「お前の事は調べたよ。
数年前に妹の一河緒乙を誘拐した犯人を探したいのだろう?元警察官の一河角乃さん?」
「あんた、それを何処で……!」
角乃はネロにさえ明かしていなかった過去を喋られ、思わず睨みつけてしまう。
大体此処は古代ローマ、現代人の角乃の過去を調べるのは不可能。
肝心の現代はそもそも焼却されてしまっているのだから──
しかしおせっかいノーワンはカチューシャを軽く振れば
「そんな事はどうでも良いだろう?
おせっかいナンバーワンの俺にかかれば、事件の証拠品など造作もなく手に入る。こいつには犯人の指紋がいくつも付いているぞ?
カルデアの設備を使えば犯人なんて一瞬で見つけられるだろうな〜?」
「渡しなさい!」
テガソードを構え、切先を向けてくる角乃に対しておせっかいノーワンは冷静に笑えば
「ただ渡すのは親切でおせっかいではないからな……そうだな、其処の女を殺せ!」
ネロに絡まっていた触腕が広がり、そのままネロの四肢を拘束してしまう。
角乃はあんた……!と抗議をしようとしたが
「これも君の為だ!そもそもネロはとっくの昔に死んでいる……君が殺した所で、特異点を解決すれば元通りになるんだぞ?
それに比べてカチューシャは俺が燃やせば……戻らない」
樽の円から無数のベルの頭をしたアーイーが現れ、予め用意していた炎を地面へと置く。
カチューシャが、僅かに焦げる。
角乃にとって犯人に近づけるかもしれない何よりも手に入れたい証拠。
「私、は……緒乙と会う為なら、なんだって出来る!」
ゆっくりと角乃はネロへと近付けば、テガソードを振り上げる。
しかしてネロは穏やかに微笑めば
「余は知っておる、角乃の優しさを」
藤丸達が来る前よりも先に、角乃と共に過ごしたネロ。
過酷とも言える潜入をこなし、兵士達にも好かれ
ブーディカ達にも何やら頼まれごとをするまで好かれていた。
故に分かる、彼女の"お節介"を。
「……角乃、余を殺したければ殺せ。
だが、角乃はそのような事を望まぬ!そうであろう?」
そう朗らかに笑って見せるネロを見て
角乃は、思い出した。
犯人の復讐よりも叶えたい本当の願い。
警察官になったのは……犯人の復讐じゃなくて
人々の、笑顔を見たかったんだって
「──ネロ、有難う」
角乃はそう微笑めば、テガソードを振り下ろす。
テガソードは──おせっかいノーワンの触腕を切り裂いた
「貴様……俺のお節介を不意にしたな!?」
おせっかいノーワンが激怒し、炎の中にカチューシャを叩き込む。
カチューシャは瞬時に燃え上がるが、角乃はそれを気にする素振りさえ見せず
「ノーワン!アンタのお節介なんかいらない!
私は──自分の手で緒乙を助ける!!」
ネロが刃を振るい、藤丸をチェーンから解放すれば
そのままテガソードを振るい、ダンボールを切り裂いて陸王とマシュも救出してみせる。
角乃は金色のテガソードに、黒き指輪を嵌める。
「エンゲージ!」
【クラップユアハンズ!】
手を軽やかに叩く。
軽快な音楽が辺りへと響く。
顔の横でクラップを2回、足のステップを2回。
リズム良く鳴り響く。
顔の横でクラップを1回、ネロが合わせるように手を鳴らす。
前方へと大きな円を描き、腰の横でクラップを2回鳴らす。
ラグジュアリーで軽快なステップを踏み続ける。
頭上に円を描くようにターン。
最後に、頭上にクラップを1回、高らかに鳴らす。
【ゴジュウユニコーン!!】
黒を基調とし、脚に白を纏いしユニコーンが姿を現す!
【いざ掴め!ナンバーワーン!】
おせっかいノーワンの背後を埋め尽くすのは多数のアーイー達
旗を振り、鐘を鳴らし、賑やかにおせっかいノーワンを応援する。
「どかんかい!ありがた迷惑押しつける!
これぞ生きがい、艷めく巻き貝!
おせっかいノーワン!!
嫌よ嫌よも好きのうち!」
一河角乃の背後に並ぶは藤丸、陸王、マシュ
それにネロに荊軻にスパルタクス、呂布やブーディカが賑やかに角乃へと声援を送っていた。
「のらりくらりと名探偵。
心に一つ、折れない角を!
ハイクラス&ラグジュアリー!ゴジュウユニコーン!
お節介は──誰かのために!!」
【ナンバーワンバトル!】
【レディー……】
【GO!】
ゴジュウユニコーンがテガソードを構えれば、此処におせっかいバトルナンバーワンバトルの幕は開けた