Fate/ No.1order!   作:飲み屋蹴り注ぐ

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浪漫

「さて、我々は二つ目の聖杯を回収し当初の目的であるレフの追跡も達成出来た」

 

ロマンの前に並ぶのは藤丸、マシュ、陸王、そして新たに仲間となった角乃。

ロマンは当初想定していなかった新たな仲間を手に入れた事に微笑みつつも、顔を引き締めれば

 

「──しかし、レフはアルテラの手によって殺されてしまった。

角乃ちゃんがもしレフに触れられていたら色々知れたのだろうが……この辺りはたらればだし、そもそも触れられるとも思えないから仕方ない。

そして結果として目的も思想も何も分からない、と言わざるを得ないね」

 

何故レフ教授は人類を裏切ったのか?

何故人類を滅ぼそうと考えたのか?

名探偵である角乃と言えども、動機を突き止めることは出来ずにいた。

 

「だけれどレフは"我ら御柱"と言った、つまりまだレフと同じ様な役割を持った敵は居るって事さ」

 

ダ・ヴィンチちゃんがロマンの横へと並びつつそう言葉を告げる。

現段階では他の敵の存在さえ分からないが、だからと言ってやる事は変わらない。

 

「──ともかく、今日はお疲れさん!皆んな今夜はゆっくり休みぃや!!」

 

最後に巡が締めくくるように話せば、藤丸達は一つ頷いて各々の割り当てられた部屋へと去っていく。

歩いて行く内に自然とマシュと藤丸は二人きりとなり、藤丸はどこか寂しげなマシュを見れば

 

「……ネロの事か?」

 

と尋ねてみる。

マシュはこくりと頷けば

 

「……はい。ネロさんとは突然の別れでしたから。

彼女をひとり、あの世界に残した事が申し訳なくて……」

 

例え最後には全て無かった事になろうとも、最後の瞬間彼女を一人きりにしてしまった。

マシュはその事が気掛かりになっているらしい。

 

「尊敬していた先達たちを倒し、死別した好敵手とも別れ──

あの広い帝国にただひとり、皇帝として残された。

……この先、誰とも頼る事の出来ない一人のままで……」

 

藤丸は黄金のように笑う彼女の姿を思い浮かべれば、マシュを見ずに

 

「……じゃあ、ネロも寂しいと思うか?」

 

マシュはハッとした顔をすれば、そのまま数秒考え込むような素振りを見せた後口を開く。

 

「──いいえ、いいえ、それは違います。

……きっと、違うと思うんです」

 

確かに今回の戦いは激しく、何度も死にかけたし何度であっても戦いは怖い。

 

「……でも、楽しい旅でした」

 

マシュはそう言って微笑んで見せる。

ネロとの旅路は、とても楽しかった。

いつも華やかだった彼女のおかげかもしれないが、それでもとても楽しかった。

 

「彼奴らしい、賑やかな帝国だったな」

 

ネロの帝国は、人々の笑顔に溢れていてとても賑やかな場所だった。

藤丸が笑いつつそう言えば

 

「……はい、あの空と大地を忘れません

…………ずっと」

 

マシュも同じように、笑って見せた




次回からオケアノスが始まります
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