「破壊する」
平坦で無機質な声色。
しかして振るわれる一撃は正しく絶技。
いいや、そんな言葉でさえちっぽけな程に、文明の破壊者の一撃は絶大であった。
眼前の光景全てが薙ぎ払われる。
ネロ達は咄嗟に横へと跳躍する事で回避を果たし──
「舐めんなッ!!」
【ウルフデカリバー50!】
空間を切り裂き、アルテラの背後からゴジュウウルフが姿を現す。
完全に死角からの奇襲にも関わらず、アルテラは振り向く事さえせずに背後に剣を振るい、ゴジュウウルフの不意打ちを防ぐ。
【ユニコーンドリル50!】
「今しか無い!」
「突撃!!」
ブーディカが戦車を走らせ、アルテラへと突貫。
ゴジュウユニコーンが戦車へと乗り込みドリルを構えるが、それよりも先に
「閃光ミラクル気功弾」
アルテラがゴジュウウルフを見もせずに切り結びつつも片手に超力を集め、エネルギー弾を気功波のように撃ち出す。
「──行って!」
凄まじい速度で迫る光、回避は無理だと判断したブーディカが盾を構える。
ゴジュウユニコーンは一つ頷けば跳躍、ブーディカの盾を足場としてアルテラへと迫り行く。
「──超古代文明の力、我が手に在り」
アルテラの剣がキングスティックへと変化すると同時、忽然とアルテラが姿を消す。
「わっ!?」
「うぉっ──!?」
アルテラと斬撃を打ち合っていたゴジュウウルフと、今まさにアルテラへとドリルを放ったゴジュウユニコーン。
互いの攻撃が互いに直撃してしまい、ゴジュウユニコーンの勢いのまま二人は激突してしまう。
「角乃ちゃん!藤丸くん!」
【レオンバスター50!】
「チッ──」
ゴジュウレオンが二人の名を呼びつつも、荊軻の突撃に合わせて銃撃を見舞う。
アルテラはピラミッド型のバリアを展開して銃撃を放ち、再び軍神の剣を構え──
「此処より己の死は恐れず、生も求めず……」
荊軻が懐から取り出した巻物が、宙へと舞い上がる。
自らの獲物、匕首を構えて荊軻は更に加速する。
アルテラはその様子を見て尚動じずに剣をキングスティックへと変形させれば、ただ荊軻へと振り下ろす。
「超力スラッシュ」
荊軻に斬撃が振り下ろされる。
元より大英雄の一撃、暗殺者には耐えられる筈も無く、口から血は溢れる。
──しかし、アルテラの胸元には
「
確かに匕首が突き刺さっていた。
「砕け散れ」
しかして大英雄。
しかして文明の破壊者。
宝具を喰らって尚死なず、動き続ける。
荊軻の手を掴めば、零距離にて軍神の剣を振り被り、即座に振り下ろす。
「さらば、我が人生!」
荊軻は笑いつつその斬撃を受け入れらば、そのまま光の粒子へと消え去った。
「──貴様の死は無駄にはせん!」
ドンモモタロウが即座に切り掛かり、ゴジュウウルフと背後に回っていたマシュが同時に攻撃を仕掛ける。
攻撃は見事に直撃、しかしてアルテラから凄まじい魔力が吹き荒れ、全員を纏めて吹き飛ばす。
「畳み掛けるぞ!」
宝具を喰らった以上ダメージは確実にある。
吹き飛ばされ、壁に打ち付けられたドンモモタロウは即座に立ち上がれば再びアルテラへと突貫して行く。
真昼だと言うのに、月が煌々と輝きつつあった。
月が綺麗ですね