「──ねえ、何故仲間を連れてこなかったの?」
地へと片膝を突くゴジュウレオンを見下ろしつつ、マリー・オルタは首を傾げる。
私に配慮してアマデウスは連れて来なかったと彼は言ったが、他の英霊は?
元より英霊と人間だ。
その差は良く分かっているだろうに……2人きりになりたかったは幾ら何でもおかしすぎる。
──いや、それよりももっと大切な事
この戦闘を一瞬で終わらせられる方法があるのに、何故それをしないのか。
「令呪、使わないの?」
マリーに行使した令呪は二つ
最後の1画は、いまだに陸王の手へと刻まれていた
私はあくまでマリーが反転した存在
そして今も尚──陸王とマリー・オルタは繋がっている。
故に自害を命ずれば、先ず勝てる
対抗しようとも隙は生まれてしまうのだから
なのに頑なに使おうとしない陸王を見て、マリーは思わず尋ねてしまう
しかし陸王は、さも当然のように答えて見せた
「嫌がる女の子を無理矢理従わせるなんて──アイドル失格だろう?」
そう笑ってテガソードを構えて見せるゴジュウレオン。
本当に──何処までも、
「
「皆んな好きでしょう?ギロチン」
そう微笑めば虚空から出現するのは敵を切断する巨大な黒い刃。
革命の成功と王家の断絶を象徴する刃、自らの死因となったそれを自在に操ってみせる。
ゴジュウレオンは前転によりそれを回避し、無数の弾丸を放つ
しかし黒い百合によって弾丸は防がれ、お返しにと放たれたガラスの馬をゴジュウレオンはテガソードにて砕いて見せた
「僕は別に好きでは無いかな──!」
と冗談混じりに話せば縦横無尽に走り、迫るギロチンを避けつつマリー・オルタへと迫る
【フィニッシュフィンガー……】
「させないわ」
テガソードを振り被りマリー・オルタへと放たんとしたが、先端に刃の付いた蔓状の鞭を振るい、テガソードを叩き落としてしまう
咄嗟にレオンバスター50を放とうとするが、黒き百合の旋風がゴジュウレオンを襲い
そのままゴジュウレオンは地を転がり──変身が解けてしまう
「──ねえ、マスター。
終わりにしましょう?」
魔力が高まる
それは宝具、人間である陸王を確実に殺す為にそれを使わんとする
陸王の顔には傷が付いており、其処から血が溢れるが
その血を陸王は拭えば──尚も笑う
「マリー、信じてるよ」
「……またそれ?私の何を──」
信じてる。
あまりにも曖昧で不確かで簡単に裏切る事の出来る言葉
第一何を信じるというのか
どうせ復讐を乗り越えられるだとか、愛を信じてるだとかそんな物だろう
溜め息を吐き、マスターもこんな物かと宝具を放とうとし──
「
「──君の想いは、そう簡単に利用出来る物じゃあない」
……ぴたりと宝具発動を止めて、その男を見つめる。
今の言葉は少なくとも……皆に求められる
敵の復讐心を、祖国を滅ぼそうと言う想いを信じている?
陸王の瞳をじっと見つめる
嘘はない、本気で信じている
そして復讐が、自分を殺さないことも確信している
陸王へと歩み寄り──顎に指を掛け、此方へと上げさせる
「……そう言う顔、嫌いよ」
はあ、と溜め息を吐いて
陸王の上にギロチンを構えて見せる
「ねえ、マスター。
私を信じると言うのなら──」
そして意地の悪い……無理難題を吹っ掛けるような笑顔を浮かべつつ口を開けば
「令呪を以て命ずる────君の復讐の強さを証明しろ、マリー・アントワネット〔オルタ〕」
「……貴方、バカなの?」
先んじて言われた言葉と、自らに流れ込む魔力を感じ
思わず王妃らしからぬ素っ頓狂な声をあげてしまう
深く考えずとも、相手を強化しているのだ。
脅されてすらいないのに……これが信じると言う奴なのか?
……全くもって理解出来ない
しかしまあ
「……まあ、良いわ。
元々復讐相手を横取りされそうになってるのだし」
ガラスの薔薇を、反転前の私は渡していた。
その想いは今の私には分からないが
私には目の前の男よりも嫌いな相手が居る事は分かった。
はあ、と溜め息を吐けば
背が縮み──学生服をその身に纏う。
そもそもジルと協力したつもりもなく
藤丸達を殺した後は例の魔女を殺すつもりであった以上
まあ、順番が前後しても構わないとマリー・オルタは考える
……眼前のマスターに対する反転前のマリーの感情が、僅かながらでも残っていたのかは、本人にさえ分からなかった。
「じゃあ行きましょうか、マスター」
「ああ──行こうか、マリー」
硝子の馬へとマリーが跨がれば
陸王がテガソードを再び構え、青き鎧を見に纏う
【ゴジュウレオン!】
「海魔の姿が見えないけど……終わったわけでは無さそうだ」
「言っておくけれど、宝具使ったら死ぬから私」
その言葉に陸王は思わずマリー・オルタを見ようとしたが
その時には既に硝子の馬は駆け出して──竜の魔女の眼前へと向かっていた
アンケートの結果は全員着いていく、となりました!
賑やかな旅になりますね…投票してくれた人は有難う御座います!