Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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今までも展開変わっていましたが此処から大きく変わります


堕ちた男は聖女の夢を見るか?

 

「……やったのか?」

 

「はい、ジークフリートさんの宝具によって撃破されたかと」

 

《ああ、ファヴニールの魔力反応は既に無い!》

 

藤丸が息も絶え絶えの状態で尋ねるが

マシュとロマンは頷いて見せる

唯一ジークフリートが剣を握り、何かを探すように見渡していたが

 

「──問題は無いだろう」

 

と頷いた事で、漸く邪竜を撃破したのだろうという実感が湧いた

藤丸が酷く疲れたな……と深く息を吐けば

 

「あ、そうそう。

君の身体も無茶に追い付いたのか、後遺症とかは無いってドクターが言ってたよ」

 

同じく疲れているであろう陸王が笑顔で話しかけてきた、これがプロ根性と言う物なのか?

 

「──取り敢えず、後は竜の魔女だけだな」

 

ふう、と長く息を吐けば起き上がり

一先ずジャンヌと合流せんとするが──

 

「ジャンヌはもう来てるよ」

 

足音を聞いていたのか、陸王が指差した先からジャンヌが歩いて現れた

 

「竜の魔女は城に撤退しました」

 

逃げられたのか──まぁ、敵対勢力は殆ど撃破したし問題はあるまい。

そう思っていたのだが、ジャンヌの口から語られた竜の魔女の概要を聞けば

思わず顔を歪めてしまった

竜の魔女はジャンヌ・ダルクでは無い。

確信に至ったのは、家族の名前を言った時のこと

 

「プロフェッサー・往歳巡から聞きましたが……彼女が口にしたのは私の家族では無く彼女の力、マジレッドの家族の名前でした」

 

彼女が言った聞き覚えのない名、戦隊関連と見て巡教授に話しかけたが──これが正解。

魔法家族マジレンジャー、マジレッドを除いた名前を彼女は言っていたらしい。

 

「彼女が私の闇の側面であるのなら、覚えてなければならない物を覚えていなかった」

 

人は幸せな記憶があってこそ憎しみを抱く。

しかし彼女には憎しみしか無かった。

英霊とはいえ、其処があまりにも不自然であった。

ならば彼女は何者か。

テガソードと聖杯

何方も共通しているのは、一つ。

勝ち残れば、願いを叶える事が出来ると言う物。

この悲劇、この災厄、この戦いは──

誰の願いで、誰の物語なのか?

答えは──

 

「私の別側面ですらない彼女が何故生まれたのか。

竜を使役する力を何処から手に入れたのか

……そして、どうやってスーパー戦隊と言う力を手に入れたのか。

それは一つの答えに集約されます」

 

「つまり……竜の魔女そのものが聖杯。

ある男が聖杯に願い作り出した──彼だけの聖女なのです」

 

ジャンヌがそう話せば

辺りは重い沈黙に包まれる

しかし、陸王が直ぐに口を開いて見せる

 

「……そう言えば、マリーは何処に?」

 

《え、此方では確認出来てないけど……てっきり君が何か指示したのかなあって》

 

ファヴニールの消滅、竜の魔女の撤退によりワイバーン達は大幅に弱体化

フランス軍によって順調に撃破されている。

アマデウス達は後方支援──と言っていたが

マリーの姿が見えない事に、陸王が首を傾げる

ロマンはてっきり陸王がマスターだし、何かしら指示をしたと思っていた故に此方も首を傾げる

 

「──まさか」

 

最悪の予想が脳裏を過り──

 

「マスター、どうかしたの?」

 

背後にの声に、全員が振り返る

其処には穏やかに微笑むマリーの姿

 

「よかった……無事だったんですね!」

 

マシュが笑顔で話し掛ける中

藤丸はマリーから漂う血の匂いに少し違和感を覚える

しかして陸王は変わらぬ笑みを浮かべてるし

此処は戦場だしそんな匂いもする。

まあ気の所為だろう、と割り切った

 

「──ごめんなさい、マスター。指輪を奪われてしまったわ」

 

「いやいや、生きてるだけで偉いよ。

後はどの道黒幕を倒すだけだし纏めて回収しちゃおう」

 

しょんぼりと落ち込むように俯かせるマリーに、陸王は微笑んで励ましの言葉を掛ければ、そのままオルレアンの城へと向けて歩き出す。

 

「──そう言えばなんで学生服なんだい?似合ってるけど」

 

ふと陸王が気になって尋ねる。マリーの姿は王妃の物ではなく、ときめきバトルの時の学生服なのであった

マリーはその疑問に微笑み

 

