広場を埋め尽くすように、無数のファンが所狭しと集まっていた!

老若男女善悪だって関係無しに、人々は彼を称賛する。

圧倒的な実力──アイドルとしての力!

陸王は人々に生きる希望を与え、人々はそんな陸王に投げ銭をする事で少しでも感謝を伝えようとする

 

「百の夜を君と共に──本当に、今日は有難う!!」

 

いつの間にか広場は警備をする兵士や整備を始める兵士まで現れ、まさしくコンサート会場となっていた。

何度目かのアンコールに答えれば

パフォーマンスが落ちない内にコンサートを終え、ファンに惜しまれつつも

感謝の気持ちが詰まった投げ銭を受け取り、その場から立ち去る

 

「──よし、と」

 

これで少なくとも怪しい人が居る、と言う差別が起こる事も

魔女狩りだなんて最悪な事も起こらせない

何せ、僕と言う光が彼等彼女等を照らしたのだから。

環境に馴染んだらドラゴン討伐にでも行こうかな、と陸王は歩き出し

 

「このっ!このっ!!ナマイキ!なのよ!極東のど田舎リスが!!」

 

「うふふふふ、生意気なのはさて何方でしょう。出来損ないが真の竜である私に──」

 

「勝てるとお思いで、エリザベートさん?」

 

諍いの声が遠くから聞こえたので、颯爽と走り出す。

恐らく僕のライブを聞いていない少女だろう。

いきなり飛び出して刺激しないように物陰から見れば……

人には先ず生えていない角が、目に入った。

 

「うーっ……!ムカつくったりゃありゃしないわ!カーミラの前に先ずはアンタを血祭りにしてあげる!」

 

「こんの泥沼ストーカー!」

 

ゴスロリの少女……エリザベートが怒りを露わにして叫べば

 

「ストーカーではありません。隠密的にすら見える献身的な後方警備です」

 

「この清姫、愛に生きる女です故」

 

着物を着た少女……清姫がにっこりと微笑んで扇子を広げる。

恐らく清姫と言う人物は同郷だろう。

だがまあ、今出て行けば最悪挟み撃ちにあう

ひと段落着いたら行こう。

と陸王は近くの店で昼食を摂る事にした。

 

「アンタの愛は人権侵害なのよ!」

 

「血液拷問フェチのド変態に言われたくありませんね」

 

陸王は昼食を摂る事にした事を若干後悔した、いかんせん指輪の恩恵で耳が良くなっているのでどうしても聞こえてしまう。

その後も言い争いは徐々にエスカレートしていき──

 

「取り敢えず殺す!」

 

「返り討ちにさせていただきます!」

 

昼食の代金を支払い、陸王はそろそろ本格的な殺し合いを始めようとする少女達へと声を掛ける

 

「ごめんね、少し良いかな?」

 

「あん?」「何ですか?」

 

これは相当ヒートアップしているな……と内心思いつつも

一先ず矛を納めるように陸王は嗜めるように声を掛ける

 

「喧嘩は良くないよ?それに──」

 

「子ジカは引っ込んでなさい!」

 

「無謀と勇気は違いますわよ。猪武者ですか?」

 

収まりそうにもない様子に、陸王はやれやれと肩をすくめる。

こうなってしまったら一度発散させないと収まらないだろう。

だがこのまま三つ巴を始めると混沌としてしまい、最悪建物や他の人々も巻き込まれかねない。

やれやれ、これもファンの皆んなの為だ。

後で謝るとして、一旦彼女等の逆鱗に触れさせて貰おう

 

「──けど、爬虫類よりはマシだと思うよ?」

 

アイドルは口も達者でなくてはならない、そうでなければ歌詞に本当の想いを込めることが出来ないから

 

「……カッチーンと来たわ」

 

「本心からの言葉ではない、さりとてまるっきりの嘘でもないけれど──燃やしますね」

 

エリザベートの方は想定通りだが、清姫の反応が少しおかしい。

おや?と内心首を傾げるが──まあ予定通りには変わらないので良しとしよう

金色のテガソードに、青き指輪を嵌める

 

【クラップユアハンズ!】

 

手を軽やかに叩く

軽快な音楽が辺りへと響く

顔の横でクラップを2回、ファン達が建物に隠れて団扇を振る

足のステップを2回、リズム良く鳴り響く

顔の横でクラップを1回、エリザベートが何やら悔しそうな表情を見せる

前方へと大きな円を描き、腰の横でクラップを2回鳴らす。

軽快なステップを踏み続ける。

頭上に円を描くようにターン

最後に、頭上にクラップを1回、高らかに鳴らす

 

