Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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そろそろ合流したりします


交わる戦況

 

「──さ、そろそろ終わりにしようか!」

 

「ぐっ……!」

 

パチンと軽やかにゴジュウレオンはときめきノーワンへと指を鳴らして見せる

負けじとときめきノーワンはゴジュウレオンへと拳を振るうが──軽い足払いを喰らい、まんまのバランスを崩されてしまえば

そのまま陸王に腰を支えられ、まるでダンスのような体勢となる。

 

「君も強情だけど、そろそろ僕の虜になっちゃいなよ?」

 

「えっ……!」

 

ふふ、と優しく微笑んでみせる陸王に

ときめきノーワンは思わずときめきを覚えてしまい、それがそのまま敗因へと繋がってしまった。

隙を作ってしまったときめきノーワンはテガソードにより空へとかちあげられ

 

「これを取っておきたまえ!」

 

【フィニッシュフィンガーレオン!!】

 

青き斬撃が百夜陸王のサインを描けば、そのままときめきノーワンに止めの一撃を与える

 

「ときめきナンバーワンは……僕さ☆」

 

WINNER:ゴジュウレオン

 

そのままときめきノーワンは爆発四散し──中から意識を失ったファントムが倒れ出てくる

 

「これは……?」

 

ときめきノーワンとやらもサーヴァントだったのか?と陸王は首を傾げたが──

 

「マスター!」

 

何故か城から落ちてきたマリーを陸王は咄嗟に抱き止める。

周囲を見回せば、無数の触手……海魔が取り囲んでおり

ファントムは光の粒子へと還り、ジルが持つ本へと収まっていった

 

「……マリーを押し退けるとは、中々やるね?」

 

レオンバスター50を構えつつ、陸王は笑顔を絶やさずに尋ねる

ジルは穏やかな……しかし狂気的に見える笑みを浮かべ、答える

 

「本来ならば、その指輪を奪取しなければならないのですが……流石にお強い」

 

どうやらジルの目的はキラメイジャーのセンタイリングらしい。

此処は僕が引き受けた方が良さげかな?とマリーを逃がそうとレオンバスター50を握り締め──

 

螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)

 

それよりも先に、ジルの宝具が発動される

無数の海魔がさながら津波のように陸王達へと迫り来る

 

「テガソード……は不味いか!」

 

城が邪魔なのと戦闘音が激しすぎて戦況が認識出来ない。

もしテガソードレッドが使われていた場合、藤丸達を窮地へと追い込む可能性がある以上──テガソードブルーは呼べない

このまま撃ち続けてもおそらく呑まれる、どうする──?と陸王が周囲を見渡しつつ考えれば

 

「マスター、乗って!」

 

ガラスの馬へと跨ったマリーが手を伸ばし

陸王がしっかりとその手を掴み、馬へと跨ると同時に──海魔を擦り抜けるように硝子の馬は空へと駆け出す

途中海魔に行く手を阻まれそうになったが、ゴジュウレオンがそれを撃ち抜く事で何とか逃走に成功した。

空から戦況を見渡せば──

 

「何処に行くべきだ?」

 

テガソードロボの姿は見えない事から例の巨大戦は終わったらしい。

状況は──ぱっと見だとファヴニールの場所へと向かうべきか?

しかしバーサーカーと闘っている4騎も苦戦しているように見える

 

「──良し、マリーはアマデウス達の元へ、僕は藤丸君達を援護してくるよ」

 

「ええ、分かったわ!」

 

お互いに頷き合えば、陸王はガラスの馬から飛び降りてテガソードを呼ぶ

 

「さあ──行くよ!」

 

【放て!吠えろ!ブルー!!】

 

空より現れるのは巨大なテガソード

陸王は青き指輪へと包まれ、テガソードは巨大なロボへと変形する

 

「人神一体!」

 

【テガソードブルー!】

 

右腕に砲台を付けたテガソードブルーが、ワイバーンの群れへと射撃を開始するのを見届けたマリーはアマデウス達の元へと向かおうとし──

 

「その隙を待っていました」

 

背後から迫っていたジルに気付いた時には、既に全てが遅かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵士達がワイバーンを次々と駆逐していき、ワイバーンは最初と比べて圧倒的な速度でその数を減らしている

 

《彼方は押し切れそうにあらへんな……4騎に張り合えるとかどんな英霊やねん……》

 

管制室にて1秒ごとに変わる戦場の状況を把握すべく全員が忙しなく観測を続ける中、思わず巡が呟く

黒き騎士──バーサーカー。

相手が手練れで味方側には戦闘に適していない英霊がいるとは言えアマデウス、清姫、エリザベート、ゲオルギウスまで入れた4対し1で尚互角以上の戦闘を行っているのだ。観測してる側からすると溜め息一つ吐きたくなるもの。