「センタイリングを奪われた時に何故かこの姿になってしまったの、戦闘には支障は無いわ!」

 

と答えて見せた

陸王は数秒掛けてマリーの姿を見れば、微笑んでその答えに頷いた

そして数分も掛けぬ間に城へと辿り着けば

ロマンは超高密度の魔力──聖杯の反応を確認する

やはり竜の魔女では無く、最後のサーヴァント……ジル・ド・レェが聖杯を所持している事を確認すれば

 

「竜の魔女は聖杯によって作られた、って話だよな。

だが俺が知ってるジルは寧ろ竜の魔女と敵対してたが、どう言う事だ?」

 

藤丸の疑問に対してジャンヌが答えようとすれば

他ならぬ本人によって回答が送られる

 

「それは私が彼自身(ジル・ド・レェ)を縁として、聖杯に喚ばれたサーヴァントだからですよ」

 

全員が戦闘体勢へと入り、声の主─ジル・ド・レェを見据える

 

「お初にお目に掛かりますな皆さん。

そしてお久しぶりです、ジャンヌ・ダルク」

 

ペコリと優雅に一礼をして見せるジルにジャンヌが咄嗟に彼の名前を呼び

 

「──俺達と同じと言う事か?」

 

ジークフリートが剣を構えつつもそう尋ねる

 

「左様、私は我が聖女に呼ばれた狂いし英霊ではなく

この国に……聖杯に喚ばれた最初のサーヴァント」

 

「そして最初に喚ばれたが故に……最初に聖杯を見つけ、所有した

この(フランス)を滅ぼす者──!」

 

ジルが本を開けば、無数の海魔が辺りを埋め尽くす

 

《聖杯の反応は──依然城内!恐らく竜の魔女がまだ生きてるんだ!》

 

「ええ、彼女はまだお眠りになっておられますとも」

 

穏やかとさえ言える笑顔を見せ、ジルは鷹揚に頷いて見せる

ジャンヌが旗槍を構えつつ

 

「……それで貴方は聖杯の力で貴方好みの竜の魔女(ジャンヌ・ダルク)を作った」

 

「おお、ジャンヌ……その言い草はあまりにもあんまりではありませんか?

無論私は最初に貴女の復活を願いましたとも。

ですが叶わなかった!!万能の願望器でありながらそれだけは叶えられないと!!!」

 

発狂するように叫ぶジルに

藤丸は僅かながらに……ある感情が芽生えた

だが同時に疑問もある、其処まで彼女を愛しながら……何故彼女が愛した国を滅ぼそうとするのか。

 

「……諦めなさい、ジル。

聖杯も無しに──私達には勝てません」

 

せめてもの慈悲、なのだろう。

旗槍を構えつつジャンヌは投降を促す

何せ海魔を入れてもこの場にいるのはゴジュウウルフ、ゴジュウレオン、マシュ、ジャンヌ、ジークフリート、マリー

大英雄まで含めたこの面子には勝てない──と警告をするが

ジルは寧ろ笑みを深め

 

「おお……我が聖女は何処までもお優しい」

 

「故に、この罠に誰も気付かなかった」

 

ジルがそう答えると同時。

1人の男が、地へと緩やかに倒れ伏す

 

「陸王!?」

 

攻撃!?ジルは動いてはいない、なら何処から──

藤丸が咄嗟に辺りを見渡そうとすれば

 

「マスター!」

 

ジークフリートが背後へと回り、百合型の魔力弾を弾き飛ばす

陸王はこの魔力弾を背後から喰らって倒れたのだ

そしてその攻撃をした人物は──

 

「……マリー、さん?」

 

マリーはすんとした無表情で陸王を見下ろせば

 

「ああ、もう動かないのね……つまらないわ」

 

はあ、と期待外れの溜め息を吐き──跳躍する事でジークフリートの斬撃を回避

そのままジルの隣へと立つ

藤丸とマシュは思わず混乱してしまう

裏切った?有り得ない、そもそも裏切る理由がマリーにはない

そう、マリーには無いのだ。

 

「私は全てが嫌い。全てが憎い。あなたにわかって?」

 

マリーの姿が反転する

白は黒へ 愛は憎悪へ 好きは嫌いへと

 

「さあ、殺し合いましょう?

私のマスターはもう戦えないけれど……貴方達は来るのでしょう?」

 

マリー・アントワネットであり、藤丸達が知らないマリー・アントワネットが硝子の馬へと跨れば、笑って歌ってみせた

 

「ヴィ・ヴィクテス、フランス!」

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