Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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毎日更新したいと言ったな?あれは嘘だ


光の御子

 

「クー・フーリン……?」

 

聞いた事がない、つーかそもそも歴史に詳しく無いので仕方ないかもしれない。

もっとこう、ナポレオンやら宮本武蔵とかならピンとくるのだが……

相手の名前に首を傾げれば

クー・フーリンは笑って

 

「ま、知名度は関係ねえ。

何、あんたらを助けたのは慈悲じゃねぇ。オレなりの目的があっての事だ。

まあ簡潔に言うと──

オレと組まねえか?」

 

協力者!これは願ってもいない事だ。単純に戦力は1人でも居た方が良いし

純粋な英霊は現在のチームには居ないので色々と知見も貰えるかもしれない

俺は頷こうとして──

 

「……クー・フーリン。

太陽神ルーの子である半神半人であり、

クランの猛犬──或いはアイルランドの光の御子。

赤枝騎士団の一員にしてアルスターの最強の戦士で、ルーン魔術を扱える。

魔槍は持ってないみたいだけど……その杖を見るにキャスタークラスなの?

と言うか貴方より強力な英霊なんてそう居ないでしょ。

仮に居たとして私達が協力した所で打ち倒せる相手なの?」

 

依然テガソードを握り締めたまま、クー・フーリンを睨み付けるように所長は矢継ぎ早に尋ねる

クー・フーリンはその様子を面白そうに見れば

 

「質問が多いな。ま、ちゃんと答えてやるから安心しろや」

 

と答える

そこで俺は、ふとやっていなかった事に気付く

 

「クー・フーリン。

助けてくれてありがとな、助かった。

俺は藤丸立香、ゴジュウウルフだ。

改めて宜しく頼む」

 

「……ッハハ、良い挨拶だな坊主。

オレにしちゃ運がいい──改めて宜しく頼むぜ、マスター?」

 

テガソードを持ってない方の手で握手を求めれば、クー・フーリンもそれに応じる

助けて貰ったら先ずはお礼、昔死ぬ程叩き込まれた事だ。

着いて来い、とクー・フーリンが歩き出すので

俺達3人はそれに続いて歩く

その道中で、事の経緯を話して貰った

 

「オレ達の聖杯戦争はいつの間にか狂っていてな。

ある夜を境に町は炎に呑まれ、人間は消えた。

──で、オレ以外のサーヴァントは全てセイバーに倒された」

 

「……あの、先輩を襲ったのは紛れもなくサーヴァントだと思うのですが……」

 

「其処が妙な話でな。

セイバーに倒された連中は揃いも揃ってセイバーの手先になっちまった。

つまり、セイバーを倒さなきゃ聖杯戦争は終わらねえ。

そしてそのセイバーは山……鍾乳洞の奥に籠城をしてやがる。

恐らく、セイバーがしている事は……聖杯の守護だろうな。

で、その聖杯がお前さん等の目的だろ?」

 

くるりと振り向き、俺達3人を見渡すクー・フーリン。

所長は深く溜め息を吐いた後

 

「成る程、納得したわ。

利害の一致って訳ね。下手な無償の善意よりは納得出来る。

私はオルガマリー・アニムスフィア。ゼンカイザーよ。

──さっきは、助けてくれて有難う」

 

「はは、気にする事はねぇよ。あんたら指輪の戦士の力も借りてえしな」

 

「セイバーの真名は分かってるの?」

 

そう尋ねられたクー・フーリンの顔が真剣なものへと変わる。

そして、かの剣士の真名を告げた

 

「……アルトリア・ペンドラゴン。

アーサー王伝説の主人公にして、聖剣エクスカリバーの担い手

騎士王にして()()()()

其奴が、オレ達の敵だ」

 

騎士王と、邪悪の王?

いや、クー・フーリンにも異名が二つあるらしいし

そんなに変な事でも無いのだろうが……何故か、邪悪の王と言う単語が引っかかった。

がまあ、尋ねるべき事でも無いので

脳内でその疑問を放置し、俺達は歩き続ける。

やがてやっったら長い石造りの階段を登り続け──所長は変身して尚疲れ果ててた──

ふと、マシュが何処か元気なさげに俯いてるのが目に入った。

いやまあ、こんな階段を登らされれば陰鬱な気持ちにもなるだろうが──

 

「大丈夫か?マシュ」

 

「──ッはい、大丈夫です。体力面での問題はありません。

ただ、その─相手がアーサー王と聞いて、勝てるか不安になってしまっています。

私はただでさえ、半人前の英霊なのに──」

 

「デミ・サーヴァントって奴か?

けど普通に闘えてたろ」

 

そーいやサーヴァントと融合したのがマシュ……だったな?

にしちゃ普通にサーヴァントとやり合えてたと思うが、何を不安に思っているのだろうか

 

「──いえ、先輩。

私には宝具が使えないのです」

 

「成る程なぁ、そりゃ半人前だわ」

 

いつの間にか座って俺達を見ていたクー・フーリンが納得したように頷く

あまりの物言いに思わずムッとした視線を向けてしまったが

それを悟られたのか、

 

「まー待ちな坊主。良いか?宝具ってのはサーヴァントの切り札だ。

例を出すと剣一本で街を吹き飛ばし、一本の矢で軍勢を壊滅させたり

必中必殺だったり……ま、基本強力なのばっかだ」

 

スケールが改めてデカすぎる。

剣一本で街を吹き飛ばすってなんだ?ビームでも放つのか??

出鱈目すぎる力に思わず口を開けて呆けてしまうが

 

「──そう、なのです。

わたしはそもそも成り立ちから普通のサーヴァントとは違って、英雄ではありません。

だから……そんな、宝具も使えないわたしがかのアーサー王と渡り合えるとは思えないのです」

 

……ふと、マシュの肩が震えているのを見た。

当然だ、そもそも戦闘なんてする予定じゃなかった、ただの少女。

そんな少女に、こんな力をいきなり持たされて、英雄達と戦えだなんて

怖くて当然、なのだろう。

クー・フーリンは軽く頭を掻けば

 

「──オレがあの時嬢ちゃんを助けたのは

此奴なら、マスターを守れるだろうと思ってだ。

ま、気にするなよ」

 

「お前さんが例え半人前だろうが、このクー・フーリンは1.5人前以上の英霊だ。

負けはしねえよ」

 

側から見ても自分の力に自信を感じる、正しく英雄の笑みを見て

ああ、この人は本当に─強い人なのだ、と改めて理解させられた。

 

「あ、有難う御座います!」

 

「気にすんな!さーいくぜ少年少女達!」

 

マシュがぺこりとお辞儀をすれば

クー・フーリンも起き上がってさっさと歩き始める

所長は漸く俺達に追いついたのに、また置いてかれてた。

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