「巨大敵性体、来ます!」
あまりにも巨大な怪異が動き出せば
各々が武器を構える
怪異の巨大な──大規模な村さえ潰せる程の広さと質量を持った触手を叩きつけんと振り下ろせば
「ロード・カルデアス!!」
マシュが盾を展開し、全員を守って見せる
重い、一瞬でも気を抜けば潰されるような重さ。
それでも尚マシュは必死に耐える
わたしは役に立てたのだろうか。
多くの出会いによって助けられて
先輩はその中でも自分に出来る事を選び続けた
わたしもまた、選びたいと思った
そう、教えて貰ったから!!
「わたしが支えます──皆さん、お願いします!」
先ず駆け出すのはエリザベートとアマデウス
「未来の私を倒せればあとはどうでも良いと思っていたけれど──ええ、今日は特別!
ステージ召喚、派手に行くわ!ラストナンバーよ!盛大に見せてあげる!
──併せなさい、アマデウス!」
「天才だからね、無論余裕で併せるとも!
楽しみ給え、公演の時間だよ!」
アマデウスは柄でも無い事──ヒーローのような事を考えれば
軽く頭を振り、笑って指揮棒を構える
エリザベートがその生涯に渡り君臨した居城を召喚し、それをそのまま巨大アンプとして稼働。
アマデウスが無数の楽譜を展開し、天使がステージを彩るように舞い踊れば
「
「
魔音と魔曲の二重奏。
相殺しあってもおかしくはない音が互いに互いを引き立て、より盛り上げて魅せる
怪異と言う超巨大質量さえも、その音は浮かび上がらせる!
マシュが荒く息を吐き、宝具を解除すれば
「ご苦労様でした、マシュ。
──次は私の番ですね」
清姫が労いの言葉を掛け、扇子を広げる
「想い人にこそ巡り合えませんでしたが──
友達も出来ましたし、得る物も多い良き現界でした」
気になる殿方も出来ましたが……今からの姿をはっきりと見られれば幻滅されてしまうでしょうし。
まあ、仕方ありませんね。と清姫は微笑めば
「これより、逃げたる大嘘吐きを退治します──!」
道ならぬ愛故に変貌した、炎を吐く大蛇……即ち竜としての転身を果たせば
その口より、青き炎を見せようか
「転身火生三味!」
その炎は怪異の身を大きく焼き尽くし、怪異は苦悶に身悶えしてしまう
青き炎を見届けたゲオルギウスは一つ頷けば、自らが剣を掲げる
「信仰故の涜神、愛故の憎悪。
あの清廉なる騎士がこのように堕ちるのは悲しき物。
それでも無辜の民を犠牲にさせるわけにはいきません。
守護騎士の役割、今ここで果たしましょう──!」
「
怪異に、証が刻まれる
汝は竜であると、聖人がそう決める。
「隠していたわけではありませんが、私にもドラゴンスレイヤーの逸話がありましてね。
そしてドラゴンスレイヤーには得てして竜に関する宝具がある。
私の場合は──敵対者を一時的に竜と定める物」
ゲオルギウスは道を譲るように、後方へと歩む
道を譲った相手は──竜殺し
彼の大英雄の幻想の剣は、竜なるモノ悉く滅ぼす青き極光!
「善と悪は立ち位置の問題でしか無い。
だから俺は決してお前を悪だと断じて剣を振り下ろさない」
天さえ穿つ青き光は一つの剣へと収まり始める
藤丸がありったけの魔力をジークフリートへと送る
「それでもマスターは見過ごせないと叫んだ。
彼を悪とも自らを善ともせず。
ならば俺はその叫びを信じよう。
──それこそが、俺の正義だと信じて!!」
「
聖杯の膨大な魔力を以てして尚、再生が間に合わない程に強大な一撃をジークフリートは放つ
海魔は既に焼き落ち、無数の肉片が辺りへと散らばっている
それでも尚ジルは立ちあがろうとしていた
「道は拓いた、後は頼む」
「有難う御座います、セイバー。
──貴方と共に闘えて良かった」
ジャンヌがそう微笑めば
セイバーは剣を納め、後方へと退がる
ルーラーはジルの前へと立ち、旗槍を握る
「……その旗槍で私を穿ちますか。
良いでしょう!聖杯は既に我が聖女へと託された!
