Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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此処からゲームを参照にしてるので少しペースゆっくりになっております


華の街

「見るが良い、しかして感動に打ち震えるのだっ!

これが余の街──童女さえ讃える華の帝政である!!」

 

ネロに案内された街を見渡せば

確かに全員が笑顔を浮かべており、どこもかしこも活気に満ち溢れているのが良く見える

 

「確かに賑やかだな」

 

と、感心したように藤丸が呟けば

 

「うむうむ……そうであろうそうであろう!

何しろ世界最高の都だからな!」

 

ふふー、と誇らしげに胸を張れば

ネロはそのままこう話す

 

「はじめに七つの丘(セプテム・モンテス)ありし──そういう言葉があってな?

其処から全ては始まったのだ、神祖とかの丘とともに栄光の歴史は幕を上げた。

そして……っと、店主!この林檎を一つ頂くぞ?」

 

神輿から降りて歩いていたネロは店からひょいと林檎を一つ取れば、そのままかぷりと齧り付く

店主はネロを見るなり

 

「へいらっしゃ……ああっ!皇帝陛下!!

どうぞお待ち下さい、陛下とローマに栄光あれ!」

 

そう笑顔で言うが、ネロはそう畏まらずとも良いぞ、と手を振れば

林檎の美味しさに一つ頷き

 

「どうだ、お前達も一つ

やや行儀が悪かろうが気にするな。戦場帰りだ。

戦場疲れには甘い果物が──」

 

「……ネーロ、いつもお金は払ってって言ってるよね?」

 

「む、角乃か!

丁度良かった、お互いに紹介しておかねばな!」

 

店主にお金を払っている白いカーディガンに黒いフリルが付いた白黒のチェック柄のスカート、黒いパンプスと現代的──藤丸達が生きる時代においてだが──な格好をした女性がネロに親しげに声を掛け

ネロもまた笑顔でその女性へと振り向く

 

「紹介しよう、彼女が──」

 

「ハイクラス&ラグジュアリー名探偵の一河角乃ですっ!

ネロ、この人達は──」

 

「うむ、余や角乃と同じユニバース戦士である!」

 

ネロが角乃の紹介をしようとすれば、それよりも早く愛想の良い笑顔を浮かべて角乃が挨拶をする

藤丸達もそれぞれ

 

「藤丸立香、一応人類最後のマスターやってる」

 

「マシュ・キリエライトと申します!」

 

「言わずと知れた百夜陸王、僕と会えた事……自慢しても良いよ?」

 

ぶっきらぼうに藤丸が、丁寧にマシュが、手慣れた様子で陸王がそれぞれ挨拶をする

角乃はそれぞれの手を見れば

 

「皆んな宜しくね〜」

 

とマシュと握手をしつつ改めて笑ってみせる

角乃の指には黒い指輪が付けられており、それが光を反射して輝いていた。

 

「……わ、すっごい良い子……」

 

何も話していないと言うのに何故か感動した様子で角乃が手を離せば

 

「取り敢えずネロの味方……って事で良いんだよね?」

 

「うむ、そうよな?」

 

まさかここにきて味方にならないとか言わないよな?という目線を藤丸達に向けるネロ

 

「まあ俺達の目的は聖杯だからな、味方で良いんじゃねえの?」

 

「はい、味方で問題ないかと」

 

ネロはうむうむ、と藤丸達の言葉に満足そうに頷けば

 

「……その、聖なる杯と言う言葉……妙に気にかかるような。

……いや、何でもない!余の杞憂であろう。

いつか、そんな悪夢を見た気がしただけだ」

 

ネロは少しの間考え込んでいたが笑みを浮かべればそのまま、また歩き出せば

 

「一先ずは我が館に案内しよう、其処でゆっくり話そうではないか!」

 

角乃がネロと横並びに歩き、藤丸達もその後に続くように歩き出した。

 

 

 

「──さて、余のローマは今危急の時にある」

 

館にて、ネロと角乃が同じソファへと座り

藤丸達は対面のソファへと腰掛ければネロが早速口を開く

 

「栄光の大帝国の版図は今や口惜しくもバラバラに引き裂かれているのだ。

かたや余が統治する正当なるローマ帝国

かたやなんの先触れもなく突如として姿を見せた余ならぬ複数の"皇帝"どもが統べる連合だ」

 

