「──あれが、テガソードですか……」
巨大ロボ同士の戦闘を見て、ジャンヌは呟く。
恐らくマスター達は前へと進んでいるのだろう。
故に、自分も進まねばならない
黒き騎士を倒して──!
「Arrrrthurrrrrrr!!」
黒き騎士……バーサーカーが吠える
ジャンヌもまた旗槍を構える
既に何度も刃を交え、理解したが──このサーヴァントは強い。
竜の魔女が控えているのだ、早くこの敵を倒して私は──
竜の魔女を、どうする?
一瞬の迷い
バーサーカーはそれを見逃さず筈も無い、旗槍を殴り飛ばす
「──っ!」
迷う必要なんてない、竜の魔女を倒し祖国を救う。
……それだけなのに、迷うのはきっと。
黒き騎士の剣が此方へと迫り──
そのまま、馬に跳ね飛ばされる
「──ゲオルギウス!」
「遅ればせながら、参上致しました。
此処は私
白馬に乗ったゲオルギウスがそう声を掛ける
ジャンヌはその救援に感謝しつつも、避難民の案内にしては不在の期間が長かったのでその事を尋ねれば──
「カルデアの魔術師殿の提案で、市民の避難を終え次第彼に協力を求めてほしいと言われました」
彼……?とジャンヌは首を傾げるが、ゲオルギウスは言葉を続ける
「ご存知の通り国王亡き後、フランス軍は機能不全へと陥っていました。
ですがある人物が軍を纏め上げ、竜の魔女に対する反抗作戦を整えていたのです。
その人物に我々と竜の魔女の事を話し──この共同作戦は実現しました」
ゲオルギウスが手を掲げた先には──無数の軍勢。
この時代を生きる──闘える全ての人間が、この場へと集っていた。
《よくやってくれました!聖ゲオルギウス!》
ふふん、とジャンヌの前に通信が繋がれ
笑顔のロマンの顔が映し出される。
《これだけ兵を揃えればワイバーンに対する有効な打撃力になる!
どうだい?僕だって司令官らしい──》
「……やはり、貴方だったのですね……ジル」
ロマンの誇らしげな声を遮るように、ジャンヌは軍勢を指揮している男──ジルを見る。
何やら哀しげにも聞こえる声に、ロマンは首を傾げるが
「ドクター・ロマン。
貴方は正しいです……彼等は必要な戦力なのでしょう。
ですが、敵は
かつての仲間が犠牲になるのは……心苦しく思います」
ジャンヌの言葉に、ロマンは曖昧な返事をすることしか出来なかった。
そう、先ず間違いなく犠牲は出る
それは……ジャンヌにとって、心を痛める物なのだろう、と。
しかし、ゲオルギウスが口を開き
ジル・ド・レェ元帥の言伝です、とジャンヌに伝える
「敵が何者であろうと──我々は我々の意志で戦う。
貴女が現れる前から、
ジャンヌはその言伝を聞けば、目をきつく閉じ
「すみません、感傷的になってしまいました」
再び目を開けば、そのままロマンを頭を下げる
しかしロマンも配慮が足りなかった事は理解していたので、此方こそ悪かったと言えば
バーサーカーが、再び起き上がる
「──行きますよ、ジャンヌ!」
「はい!」
再び再起する前に叩かんとジャンヌとゲオルギウスはそれぞれ剣と旗槍を振るうが──
バーサーカーはワイバーンに捕まり、空へと舞い上がる
一体何を、と思い空を見上げれば、無数のワイバーンの群れもまた飛び去っていく
その方向を見るように空を見上げれば
──強大な魔力を感じ取ると同時
《上空に超極大の魔力反応!!》
《ファヴニールだ!!》
ロマンより警告が飛ぶ。
予想よりも出現が早い、まさか私を狙ってか!?
ファヴニールはジャンヌを見れば、そのまま凄まじい勢いで落下を始める
この場所では、先ずジル達は即死!