【ゴジュウレオン!】

 

青き鎧が、百夜陸王を包み込む。

それははぐれ者となってしまった獅子。

ゴジュウレオンはパチンと指を鳴らせば

 

「──さあ、始めようか?」

 

エリザベートがマイクスタンドも兼ねた、身の丈以上の大きさの槍"監獄城チェイテ"を振るい

清姫が扇子を振って蒼き炎を飛ばす

ゴジュウレオンはそれに対して──

 

【レオンバスター50!】

 

槍を回転する事で交わし、炎を銃撃によって相殺する

そのままエリザベートの槍に対してテガソードを振るう──が、その重さから弾き飛ばす事は叶わない。

エリザベートが竜の尻尾を振るってきたので

跳躍する事で回避、炎を纏った扇子で攻撃してきた清姫に対してはレオンバスター50で防御する。

そのまま弾き飛ばし、お互いに地面へと降り立てば

 

「──さて、と」

 

少女とは思えない力に、陸王は内心冷や汗をかく。

異常な重さの槍に竜の尻尾、炎まで出して来たのだ

2対1は早計だったかな?と思いつつも

ゴジュウレオンは銃を、エリザベートと清姫は槍と扇子を構え

ガラスの薔薇が、3人の間へと舞い落ちる

 

「ダメよ、これは誰も得をしないわ」

 

「ゴジュウレオンさん……よね?」

 

赤い王冠を被った、華のような少女が微笑んで両者の間へと舞い降りる

 

「貴方には慕ってくれる人が居るのでしょう?傷ついてしまったら、悲しんでしまうと思うわ?」

 

「──ごもっとも」

 

突如現れた少女の正論に

ゴジュウレオン──百夜陸王は指輪を外し、変身を解く

 

「声という声!音という音の冒涜!!本当にやめてほしい!それ以上の争いは僕が憤死してしまうから!!」

 

華奢な男が怒り狂ったように、エリザベートと清姫にびしりと指を突き立てる

しかして突然の乱入者にエリザベートと清姫は

 

「もー!次から次へと何!?」

 

「今忙しいので一昨日に来て下さいませんか?」

 

と結構棘のある対応をする

それに何故だか華奢な男は微笑んで

 

「喜ばしい事に敵だよマリー、ちゃちゃっと黙らせよう。普段なら億劫な戦闘も今だけは積極的になれるよ」

 

「アマデウス……まあ、仕方ない事なのかしら。手荒くなるけれど許してちょうだいね?」

 

アマデウスが我慢ならない様子で杖──指揮棒を構え

マリーが苦笑しつつも、煌めく指輪──センタイリングを取り出す

 

「──へぇ」

 

陸王は興味深そうにそれを見つつ、敵だと思われないようにマリー達の側に立っておいた

 

【クラップユアハンズ!】

 

華麗に、優雅に手を叩き

マリーは赤き宝石に身を包む

 

【キラメイジャー !】

 

人が輝くとき、そこに奇跡が生まれる。

輝き、それは未来を変える戦士の証。

王妃が煌めきの笑みを浮かべれば

アマデウスが楽譜を展開、一瞬でエリザベートと清姫を拘束してしまい

 

「あっ──」

 

「ちょっと──」

 

キラメイレッドが穏やかにキラメイバスターを取り出せば

 

【キラッキラメイチャージ!】

 

レバーを引いて、標準を合わせる

エリザベートはヤダー!と抵抗をし

清姫は諦めたかのように項垂れれば

 

【チェックメイジ!】

 

煌めく一撃は放たれ、エリザベートと清姫を爆発四散させた。

 

「──これにて一件落着ね!」

 

「生きてるの?アレ」

 

「サーヴァントだから死んでは無いでしょ」

 

満面の笑みを浮かべたマリーが変身を解けば

陸王が爆発四散した清姫とエリザベートを不安に思ったのかアマデウスに声を掛ける

しかしてアマデウスは漸く静かになった……と言う顔をしつつ、若干投げやりな説明をした。

サーヴァント?と言う単語に首を傾げた陸王に対し

マリーがサーヴァントについて説明をする

そうしている間に清姫とエリザベートも復帰し、陸王が謝罪をする事で無事和解

エリザベートの提案により、陸王は4人と契約を果たし

こうして、竜の魔女へと反逆をする旅は幕開けた。

街をいくつか救い

時には敵サーヴァントと交戦をしていたが

ある日、ラ・シャリテへと向かう巨大な邪竜を見かけ

あれはテガソードで無ければ防ぎ切らない、と追うようにラ・シャリテへと向かって──

藤丸達と出会うに至るのであった。

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