Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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破壊

「これで終わった……のか?」

 

変身を解除しつつ、藤丸が煙の中を見据える。

爆発により生じた煙は未だに晴れていない。

しかしてあの連撃、そして爆発を受けてレフが生きているとは到底思えない。

不安要素……オーレンジャーのセンタイリングが未だに見当たらない事こそあるが、床に落ちている筈である。

しかして陸王はその音を聞けば思わず苦笑しつつ

 

「……彼、丈夫すぎない?」

 

と呟けば、それと同時に煙の中から傷だらけだが以前生きているレフ・ライノールが姿を現す。

 

《嘘だろ!?英霊でさえ倒せる一撃だったんだぞ……!》

 

ロマンが驚愕の声を上げれば、藤丸達は再び武器を構える。

しかしてレフは腕を押さえつつも不敵に笑う。

 

「……これは、計算違いだ。

神殿から離れて久しく、既に壊死が始まっていた結果遅れをとったに過ぎない」

 

帽子を被り直せば、レフは杖を床に叩き付ける。

床から光は溢れ、藤丸達へと津波のように光は襲い掛かるが全員が跳躍をし

倒壊した柱を足場に着地をする。

 

「……私も未来焼却の一端を任された男だ、万が一の事態を想定しなかった訳でもない」

 

《聖杯の活性化を確認!何かが起きるぞ!!》

 

レフは手にオーレンジャーのセンタイリングを嵌めつつも、ゆっくりと杖を天に掲げる。

ロマンが警告を発し、レフがそれを嘲笑う。

 

「古代ローマそのものを生贄とし……私は、最強の大英雄の召喚に成功している。

喜ぶが良い、皇帝ネロ・クラウディウス。これこそ真のローマの終焉に相応しい存在だ」

 

ネロは自らの剣、原初の火の切先をレフへと突き付ければ

 

「ローマは世界だ、そして決して終焉などせぬ!」

 

と堂々たる威厳を持って言い切ってみせる。

全員がネロの元へと集い、大英雄とやらに備えて迎撃体制を取る。

 

「誇りも、方向を誤れば愚直の極みでしか無い。

──ならば、見るが良い!貴様たちの世界の終焉を!!」

 

コツ、コツと規則正しい足音が辺りへと響き渡る。

その後の発生源は褐色の肌に白い礼装を纏う銀髪の女性の足から。

 

「さあ、人類(せかい)の底を抜いてやろう!

七つの定礎、その一つを完全に破壊してやろう!

──我等が王の、尊き言葉のままに!!」

 

彼女が持つ長剣の剣状をしていながらどこか未来的な意匠を思わせる三色の光は、神々しさと根源的な恐怖の二つを併せ持つように光り輝いていた。

 

「来たれ!破壊の大英雄アルテラよ!!」

 

ガリア人の中でも一際恐れられたヘルウェティイ族ですら慄く、匈奴の末裔=フン族の君主。

大帝国を築いた大英雄。

──アルテラは静かにレフを見る。

 

「さあ、殺せ。

破壊せよ。焼却せよ。

──その力を以て、特異点諸共ローマを焼き尽くせ!」

 

狂気的な瞳を藤丸達を向けつつ、アルテラへと命令を飛ばしてレフは笑う。

藤丸達はアルテラの圧倒的な存在感に冷や汗を流しつつも、部下の矛先をアルテラへと向けていく。

 

「終わったぞロマニ・アーキマン!

人理継続など夢のまた夢!このサーヴァントこそ究極の蹂躙者!」

 

レフはロマニを嘲笑いつつも、内心は冷静に撤退の準備を進める。

藤丸達がアルテラに勝てる可能性は先ずない。

そしてセンタイリング……今まで我等の手中に収まらなかったモノ。

これを我等が王へと献上する。

あくまでも人理焼却を目的に。

何処までも狂気的に、何処までも冷徹にレフはその場から離れようとして──

 

「さあ行け!アルテ」

 

「黙れ」

 

次の瞬間、レフは真っ二つに両断された。

レフは何かを知覚する前に地へと崩れ落ち、そのまま起き上がる事は無かった。

絶句。

誰もが言葉を失う。ゴジュウジャー3人とマシュ、ネロの一撃を喰らって尚生きていたレフが呆気なく死んだのだ。

 

《なんだ!?レフの反応が消えたぞ……何が!?》

 

ロマンが突如消失した反応に動揺を露わにする。

先程から通信も安定しなくなっている、一体何が起こっていると言うのか

 

「……彼は召喚されたサーヴァント、アルテラに両断されました!

恐らくセイバーです!」

 

マシュが盾を構えつつ、現状を冷静に報告する。

アルテラは藤丸達を気にする様子も無く、レフの中から現れた聖杯へと手を伸ばし──そのまま胸中へと収めていく。

 

「私は──」

 

「フンヌの戦士である」

 

「そして、大王である」

 

レフの血で浸された床から半身を無動作に拾い上げ、腕を切り落とす。

手からオーレンジャーのセンタイリングを取れば、用済みだと言わんばかりに腕を投げ捨てる。

 

「なっ──」

 

「……これ、不味いかも……!」

 

アルテラが手を掲げれば、聖杯の光とセンタイリングの光が混ざり合い──

銀色のデカソードが、アルテラの手に形成される。

 

「この西方世界を滅ぼす、破壊の大王」

 

願いはただ一つ、"破壊"のみ。

センタイリングが浮かび上がり、一人でにテガソードへと収まる。

 

【クラップユアハンズ!】

 

「破壊の──」

 

アルテラが手を叩かずとも、世界が破壊の前に恐れ慄く。

世界が揺れる、破壊の前に。

"王"のマークが、アルテラの背後に浮かび上がる。

 

《対城宝具クラスの解放が来るぞ!!》

 

「マシュ!宝具だ!!」

 

「はいっ……!」

 

三色の光で構成された刀身は地上に於けるあらゆる存在を破壊し得る。

淡い光が盾を包み、文明を守らんと展開されて行く。

しかしてそれさえ打ち砕かんと、極光は3つの光となりて輝く。

 

「おまえたちは言う」

 

剣の鍔が開き、刀身が回転する。

 

「私は、神の懲罰なのだと」

 

五つのシンボルマークがアルテラを中心として回り、次々に身体へ収まっていけば……星が、顔へと収まった。

 

【オーレンジャー!】

 

"王"のシンボルマークがアルテラへと収まり、光に黄金の竜巻を加えて行く。

 

「──神の、鞭なのだと」

 

破壊が、放たれた。

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