「連合ローマ帝国。そう名乗った皇帝達はローマ帝国の半分を奪ってみせたんだよね、

私が潜入してみたけど思ったより懐が硬くて……元より日本人が物珍しいからこればっかりはどうしようもなかったの……」

 

確かにローマ帝国だと日本人は物珍しく、何をするにも好奇の目に晒されてしまうのは間違いない。

ネロは潜入出来ただけでも凄いのだぞ?余の放った斥候はいずれも戻って来ておらぬからな!と笑えない事を笑って良い、角乃を励ませば

既に死んでいる筈の自らの叔父カリギュラもその皇帝の1人である事。

死を乗り越えたと言った宮廷魔術師がカリギュラの手によって殺されてしまった事を話し

ロマン達がおそらく皇帝の誰かが聖杯を持っていると言う推察を話せば

 

「……正直な所、連合帝国はあまりに強大だ。

各地で暴虐の戦いを引き起こし、民を苦しめている。

余の配下たる総督や将軍、更には軍の殆どを投入して……それでも連合の勢いは納まらぬ。

余……ドンモモタロウの力があるからこそ辛うじて首都の侵入こそ許していないが、それもそろそろ限界が近いであろう」

 

ドンブラザーズのセンタイリングを握り締めたネロは顔を顰め、悔しげに言葉を続ける

 

「口惜しいが……思い知らされた。

最早余1人では事態を打破する事は出来ない。

故に、だ。貴公たちに命じる。いや、頼もう!

余の客将となるがいい!ならば聖杯とやらを入手するその目的、余とローマは後押ししよう!」

 

「私からもお願いします、元より連合を打破しなければならないと言う目的は一致してる筈……どうか協力してくれませんか?」

 

ネロがそう伝えれば、角乃もぺこりと頭を下げる

藤丸達が互いに頷き合えば

 

《そら願ってもない申し出やな、有り難いで!》

 

通信越しに巡がそう話し……そーいや、と藤丸が口を開く

 

「給料とかって出るのか?」

 

その質問にネロは当然のように頷けば

 

「無論だ、連合討伐の暁にはなんであろう望むものを与えよう!

貴公たちのうち1名に総督の位を与えるぞ、先程の働きへの報奨もな!」

 

と断言してみせる

角乃はいつものネロだなあ、と言う目でネロを見れば

 

「まあ取り敢えず今夜はゆっくりと休むと良いよ、たぶんネロが良いお部屋を用意してくれてるしね」

 

「うむ!それぞれに総督に相応しい私室を用意させてるとも!」

 

と藤丸達に話し、ネロもまた頷いてみせる

 

「……とまあ、その前に先ずは宴か!

戦時故に普段通りの規模とはいかぬが、贅を尽くした宴を供そうではないか。

藤丸、陸王、マシュ、酒はいける口か?

東方より取り寄せたとっておきのものがあるぞ!」

 

何処から持って来たのか、いつの間にやら持っていた扇子を広げればネロはそう尋ねる

藤丸達は顔を見合わせれば

 

「俺未成年」

 

「わたしもです……」

 

時代と場所が違うとは言え、流石に法律を犯す気は無く

藤丸達はそう言って断り

 

「まあ僕は少しだけで」

 

「私もあんまり沢山はねぇ〜」

 

成人の陸王と角乃がそう答える

むう、と頬を膨らませたネロが何か言おうと口を開きかけたが──

 

「恐れながら皇帝陛下に申し上げます!

首都外壁の東門前にて、連合の中規模部隊が襲来!

先程の遠征軍の残党かと思われます!我が方の東門守備部隊では押さえきれず……!」

 

兵士が慌てた様子で入ってくれば

むう、とネロは頬を膨らませ

 

「折角、稀に見る愉快な宴になりそうだったものを……

では早速で悪いが行くぞ、角乃は待っててくれ」

 

「うん、いってらっしゃい!」

 

銀のテガソードを手に持ち、ネロが案内役の兵士の後に続いて歩き出す

角乃は行かないのか、と藤丸は首を傾げたが

一先ずネロの後を追うようにして駆け出し

マシュと陸王、そしてネロと共に東門の防衛へと向かうのであった

それを見送った後……角乃は静かにつぶやいた

 

「ごめんね、ネロ……私が変身できたのなら……きっと、力になれたのに……」




角乃、変身はまだ出来ません
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