これでお前とも縁が出来た!
爽やかな風、土の匂い
そして何処までも広がる青い空……それに、光の輪
映像で何度も見たのに、こうして立っているだけで鮮明度が違う
マシュはゆっくりと深呼吸をすれば、辺りを見渡す
「フォウ!」
のどかな草原を見ていれば足元で元気に白い動物……フォウが元気に鳴く
今回も着いてきたのか……と藤丸が呟けば
「フォウさんは今回も同行すると言ってます。
狭い基地より外の方が良いそうです」
ふむふむと頷き、フォウが言いたいであろうことをマシュが翻訳する
結構可愛いね、と陸王がフォウを撫でていれば
カルデアより通信が入る
《や、無事に着いた……あれ、其処は首都ローマでは無いのかな?》
「はい、見た限りは丘稜地帯かと」
《ふむ、転送地点は固定化した筈なんだがズレてるな、其処は首都ローマの郊外らしい。
時代は問題ないから〜……なんだろ、何か周囲に変わった物は?》
全員が改めて辺りを見渡すが、特に変な物は見えない。
何処までも普通の丘陵地だ。
そう答えようとして─陸王がしっ、と人差し指を口に添えて全員を静かにさせる
「──何か聞こえるよ、何だろう……祭囃子?」
陸王の言葉に不思議そうに全員が首を傾げるが
次第に丘の向こうから女性と思わしき高笑いが聞こえ紙吹雪らしき物が舞い上がってるのが見えた。
何故か頭を抱え始める巡に管制室のロマンやダ・ヴィンチちゃんが首を傾げるが
《お祭りだなんてこの時期あったかな……?
まあ取り敢えず様子を伺ってみてくれ。》
不思議そうにロマンが首を傾げつつ、そう指示を出せば
全員が無言で頷き合い
そのまま地面へと伏せ、バレないように丘の向こうを見て──全員が言葉を失った。
「ハーハッハッハッハ!!」
赤く豪奢な舞台衣装に身を包んだ小柄な少女が扇子を仰いでおり、何故か兵士達に担がれた神輿の上に乗って更にその周りに天女達が紙吹雪を散らしつつ舞い踊っている。
少女の手には銀色のテガソードが嵌められており、ユニバース戦士である事は認識出来た、出来たが……何だろう、凄く声をかけたくない気分である。
「……随分と〜……愉快だね?」
陸王がコメントに困ったようにマシュと藤丸を見たが
2人はもう頷くしか無かった。
《あかん一目で分かるわ、あのユニバース戦士は──》
巡が辛抱ならないようにロマンからマイクを受け取れば、それよりも先に赤き少女達の前に無数の兵士達が現れる
神輿の行進は止まり、互いに互いを睨み合う様子から恐らく敵同士だと見て間違いはないだろう
「良し!皆の集は余の後に続け!エンゲージ!!」
赤き少女が一つ頷けばセンタイリングを取り出し、テガソードへと勢い良く嵌めて見せる
【クラップユアハンズ!】
天へと手を掲げ、手を鳴らしつつ地へと降りれば
少女の背後に立つ兵士達も一斉に手を鳴らし、一体となった拍手が辺りへと響き渡る。
誇らしげな顔を見せつつ少女が一際大きく手を鳴らせば──
《あのユニバース戦士は……ドンモモタロウやぁ!!》
【ドンブラザーズ!!】
巡が勢い良く叫ぶと同時、赤き戦士が刻まれた歯車らしき物が飛び出し、そのまま上から下へと少女の元に落ちていく
歯車を潜った少女の姿は桃の葉に見立てた大きなサングラスに丁髷、額には大きなメタリックピンクの桃が輝いていた
「……桃太郎?」
陸王が思わずと言った様子で呟けば
【よっ!日本一!!】
「桃太郎なんだ……」
何処からか響き渡った男の声から、やっぱアレ桃太郎なんだ……と興味深そうにドンモモタロウを見ていた
「ハーッハッハ!!……華麗に舞うとしよう!」
意気揚々と扇子で自らを仰ぐドンモモタロウに、敵兵士は困惑した様子を見せていたが
突如枠に嵌めて刀剣型に仕立てたサングラスと言った感じの奇抜すぎる剣を取り出してドンモモタロウが切り掛かってくれば、其処からなし崩し的に戦闘の幕は開ける
《……まあ……うん、ドンモモタロウの元となった人物は癖こそ強すぎるがまあ悪い奴じゃあらへんし〜……あの女の人もそんな感じやと思うで?》
っぱ改めて見ると個性強いわ〜……といつの間にやら用意したきび団子を食べつつ巡が呟けば
「……と、取り敢えず……行くか?」
「は、はい!戦闘を開始します──!」
「これまたまあ……個性が強い人も居るもんだねえ」
【ゴジュウウルフ!】【ゴジュウレオン!】
多少…かなりの困惑を持ちつつ、一先ずドンモモタロウ側に加勢するゴジュウウルフ達
ドンモモタロウは一瞬身構えたが、味方だと分かると一つ頷き
そのまま敵兵をゴジュウウルフ達と共に薙ぎ倒して行くのだった
ドンモモタロウも登場!!