 

《まあ押さえ切れてるだけ良いと思おう。

状況は此方の有利で進んでいる……このまま推移してくれれば良いんだけど。》

 

ダ・ヴィンチちゃんが戦場の全体データを見つつそう答え

 

《聞こえてるね、藤丸君。

やはりファヴニールの撃破は必須だ、近くに居る今のうちに決めておくれ。》

 

ロマンがバイタルチェックをしつつそう言うが

藤丸はテガソードを振るいつつ荒っぽく答える

 

「ワイバーンが邪魔で中々進まねえ……!」

 

「僕に任せて!」

 

テガソードブルーが無数の弾丸を放ち

マシュと藤丸が合わせるように盾と刃を振るい

生まれた穴を突いて、ジークフリートが抜け出す

 

「──幻想大剣(バル)ッ!」

 

宝具を放とうとしたが、それより先に放たれるブレスによりジークフリートは相殺するべく刃を振るうしかなく

その隙にファヴニールに再び距離を取られてしまう

 

「すまない、仕留め切れなかった……!」

 

「これは少々不味いかな?」

 

ジークフリートが再び藤丸達の元へと戻り

陸王がテガソードブルーを操作しつつもそう呟く。

このまま行けば正直此方が削り切られる

あの知能の高さを攻略するにはどうするべきか……此処に来て行き詰まってしまった。

 

アマデウス達の戦況も決して良いものとは言えなかった。

 

「さ、行くよ──!」

 

アマデウスとエリザベートが音を奏で、衝撃波によりバーサーカーの剣をへし折る

清姫が炎を放ち、視界を潰せば

ゲオルギウスが腕を切断してみせる

 

「Arrrrrr……!」

 

ゲオルギウスの横なぎの斬撃を跳躍する事で回避

清姫が再び炎を放とうとするが、強引に割り込んできたワイバーンに塞がれてしまう

そのまま何処かへと走り出すバーサーカーを追うように4人は駆け出す

 

「まさか、兵士を!」

 

狙いに気付き、なんとか阻止せんとするが

その動きを妨げるように無数のワイバーン達がゲオルギウス達の行方を阻むように突撃を開始した。

 

「──クソッ!!」

 

倒して倒して倒して倒しても無限に湧き出すワイバーン。

思わず舌打ちを藤丸がすれば──ロマンより絶望的な報告が届く

 

《フランス軍、左翼が敵サーヴァントと接触!一方的に虐殺されている……!》

 

《なんやこれ!砲兵陣に触手みたいなバケモンが無数に現れた!砲台諸共兵士たちが──!》

 

「……っ!」

 

よりによって今新しい敵戦力が増えたのか!?

どうする?

戻って助けに行くか?陸王だけでも向かわせればサーヴァントや新しい敵を倒せるかもしれない──そう、迷った時だった

 

「恐らくその触手は敵サーヴァントの物だろう、それらしき物を見たからね。

──それより、藤丸君」

 

再び無数の弾丸を放ちつつ、陸王は敢えて藤丸へと声をかける

 

「兵士達は皆んな、自分の意思で戦っているんだ。

彼等は自分を助けようとして──勝機を逃すことを望んでいない。

多くの人の犠牲の上で、僕達は此処へと立っているんだ。

だから、引く事は許されないよ」

 

陸王の言葉に、藤丸は項垂れてしまう

──確かに、その通りだろう。

今戦線を下げてしまえばそれはそのまま敗北に繋がる

しかし殺される一人一人の兵士には──はぐれ者と違って待っている奴等が居るかもしれない

そう思ってしまうと、割り切れない。

──そんな藤丸の内心を見透かすように、ジークフリートは言葉を送る

 

「割り切る必要は無いだろう。

犠牲の上に犠牲を重ねなければ勝利はない

その前提によって立つのが戦争というものだろう。

それでも人は人の命を尊いと、失い難い物だと思う。

マスター、貴方のその素朴な感情を……俺は間違っていると思わない」

 

そう語るジークフリートの背中は

何故か酷く──美しく見えた

 

「はは、僕が悪者側になっちゃったかな?」

 

「い、いえ!陸王さんの助言はとても有り難かったかと!」

 

「ああ、その通りだ。実際俺達は前に進むしかない。

退けば畏れれば間違えば噛み砕かれる

邪竜との闘いはそういうものだ」

 

苦笑して見せる陸王に対して、マシュとジークフリートがフォローの言葉を投げれば

……ふぅ、と息を吐いてジークフリートは3人を見据える

 

「生を渇望しながら、命を投げ出す覚悟がいる。

マスター、マシュ、陸王。

この状況を変える一手を打つ──俺に命を預けてくれるだろうか?」

 

真っ直ぐな瞳と真っ直ぐな問い。

その言葉に、全員が頷いてみせた

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