「……少し、遊ぶわ」
ジャンヌ達を見下ろし、翼で空を支配するように飛ぶジャンヌ・オルタは口元に笑みを浮かべて話す
そしてテガソードとなった右手を掲げれば──
「マジ・マジ・マジ・マジカ」
「マジ・マジ・ゴジカ」
「ジー・ゴル・マジュナ」
「ジルマ・マジカ」
「ゴンガ・ゴー・ルジュナ」
「ジルマ・マジュナ」
「ドーザ・ウル・ザザード」
「ジルマ・ジルマ・ゴンガ」
7つのエレメントが刻まれた魔法陣が、ジャンク・オルタを中心として展開される。
魔法戦隊マジレンジャーの魔法。
世界は違えど正しく奇跡の技──それが藤丸達へと襲い掛かる
無論各々も突っ立っているわけなく迎撃や回避などの行動を取るが
マシュが盾を構えると同時、魔法陣により動きを封じられ
ジャンヌ・オルタの炎を纏いし回転踵落としを決められ、盾越しで尚大きなダメージを与えられる
エリザベートが空を舞い音波を放つが、ドリルのような鋭い水流はその音波を食らって尚揺るがすにエリザベートへと直撃。
ゴジュウウルフが他の仲間を守らんと跳躍をしようとすれば、足元に突如穴が開き、そのまま落下。
ジャンヌは咄嗟にマスターのカバーへと向かい、何とかゴジュウウルフの手を掴むが仲間の救助へは使えなくなってしまう
ゲオルギウスが馬を出して駆けようとすれば荒地から突如として無数の蔦が生え、馬の四肢を縛る。
剣を抜き放って蔦を断ち切ろうとも蔦は数え切れないほどに生え、蔦の対応で手一杯にされてしまい
アマデウスが指揮棒を構え、援護の音楽を奏でようとするが、魔術としての力を封じられ、ただの音色──物理的な力を無効化されてしまえば、これはもう役に立たないなと一旦逃げに徹し
清姫がジャンヌ・オルタに対して青き炎を吐くが、炎さえ凍らせる冷気によってその熱は無へと還す
ジャガンシールドから狼の形をした衝撃波を放たれ、ジークフリートを襲うが
ジークフリートは刃と自らの肉体を駆使し、撃ち漏らす事なく狼を仕留め切ってみせた。
あらゆるものを一つに纏める魔法により、一度に全員に対して行使された魔法
これが遊びだと言うのだから──ジャンヌ・オルタの凄まじい力を感じさせる物となる。
《マジレンジャー全員の魔法を使うんか……!》
管制室越しに巡が驚愕の声を上げる
今まで確認出来たのはマジレッドが扱う魔法──或いはマジレンジャー5人が扱う物。
それが魔法家族全員の魔法さえ扱うのだから恐ろしいでは済まされない物だ。
センタイリングについてはまだまだ研究途中だが、使用音声がスーパー戦隊の名前だった時点で全ての力を扱える可能性は視野に入れておくべきやったか……!
と自らの先入観……レッドにしかなれないのならレッド以外の力は扱えないだろう、と思っていた事を悔やむ
《巡教授、後悔は全てが解決してからだ。
スーパー戦隊の有識者は現状君だけ──君の知識が必要なんだよ。》
ダ・ヴィンチちゃんがそう冷静に声を掛ければ
巡はハッと目を開き、そのまま自らの頬を力強く叩く
スタッフへマジレンジャーとキラメイジャーの資料を持ってくるように伝えれば
《──皆んな!危険度が高い……強力な力を今からでも伝える!
戦闘しながらでもええから何とか聞いてくれ!!》
俺が戦隊考古学を学んできた意味を──今こそ見せる時や!
と、自らの頭を限界まで働かせ
藤丸達にマジレンジャーとキラメイジャーの必殺技や強化技について伝え始める
しかしジャンヌ・オルタがそれを平然と見ている筈もなく
「死になさいな」
【マッシーン!!】
ジャンヌ・オルタの身体より放たれるは黒き宝石
それは巨大な蒸気機関車──恐竜のような顔が着いた機関車が、煙を噴き上げつつ藤丸達へと高速で迫り来る。
魔進ジョーキーと言う名が着いたそれは、大きく口を開き進行を妨げる物を砕かんとしているのは一目で分かる
狙いは──穴より這い上がった直後の藤丸とジャンヌ。
周囲のサーヴァント達がフォローに入ろうとすれば、闇に澱んだ6つの魔進により行く手を阻まれ
咄嗟にマシュがジャーキーと藤丸達の間へと割り込み盾を構えるが、質量の差はあまりにも大きく
無情にもマシュはそのまま轢かれ──
「お待たせ!待たせちゃったかな?」
「邪魔よ」
黒きガラスの馬に跨ったマリー・オルタが藤丸とマシュを雑に回収し
陸王がジャンヌを引き寄せる事でジョーキーの突進から回避させる
「陸王!……とマリー!?」
放り投げるように藤丸達の手を離し、復讐者同士は見つめ合う
「ま、そうなるとは思っていたわ」
「えぇ──嫌いよ、あの男も貴女も」
そう互いに微笑み──睨み合えば
ジャンヌ・オルタの口より黒炎が放たれる。
マリー・オルタはそれを巧みに回避し、ギロチンを放つが
ジャンヌ・オルタの宝石の翼によって砕かれてしまった
「やあマリア、随分とイメチェンしたね?」
「…………見ないで、アマデウス」
楽譜を操り、ジャンヌ・オルタの視界を遮るようにしつつ
マリー・オルタの隣にアマデウスが降り立つ
しかしマリー・オルタは今までの不遜な態度が嘘のように
ふい、と目を逸らしていた
「さ、いよいよフィナーレだ。
用意は出来てるかい?」
「ああ──行くぜ!」
指輪の戦士が並び立てば
この戦いを共に駆け抜けたサーヴァント達が構える
決着の時は、直ぐそこに