Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

24 / 146
原作だと出番がほぼ無かったファントムさん。


赤き指輪と哀しき竜

【ゴジュウウルフ!】

 

藤丸が赤き狼の鎧へと身を包めば

大きく、大きく吠える。

 

「アオーン!!」

 

ジャンヌが旗槍を、マシュが盾を、マリー……キラメイレッドがキラメイソードを

そしてゴジュウウルフとゴジュウレオンが

 

【ウルフデカリバー50!】【レオンバスター50!】

 

剣と銃を手に取り、各々が構える。

そしてマルタが杖を、ファントムが鉤爪を構え、

タラスクが狼の遠吠えに反応するように吠えれば

 

「聖女マルタ!タラスク!怪人ファントム!来ます!!」

 

「行くぞ!」

 

藤丸達が、一斉に駆け出す。

狙うべきは──マルタ!

彼女を倒せばタラスクも撃破出来る以上、早々に撃破を狙うしかない。

しかしてマルタとファントムは、その場から動かない

無防備とも言える姿

何を考えているのかは分からないが、早々に仕留めるに限る!

マシュは盾を振りかぶり──

 

「くっ──!?」

 

咄嗟に、タラスクの巨腕を防ぐ。

予備動作が見えなかった!あの巨躯でなんて速さ──そして、攻撃はあまりにも重い!

その隙を狙うようにファントムが跳躍をし、マリーへと鉤爪を振るわんとするが

タラスク諸共、空中で動きが止まる

 

「──させると思って?」

 

煌めく魔力の光による拘束、マリーの力。

その隙にレオンが銃を撃ち込まんとするが──

 

「歌よ──歌よ!!」

 

光が不意に解け、鉤爪はマシュへと振り下ろされる

マシュはそれを何とか防げば、一旦後方へと跳躍をする

 

「舐められてるのかしら。

──私が何もしないと思って?」

 

魔力を解除したのはマルタ。聖女の真技は未だ健在。

自由となったタラスクが、疾風の如く軽やかに跳躍する。

そのまま体当たりをするだけで押し潰されそうな質量の暴力

藤丸は咄嗟に避けようとするが──背後の騎士達を見てしまえば、咄嗟にテガソードを構える

 

「先輩!」

 

マシュが咄嗟に叫ぶが

既にその時にはジャンヌが空中へと跳んでおり

旗を縦へと振るう事で、巨躯であるタラスクを吹き飛ばしてしまう

 

「ば、化け物かよ……」

 

聖女が邪竜を吹き飛ばした光景に、騎士達は最早惚けるしか出来なかった。

 

「すまねえな、助かったぜジャンヌ」

 

「いえ、無事で何よりです」

 

藤丸が剣を構え直せば

ジャンヌは再び集まった藤丸達へと指示を飛ばす

 

「マシュ、マリー・アントワネット、百夜陸王、藤丸──体勢を立て直しましょう」

 

「マシュと私はタラスクを警戒しつつマルタを狙う。

マリー・アントワネットは硝子の馬へと乗って騎士団を守りつつ、マルタとファントムの妨害を

陸王、例の切り札は使えますか?」

 

「問題なく使えるけれど──僕より藤丸君の方が良いかもだ。僕の銃弾が弾かれたら面倒な事になる」

 

「では陸王はオペラの対処と、ワイバーンが向かってきたらマリー・アントワネットと共に撃ち落とすように頼みます。

藤丸、貴方は切り札を使ってタラスクの対応をお願いします」

 

ジャンヌは実際に戦場を駆け抜けた軍人だと言うのは知っていたが

的確な指示を見て改めて実感させられる

そして、切り札。

テガソード。俺に扱えるのかは分からないが──陸王が出来て俺に出来ねえ理由はねえ、やってやる。

……と、その前に聞かねばならない事はある

 

「彼奴、強すぎねえか?

タラスクが居てもジャンヌ含めた俺達と渡り合ってるが──」

 

マルタの異常なまでの強さだ、聖女と聖女と言う同じカテゴリだと言うのに

マルタは、それ以上の強さを持っている気がする。

何やら……嫌な匂いも感じるので、気になって藤丸はジャンヌへと尋ねてみる。

するとジャンヌは一つ頷き

 

「ええ、ルーラーの力を少しばかり取り戻した事で分かる事ですが──

彼女達には狂化が掛けられています」

 

「……名前からしてロクな物では無さそうだね」

 

はは、と陸王が渇いた笑みを浮かべれば

マシュが藤丸に対して狂化の説明をしておく

 

