黄金の光が溢れ、ドンオニタイジンもまた光へと還って行く。
「礼を言うぞ、ドンオニタイジン。
其方……いいや、其方等が力を貸してくれねばローマは滅びていたであろう」
自らの装甲を見つつネロがそう呟けば、光はより一層強く輝き
そのままドンオニタイジンは消滅した。
藤丸達もまたロボタロウから元の姿へと戻り、角乃もまたテガソードから降りてネロの元へと集まる。
ネロは角乃達を見れば微笑みつつも、足を他の場所……セファールを撃破した場へと運ぶ。
「あ〜……疲っかれた〜!
じゃあ、私はお先に失礼するよ……有難う、皆んな!」
ブーディカは大きく息を吐けば、一仕事こなしたかのように満足げに笑い。
軽く手を振りつつも藤丸達も先に光へと還っていった。
あっさりとした別れに藤丸達は笑いつつも、再び足を進める。
《聖杯の反応アリ、丁度ネロが向かっている所からだ》
ロマンがコーヒーを飲みつつそう伝えておく。
セファールも撃破し、聖杯の反応がある以上流石にもう敵襲も無い。
存在確定だけはしていかなくてはいけないが、最大限の警戒体制はもうしなくても大丈夫であろう。
ネロが剣を携えつつも歩き続ければ──アルテラが、地に倒れていた。
藤丸達が咄嗟に武器を構えようとするも、ネロがそれを押し留める。
アルテラの足元は既に光の粒子へと還っており、最早闘えない事は明白であった。
「……そう、か。
世界には……私の、神の鞭と呼ばれた……
オーレンジャーのセンタイリングがアルテラの手から舞い上がり、ネロの手元へと収まる。
アルテラはネロや藤丸達の顔を見れば穏やかに微笑み
「……少し、嬉しいな」
と呟けば、そのまま光の粒子となって消え去り
聖杯はマシュの聖杯へと収められた。
ネロは一輪の薔薇を懐から取り出せば
「……消えた、か。アルテラ。
縁があれば、いつか違うカタチで戦う事もあるだろう」
アルテラが居た場所へと静かに手向けた。
そしてネロは藤丸達を見れば、少し寂しげに笑う。
既に藤丸達も帰還が始まっているのか、足元から消え始めていたのだ。
「……余は勘が鋭いからな、そんな気はしていたとも」
叔父上や神祖、アルテラたちと同じようにおまえたちも消えて行くのだろうと。
剣を収めつつネロがそう言えば、マシュはこくりと頷き
「……はい、この時代は修正されます。
そしてきっと、連合との戦いの記憶も無かった事になるでしょう」
「……寂しいな、それは
正直に言って残念だ、無念だ。
まだ、余は何の報奨も与えておらぬのに」
特異点での記憶は修正と同時に消え去る。
分かっていたとしても、どうしようもないしとしても、
やはり哀しい、と思わざるを得なかった。
「…………おまえたちであれば、きっと臣下ではなく……いや、やめておこう」
「ローマとは世界に他ならぬ、それなら藤丸達の行く先にもきっとローマはあるであろう
だから、別れは言わぬ。礼だけ言うぞ」
ネロは寂しげな顔をしつつも軽く顔を張り、薔薇が咲き誇った様な笑みを浮かべる。
「──有難う。
そなたたちの働きに、全霊の感謝と薔薇を捧げる、とな!」
ネロは角乃の手を取れば、薬指にドンブラザーズの指輪をはめ
手の平にオーレンジャーとファイブマンのセンタイリングを握らせる。
「ネロ、これって……」
「良い!余の願いは既に叶った!!
故におまえたちに指輪を託そう、
角乃が思わずネロを見るが、ネロは何も言わせずに角乃を抱き締めつつ笑う。
既に光の粒子は下半身まで及び、後数秒でこの特異点から帰る事になるだろう。
角乃はネロを抱き締め返せば
「さらばだ、角乃。
其方の旅路が報われん事を願おう」
「有難う、ネロ。
──さようなら」
そして角乃達の意識は闇へと呑まれ──
「おかえり、3人とも!お疲れ様!!」
藤丸が目を開け、コフィンから起き上がる。
既にマシュと陸王は目覚めていたらしく、マシュはダ・ヴィンチちゃんから何やら盾の説明を
陸王は巡と何やら会話を交わしていた。
藤丸は辺りを見渡せば──その探偵の姿が目に入る。
「……あ、立香も起きたんだ、改めてこれから宜しくね!」
黒き指輪を指へと嵌めたハイクラスラグジュアリー名探偵、一河角乃はそう言って笑って見せた
これにてセプテム攻略完了!
感想評価くれるととても励みになります!