ジャンヌは旗を掲げ──
それと同時に、竜殺しがジャンヌの隣へと降り立った
「
「──
ジークフリートはたった今降り立ったばかり、故に詠唱も最小限で速度を重視して宝具を放ち
天の光が軍勢を包み込む
それでも尚、凄まじい一撃が辺りへと迸る
ファヴニールの隣──スカイホーキーと言う魔法の箒型の高速飛行マシンに乗った竜の魔女は吐き捨てるように呟いた
「……あっけないものね」
ジャンヌは片膝を突いて倒れかけており、ゲオルギウスもまた大きな傷を負っていた
唯一無傷に等しいジークフリートが跳躍し、ファヴニールに剣を振るわんと迫ったが─
「ジンガ・マジュナ」
【マジレンジャー!】
あらゆる攻撃を弾き返す魔法のバリア"マジカルカーテン"によりジークフリートの斬撃は防がれ
そのままファヴニールの打撃によって遠くへと吹き飛ばされていってしまう。
兵士たちがジャンヌの元へ駆け寄ろうとするも、バーサーカーがその行く手を阻み、蹂躙をするべく一歩踏み出し──
戦場にて、変化が起こる
「お前……お前はなんなんだ!!」
「俺は一般からの逸れ者……人類最後のマスター、藤丸立香だ!!」
お互いの刃が打つかり合い、激しく火花が散る。
テガソードレッドはキングキャンデラーを蹴り飛ばせば、空へと舞い上がる
「テガソード・
【ウルフソードフィニッシュ!】
バーサーカーはテガソードレッドに貫かれ、空より落ちて来たキングキャンデラーにより押し潰された
「──は?」
竜の魔女が戦場を見るべく振り返れば、高らかに指を掲げるテガソードレッドの姿。
激しい戦闘の末に勝ったのは──テガソードレッドであった。
「──藤丸立香ぁ……覚えたぜ、その名前ぇ!!」
ファイヤキャンドルがそう藤丸に指を差せば、円の中へと吸い込まれ──
そのままキングキャンデラーは大きく爆発をする。
兵士たちが爆風により吹き飛ばされるが、なんとか死者は出ずに済んだ
「──チッ」
折角の惨劇が見れるかと思えば、いつもいつもスーパー戦隊に邪魔をされている。
露骨に機嫌が悪くなった竜の魔女は銀のテガソードを構え──
「もう、世話の焼ける豚達ね!」
「なあ僕はマリアの元に送れと言った気がするんだが──」
「此処からは徒歩でお願いします」
槍、楽器、炎の3つの攻撃によりスカイホーキーを攻撃され
「こんの……!」
ダメージにより制御を失ったスカイホーキーを乗り捨て、竜の魔女は少し離れた地へと降り立つ
「エリザベート、清姫、アマデウス……!皆さん無事だったのですね!」
「ええ、私1人で勝ったわ!怪我人のアマデウスはついでに拾って来てあげたの!」
「──やれやれ、僕も怪我人なんだが……耳を借りるよ」
ふふー、と意気揚々とエリザベートが胸を張れば
アマデウスが緩く指揮棒を振り、痛みを和らげる音楽を奏でる
「回復じゃないから其処だけ気を付けるように、ただ緩和させただけだ」
「それで充分です、これであの敵を──」
「何言ってるのよ、選手交代よ」
再び立ちあがろうとするジャンヌにエリザベートはやれやれと言わんばかりに肩をすくめる
「──ですが」
「血昇りすぎじゃない、アンタ。
ねえジャンヌ──私はもう1人の私に、言ってやったわよ」
敵のアサシン……もう1人のエリザベート。
過去と未来
吸血鬼伝説を残した女とただの少女という、違いはあれど……やはり同一人物であった。
清姫が駆けつけた時、エリザベートの槍はカーミラを貫いていた
真実同じ物を殺すエリザベートに、カーミラは何故殺すのか……反英雄である自分達が罪滅ぼしをして何になるのかを尋ねた
そしてエリザベートは答えた
「私は……悪いコトだって、分かっている。
未来の自分がした事の、罪を理解したの。
だから私は──自分の不始末なんて許せない!
結末が定まっている以上、自己欺瞞かもしれないけれど……それでも、アタシは未来に向けて叫び続けるわ!」
「
嘘一つない、本音。
光の粒子へと還った未来の自分を見つめ──
そのまま竜の翼を広げて飛び去る。
アタシは、言いたい事を言えた。
「ジャンヌ、アンタは
エリザベートの言葉。
ジャンヌはそれを何度も反芻して──
「……後は、任せます」
そう呟けばそのまま竜の魔女の元へと跳躍した
それで良いのよ、とエリザベートは頷き
「アマデウス、やれるわね?」
「はいはい」
「聖人のおじさまも平気?」
「勿論です」
「行くわよ」
「──はい」
エリザベート、アマデウス、清姫、ゲオルギウスが各々の武器を構える
黒き霧を噴き上げるように、バーサク・バーサーカーは高らかに吠え──
再びの戦闘が、幕を開いた
ロボ戦、書くことが無いんですよね(1話と全く同じ感じで終わるので)