Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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『──アルテラ。』

『二度とあなたを、誰にも破壊させはしない──』


Fate/No.EXTELLA

魔力反応が昂り続けている。

自爆、新たなサーヴァント、或いはナニカ。

何にせよロクな事にならないと判断した藤丸達は即座にアルテラが吹き飛んだ場所へと向かおうとして

それを、見上げる事になってしまった。

 

 

 

──巨大な、何かだった。

 

地上にも特異点にも有り得ない魔力。

英霊でもスーパー戦隊でもない存在。

神話や伝説にも語られない怪物。

 

全貌を把握すれば狂気に陥りかねない、(おお)いなるモノだった。

 

人影、と────

 

形容できる特徴を備えている事に気付いたのは、いつだろう。

巨躯が空間に出現した瞬間か。

都市に破壊をもたらし始めた瞬間か。

赤い双峰をこちらへと向けた瞬間か。

 

それとも。

巨躯がその姿を顕した後、巨大なその頭頂部周辺に、

──不気味に輝く巨大な『()』を見てしまった瞬間か。

 

……おまえと同じ色。おなじ、鎧。

 

まるで時が止まっていたかのように全員が静止していた。

管制室と繋がっている筈の通信でさえ、一切の音が聞こえなくなっていた。

余りにも(おお)きかった。

余りにも強大だった。

勝負さえ成立しないと、思えてしまう程に。

白く巨大な手が此方へと振り上げられ──

 

「……来やがれッ!テガソード!!」

 

【アウェイキング!】

 

静寂を切り裂くように、ゴジュウウルフが叫んだ。

天を切り裂き現れるは黄金の手。

藤丸立香は赤き指輪へと包まれ、空へと舞い上がる。

 

【掴め!切り裂け!レッド!!】

 

オオカミの意匠を持つ赤い頭部で、右腕には武器形態のテガソードに似た短剣を携え、神は姿を現す。

 

【テガソードレッド!!】

 

「アオーン!!」

 

テガソードの刃と白き巨人の手が交差し──

 

《全員!速やかに退避!!》

 

ロマンの一声で、漸くその場に居た全員が即座に行動を始める。

数秒の拮抗の後、テガソードは白き巨人の攻撃によって吹き飛ばされ、地へと倒れ伏す。

 

【……セファール……何故此処に…………!】

 

「知ってるのか!?」

 

マシュ達がこの場から撤退するのを見つつ、藤丸はテガソードを操作して起き上がる。

テガソードから響く声に思わず藤丸が尋ねるが

 

【奴はセファール……全ての文明を蹂躙しようとした破壊者だ。

当時の地球を統べる存在であった神々の全てを打ち破り、殆ど全ての神を破壊した……】

 

神々の破壊者。

そんな絶望的とも言える状況に藤丸や通信越しに聞いていたロマンは息を呑む。

 

《なっ……大獣神やゼンカイジャーの"神"さえも破壊した言うんか!?幾ら何でもおかしいやろ!》

 

戦隊考古学者の巡が机を叩きつつもそう反論して見せる。

都合良くスーパー戦隊に関連する神々が生き残ったとは考え辛い。

まさかセファールが"厄災"とでも言うのか?

もしそうなら……と巡は最悪の想像を浮かべてしまうが。

 

【本来交わらぬ二つの時空が統合された結果……マルチバースが発生し、それらが歪に繋がり今の世界を生み出した。

これは特異点や⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎とも異なる現象──】

 

「何言ってんだか聞こえねえッ……来るぞ!!」

 

セファールが吠え、此方へと迫り行く。

どうやら神を第一の破壊対象と見定めたらしい。

テガソードが迎撃を試みるが、剣は難なく受け止められ、弾かれる。

セファールの一撃がテガソードを軽く吹き飛ばす。

──勝てない。

藤丸は歯を食いしばりつつもそう確信をしてしまう。

 

「……私が行く!」

 

離れた場所から見ていた角乃がテガソードレッドが押されてるのを見れば自らのテガソードを開き、黒き指輪へと包まれる。

赤き指輪が弾き飛ばされ、藤丸が角乃と入れ替わるように地上へと吹き飛ばされれば、マシュが咄嗟に受け止める。

 

【貫け!突進!ブラック!!】

 

ホーンドリルとユニコーンシールドを構え、さながら騎士のようにセファールの前へと立ち塞がるのは黒きテガソード。

 

【テガソードブラック!!】

 

胸の宝玉が紫に輝き、盾でセファールの殴打を受け止めればドリルを放つ。

ドリルはセファールの身体を抉らんと回転するが、身体に傷は付く事はない。

ネロ達は遠くから神と破壊の戦闘を見る事しか出来なかった。

 

「……角乃……!」

 

肝心な時に見る事しか出来ない己が恨めしい。

何もする事が出来ない、彼女の力になれない自分が憎い。

もしも……彼女を失ってしまうと、愛した全てを破壊されてしまうと考えると、恐ろしい。

だがそれ以上に……余は、角乃の力になりたいと思った。

拳を握り締める。

爪が肌に食い込み、薔薇のように真っ赤な血が垂れ、指輪……ドンブラザーズのセンタイリングに血は流れる。

──その指輪は、想いに呼応するように輝き始めた。




予約投稿ミスって変な時間に投稿されてしまいました、すみません。
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