「狂化と言うのはその名の通り、英霊に狂気を付与するスキルです。

付与されてしまった英霊は凡そ全ての能力が強化される代わりに、理性を奪われてマスターの言いなりとなってしまうのだとか……」

 

「……気に入らねえな」

 

聖女、と言われる程の人物が何故凶行に及んだのか

かの竜の魔女と同じかと思えば──無理矢理やらされていたらしい。

藤丸は思わず歯を食いしばってしまう。

あまりにも──酷い話だ。

しかしてジャンヌは旗を地面へと突き刺せば

 

「それでも、闘わねば前へと進めないと言うのなら──」

 

「倒します!」

 

「─応!!」

 

確固たる決意を宿した言葉を聞き、藤丸は一つ頷けば自らのテガソードへと手を掛ける

しかして感銘を受けたようなマリーの声が、その行動を少し止める

 

「そう、そうよね……」

 

「戦う、とはそういうこと。たとえドレスを破ってでもこの国を侵すものへと挑まねばならない」

 

「覚悟していたつもりだけど、やっぱりまだまだ」

 

「聖女ジャンヌ・ダルク。迷っていた貴女もとても可愛らしかったけど……

今の貴女はとっても素敵!私の憧れた通りの人だった!」

 

キラメイレッドの鎧の上からでも分かる、マリーの満面の笑み

ジャンヌは真っ向からの褒め言葉に思わず少し頬を赤くしてしまう。

 

「あ、ありがとう……しかし私は聖女では──」

 

「ええ!そう思っている事はわかっています。

ですから!聖女では無いならジャンヌと呼んでも?

それと、私の事はマリーと!わたし貴女と友達になりたかったの!」

 

「え、えぇ……それは勿論!」

 

戦場から程遠い、ほんわかとした明るい空気が辺りを包む

藤丸ははぐれ者故にこの空気の対処法を知らず

陸王は微笑ましいものを見るように眺めており

マシュもまたあわあわとしていた。

そのタイミングで、黒き魔力がマシュの盾へと当たる。

 

「……クリスティーヌ……我が愛の声……」

 

「……一応言うけど、今戦闘中よ?」

 

狂気に呑まれた筈の聖女が何処か呆れたように溜め息を吐き

邪竜も少しだけ頷き

ファントムは相変わらずのままであった。

マルタは杖を握り締めれば、天へと掲げる

 

「やる気が無いのなら、一気に決めさせて貰うわ」

 

急激な魔力の昂り

あの騎士王と同じ、宝具!

 

「先輩、宝具が来ます!」

 

マシュが盾を構え

マリーとジャンヌもそれぞれ構える

陸王は銃弾を咄嗟に放つが、ファントムによって塞がれてしまう。

 

「主が5日目に作りたもうたリヴァイアサン」

 

「その仔にして数多の勇者を屠ってみせた凶猛の怪物」

 

タラスクの身体が、マリーの煌めきさえ塗り潰す程に輝き出す

 

「来やがれ!テガソード!!」

 

【アウェイキング!】

 

藤丸がテガソードへと手を掛け、人差し指と薬指を持ち上げればその剣はロボの姿へと変わり

雲を切り裂いて巨大な黄金の手が姿を見せる

しかしてマルタはさせるか、と言わんばかりに詠唱を続ける

 

「今は私と共にあるタラスク──」

 

「愛知らぬ哀しき竜」

 

宝具展開、真名解放──極限までマルタとタラスクの魔力は昂る

それと同時、藤丸の変身は解け、巨大な赤き指輪が彼を包んで空を飛ぶ

巨大なテガソードは、その身を人の姿へと変えて行く

 

「さあタラスク、太陽に等しく沸る熱を操り今此処に──!」

 

「リングイン!」

 

赤き巨大な指輪は巨人の顔へとなり、リング──戦場へと舞い降りる

 

「滅びに抗わんとする気高き者に、試練の一撃を与えましょう!」

 

【掴め!切り裂け!レッド!】

 

藤丸が操縦席へと人型のテガソードを置けば、人と神は一つとなる。

空へと舞い上がりし邪竜は、それこそ太陽のように輝き──

 

「星のように──」

 

愛知らぬ哀しき竜(タラスク)よ!!」

 

甲羅は聖女の一撃を退け、甲羅に篭った状態で四方から火を吹き、高速回転しながら飛行して流星のように突撃する。

 

【テガソードレッド!】

 

「アオーン!!」

 

それを迎撃するように、巨大な剣がタラスクへと振り上げられた!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。