Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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アイドルは圧政者では無い、たぶん。


女王と反逆者

「皇帝ネロ・クラウディウスである!

これより謹聴を許す!

ガリア遠征軍に参加した兵士の皆、余と余の民、そして余のローマの為の尽力ご苦労!

是よりは余も遠征軍の力となろう。一騎当千の将もここに在る!

この戦い、負ける道理はない!!

──余と、愛すべきそなた達のローマに勝利を!!」

 

ネロが神輿の上で扇子を掲げれば、兵士達は大地を揺るがす程の大歓声を上げる。

辺りには紙吹雪が舞い上がり、ネロも満面の笑みを見せていた。

 

「僕のライブとは別種の歓声だ、街に居た時から感じていたけどあの皇帝様の人気は凄まじいね。」

 

そんな様子に感嘆したように陸王が呟きつつ兵士たちの熱狂を見てたらば

通信越しにロマンがネロには聞こえないように呟く

 

《そうだねえ……しかし、不思議なものだ。

こうまで人心を集めた皇帝が晩年には──》

 

其処まで呟けば、これ以上はいけないか。と言葉を飲み込み

代わりに

 

《……いや、止めよう。いけないな。

過去を生きる人間に未来を知らせない、それが方針だ。

それよりもマシュ、其処に──》

 

緩く首を振れば、ある反応が出た事をマシュに伝えようとする

しかしそれよりも早く──その女性と筋肉が目に入った

 

「おや、思ってたよりお早いお越しだったね。

ネロ・クラウディウス皇帝陛下。

角乃も元気にしてた?

……其方の3人が噂の客将かな?」

 

西洋式の剣と盾を持った赤髪の女性が優しく微笑みつつ、角乃に対して緩く手を振ればそのまま筋肉と共に側に歩み寄り

 

「遠路はるばるこんにちは、あたしはブーディカ。ガリア遠征軍の将軍を努めてる。

で、此方のでっかいのが……」

 

と自己紹介をしつつ剣で筋肉……青白い全身に数え切れないほどの傷跡を持つ、筋骨隆々とした戦士。

例えるなら……筋肉(マッスル)だった。

 

「戦場に招かれた闘士がまたひとり。

喜ぶが良い、此処は無数の圧政者に満ちた戦いの園だ。

あまねく強者、圧政者が集う巨大な悪逆が迫っている!

叛逆の時だ!さあ共に闘おう、比類無き圧政に抗う者よ!!」

 

……3人の頭は「?」に支配された事は言うまでも無い。

誰もが出会った事のないタイプの人間にフリーズをしていたが

その雰囲気を察知したマシュが何とか再稼働を果たす

 

「……こ、言葉に惑わされかけましたがこの方達は──」

 

と自身の感じた気配の正体を藤丸達に告げる前に、ブーディカが物珍しいそうな笑みを見せつつ

 

「え、え?

うわあ、珍しいこともあるんだねぇ……スパルタクスが誰かを見て喜ぶなんて、滅多にない。

──あ、違うね訂正。他人を見て喜んでるのに、襲い掛からないなんて滅多に無いわ」

 

藤丸と陸王がギョッとした様子でニコニコと凄まじい圧力を感じる笑みを浮かべているスパルタクスに対して後退りをするが

その隙に小声でマシュとロマンが会話を交わす。

 

「ドクター、この巨大で筋肉で筋肉(マッスル)な男性は──」

 

《2回同じこと言ってない?

うん、その筋肉(マッチョ)はサーヴァントだよ。

てかサーヴァントじゃないとヤバいよ、サーヴァントであってほしいよ。》

 

ロマンが軽く懇願の域に達しつつその反応を告げれば

マシュは一つ頷き──首を傾げる

言葉の意味が分からないのだ、恐らくバーサーカーなのだろうが……それにしては会話が出来てるような、しかしてやっぱり意味は分からなかった。

そんな様子を気にするそぶりも見せず、スパルタクスは高らかに声を挙げる

 

「叛逆の勇士よ、その名を我が前に示す時だ!

共に自由の青空の下で悪逆の帝国に反旗を翻し、叫ぼう!」

 

角乃が相変わらずだなあ……とブーディカと共にスパルタクスを見れば

藤丸が頷き

 

「藤丸立香」

 

と自身の名前を告げる。

あ、それそう言う意味なの?と陸王が驚きつつも気を取り直し

 

「百夜陸王、宜しくね?」

 

「マシュ・キリエライトと申します」

 

と挨拶をすれば、マシュもその後に続いて頭を下げる。

ロマンはやはりこの時代にもはぐれサーヴァントは居る、即ち他の特異点でも味方となるサーヴァントは居るであろう事を確信し、深く頷いた。

 

「3人……姿が見えない人を含めれば4人かな、お気に入りの客将なんだってね皇帝陛下?」

 

3人の自己紹介を見れば微笑ましいものを見るような顔をしつつ、チラリとネロの方を見る。

しかしネロは何処か元気なさげな様子で

 

「……ん、な、何か言ったか?

すまないな……少し疲れたようだ。ブーディカ、客将たちを頼む。

余は頭痛が酷い……」

 

「だ、大丈夫!?

ごめんねブーディカさん、皆んなの事を宜しく!」

 

顔を顰めこめかみを押さえるネロを見れば

角乃は慌ててネロの側へと駆け寄り、ブーディカに頭を下げれば

そのままネロを連れて休憩所の方へと向かって行く。

 

「はいはい、任せといて」

 

ひらひらと手を振ってネロ達を見送れば

さて、とブーディカは改めて藤丸達と向き合う。

 

「取り敢えずは君達の経緯からかな、角乃とはまた違う感じでしょ?」

 

よいしょ、と近くに用意されていた椅子へと腰掛ければ

ブーディカは優しく微笑んで

スパルタクスもまた凄まじい笑みを浮かべるのであった。




追加戦士の指輪はどう言う感じなのかによってユニバース戦士の増加が決まる
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