私の意思は──彼女が継いで見せるでしょう!!」
狂乱したような雄叫びをあげ、燃え尽きた本をジルは投げ捨てる
「──えぇ、ですから。
其処で待っていてください、ジル」
ジャンヌは目を合わせるように膝を突き、ジルの手を握る
ジルは惚けたようにジャンヌを見れば
「還る時は、一緒です」
「…………あな、たは……」
そう微笑んだジャンヌを見て
ジルは──かつて焦がれた彼女の幻想的な光を見てしまい
そのままがっくりと項垂れるように戦意を失った。
「勝ったのか?」
藤丸がテガソードを握り締めつつそう呟いた時
その邪竜は、姿を現した。
ええ、分かっています。
私が存在してはならぬ存在だと言う事を。
在り得ざる復讐者だと言う事を。
あの聖女サマを見てれば分かります。
あの女は本当に──人を憎むと言う事を知らないと。
だから、私が存在してるのはおかしい。
ジル……彼によって生み出された人形のような物なのでしょうね、私は。
はあ、と溜め息を吐いて前を見れば
2人の赤い戦士が此方を見つめている
はいはい、どーせ正義の味方だから返しなさいとか言うんでしょ?
嫌よ。
確かに私は泡沫の夢のような存在。
心の底で荒れ狂う炎でさえ、そうあれと定められただけなのかもしれない。
けれどこれは私の選択よ
私が、復讐者である事を望んだの。
炎の花も復讐の果実も、いつか枯れ果て腐乱する。
ま、それで良いのよ。
それまでの間、憎み続けて、恨み続けていれば良いのだから。
故に使わせて貰うわ、貴方達の力
背後を振り返れば
銀色の煌めく戦士と、赤色の騎士が立っており
私が笑えば
戦士には赤い目が宿り、騎士は紫の炎へと包まれる
【クラップユアハンズ!】
契約よ、テガソード。
拒否なんてさせないわ。
私は生きる、自分の意思で
だから──その力、よこしなさい!!
【マジレンジャー!】【キラメイジャー!】
紫色の炎が私を包む
淀んだ闇を私が纏う
起き上がり、自らの角に触れる。
宝石で出来た邪竜の翼を広げ、尻尾を動かす。
まるで最初から有ったかのように、自然に動く。
魔導騎士としての装甲と竜の魔女の装備が混ざりあい
闇によってそれは煌めいている。
右腕にくっ付いているジャガンシールドを軽く振るえば、それだけで凄まじい風切り音が鳴り響く
左手を見ればマジパンチ──奇跡の拳であるグローブ型のアイテムと小手が融合していた
邪竜現象と二つのスーパー戦隊が混ざり合い、私の力となった事で随分と姿が変わったものだ
ふと自らの胸を撫でれば、二つのセンタイリング──マジレンジャーとキラメイジャーの指輪が嵌っている。
テガソードは、と全身を探れば
自らの右手がテガソードそのものとなっていた。
シールドと上手い具合に融合しており、邪魔にはならない。
普通に手としても機能する。
何故か長くなった自らの髪を撫でれば
「──ジル」
そう呟くが、返事はない。
もう私を生み出した彼は居ないようね。
まあ、聖杯である私を吸収してないからそうだとは思ったけど。
まんまとまあ燃え尽きちゃって……まあもうそんな事はもうどうでも良い。
私は彼の意志を継ぐ……そんな事は言わない。
私は、私の意思で祖国を滅ぼしましょう。
空へと舞い上がれば
……酷く、月が綺麗だった。
今更夜だったのね、と思ったが
まあ気にする必要も無いと割り切った
下を見下ろせば、驚いた様子でジャンヌ達が此方を見ている。
「──最終決戦と言う奴かしら」
「私はジャンヌ・ダルク〔オルタ〕
────祖国を滅ぼす、竜の魔女よ」
と言うわけで超パワーアップを果たしたジャンヌ・オルタです。
因みにジルではなく巡教授が命名するなら
魔導竜女 ヨドンキラメイマジレッド とかになると思います。
それと評価してくれた皆様有難う御座います!!
評価バーが赤色……幻想(ユメ)じゃねえよな!?