Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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スミにおけないお節介

砦の一角にて、魔術陣が砕け散る。

魔術陣が有った場所で横たわっているのはブーディカ。

ロードエルメロイ二世の退去により、拘束し続けていた魔術もまた崩壊した。

元よりそのような仕組みにしておいたのだが……その配慮は誰にも知られる事は無いだろう。

ブーディカが目覚める前に、場内に転がっていた樽……その円から、一人の女性が飛び出す。

名をブーケ、ブライダンテクニカル隊長。

 

「さて、完全に覚醒する前にお願いします」

 

ブーディカがぼんやりと目を開けるが、魔術から解放されたばかりでぼんやりとしており、深い思考もままならない状態。

そんな中で、未だ不完全なノーワン怪人は迫る。

 

「お節介だな?」

 

「……まあ、そんな風に良く言われるけど──ッ!!」

 

その質問に素直にブーディカは頷き

流石は英霊と言った所か、瞬時に覚醒して戦車を呼び出さんとするが

一手、遅かった。

 

生成(ジェネレイティブ)!!」

 

【お節介】【世話焼き】【ハートフル】【英霊】【ナンバーワン】

 

「よぉし、お前の願いを叶えてやろう!

俺がたっぷりとお節介をしてやるから、お前はもう少し寝てると良い!!」

 

相手の意思を完全に無視して、お節介と言う体でノーワン怪人は具現化を果たす。

 

「では、己がナンバーワンを示しなさい。

──おせっかいノーワン」

 

足音を聞けばブーケは即座に樽の円へと入り、そのまま消え去る。

それと同時に、異音を聞いた陸王を筆頭としたネロ達がおせっかいノーワンの前へと姿を現すのだった。

姿を現したネロ達を見ればおせっかいノーワンは陸王とマシュを指差し

 

「お節介こそ人情の極致!お節介は世界を救う!

先ずはお前等二人!!俺とおせっかい勝負だ!」

 

おせっかいBATTLE:ready……GO!

 

おせっかいノーワンがそう言い放つと同時、試合のコングが鳴り響く。

指名された陸王とマシュが一歩前へと出れば

 

「おや、ご指名と来たか」

 

「おせっかい勝負……?」

 

マシュが不思議な勝負に若干困惑していたが、陸王がマシュに何事かを告げれば常備しているペンを一つ渡す。

 

「行くよ、マシュ!」

 

「は、はい!!」

 

陸王とマシュは同時に走り出せば、ノーワンの白い腕にそれぞれペンを走らせる。

数分も経たずに二人はその場を離れれば──

 

「これは……何ですカイ?」

 

おせっかいノーワンの腕には陸王のサインと、何やら不思議な……奇抜?芸術的?と言えるような植物が描かれていた。

陸王はパチンとウインクをすれば

 

「僕のサインだよ、今回は限定特別版だ☆」

 

「ば、薔薇を描かせて貰いました!」

 

陸王にお節介内容を伝えられたマシュも照れつつペンを陸王へと返却する。

おせっかいノーワンは暫く考え込むそぶりを見せれば

 

「……いい出来だ。気に入った!!

故にNOTおせっかい!いいカ~イ?

相手が嬉しがる事をそのまま叶えては、それ即ちただの親切なのだ!!」

 

と言い放ち、しれっと自らの腕に描かれたサインを何処からか取り出したタオルで拭い取ってしまう。

マシュが少しばかり落ち込んだが、それを気にせずにおせっかいノーワンは言葉を続ける。

 

「とっても素敵なサインだが……"必要以上にサイン本を贈られる"

こういうのがおせっかい、 相手の望みの斜め上を行きありがた迷惑を掛けるのだ!!」

 

とおせっかいノーワンが天へと空を掲げれば、超巨大なダンボールと其処に敷き詰められた山盛りのサイン本がマシュと陸王を襲う。

マシュは咄嗟に盾を構えようとするも、ぬるりと盾は滑り落ちる。

 

「とても素敵な盾だからな、山盛りのワックスで磨いておいた!」

 

おせっかいノーワンの所為でワックス塗れになった盾は地面へと落ちてしまい、そのまま拾う事も出来ずに陸王とマシュはダンボールの下敷きとなってしまう。

 

「くっ……!」

 

デミ・サーヴァントの身だからこそギリギリ耐えたが、あまりの重量に身動きが取れない。

マシュでさえ動けないのなら陸王はもっての他、早速二人の動きが封じられてしまった。

 

「次は余の番である!!」

 

ええい、と次に飛び出したのはネロ・クラウディウス。

ネロは大きく息を吸い込む。

それで何をやるのか察した角乃は大急ぎで陸王の側に寄れば、咄嗟に自分の指で陸王の耳に栓をする。

直後放たれたのは──

 

「余の歌を聞けー!!」

 

凄まじいまでの爆音、音痴とか言う次元を超えた歌

仮に陸王が直で聞いていた場合、気絶は確定していたであろう程の歌声。

マシュと角乃が顔を顰め、藤丸とおせっかいノーワンが自らの耳を塞ぎ

ついでにカルデア管制室まで被害が及んだが

 

「そもそも騒音は単なる迷・惑・行・為!!

皇帝ちゃまにはお口に栓を!!」

 

おせっかいノーワンは触腕をネロの顔面に巻き付け、強引に黙らせる形でネロをノックアウトしてしまう。

あっという間に残りは藤丸と角乃のみ。

 

「──退がってろ!」

 

藤丸が角乃を庇うように前に立ち、テガソードを構えるが

 

「そんな物は所詮、小手先のお節介!!」

 

庇う行為をおせっかいと見たおせっかいノーワンがおせっかいチェーンで藤丸を拘束してしまう。

 

《こ、此奴無茶苦茶すぎる!!》

 

そもそも相手側が勝敗を決めるなら勝負にすらなってない、ロマンが思わずそう叫ぶがおせっかいノーワンは一切気にせずに

 

「さて、残るは一河角乃……君に真のお節介を焼いてやろう!」

 

そう言えば、おせっかいノーワンは懐から白い小さなカチューシャを取り出す。

 

「それは……緒乙の……!!」

 

そのカチューシャを見た角乃は、表情を変える

それは今までの角乃のイメージとは程遠い

例えるなら……ジャンヌ・オルタやマリー・オルタのような、"復讐者(アヴェンジャー)"の顔をしていた

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