倒す為ではなく話を聞いてもらう為の戦い。
だが、それはそれとして一回ぶちのめす。
そうしなくては話を聞いて貰えないだろう、と藤丸は既に理解していた。
「陸王は銃撃の対処!マシュはアーチャーを相手してくれ!
角乃!俺と一緒に行くぞ!!」
「了解!」「はい、行きます!」「はいはい!」
二つの特異点の攻略にて、藤丸はジャンヌとネロと言う軍略にまつわる二人と共に闘いの経験を積んできた。
元ははぐれ一匹狼だったとしても、側で指揮する姿を見れば多少なりとも指示する事は出来る。
管制室にて巡は藤丸の指揮にうんうんと頷きつつ
《専用射撃武器を持ったゴジュウレオンに撃ち合いを任せ、宝具があるであろうアーチャーに防御宝具があるであろうマシュを任せる……
そんでドリルを持ったゴジュウユニコーンと共に剣を持った自分が攻める……ええなあ!スーパー戦隊ってのはチームワークも大切やからなあ!!》
巡が心の底から嬉しそうな様子でゴジュウジャーの戦闘を見つつ、ダ・ヴィンチちゃんが隣の椅子へと腰掛けて微笑む。
《確かに指揮能力も上がったが……今回の"藤丸立香"はそれだけじゃないぜ?》
いつまで経っても神様から貰った装備頼りだと技術顧問として不甲斐ないんでね、とダ・ヴィンチちゃんは言って見せた。
「君の相手は僕だよ!」
「ハッ、キザな男だねぇ!」
ゴーカイレッドが放った弾丸をゴジュウレオンが全て撃ち抜いてみせれば、ゴジュウユニコーンがドリルを構えつつゴーカイレッドへと突貫する。
「ちょっと痛いけど……我慢してよね!」
しかしゴーカイレッドへと向けて放たれたドリルは、間へと割り込んだアーチャーの杖先一つによって容易くずらされてしまう。
「うっそでしょ……!」
杖先一つで力の向きをずらされた!?
しかもドリルで抉られないようにやるって……どんな技量なの!?
超絶技巧とも言える技を見せたアーチャーは爽やかに笑いつつ
「やあキャプテン、無事でよ──」
と言い切る前にドレイクに蹴り飛ばされてしまう。
そのまま何かしら文句を言う前にスカしてる暇があるなら追撃しな、と言われるが
尚も乗り気ではないアーチャーを見ればドレイクは一言。
「魅せなよアーチャー、受け身ばっかじゃアタシも
その言葉にアーチャーは仕方ないな、と言わんばかりに肩をすくめれば
「横暴だなあ
だけどそうせがまれちゃ……嫌とは言えない」
ゆるりと振り向けば、杖を一閃。
咄嗟にテガソードで受け止めた角乃に対して、全方位から凄まじい連打を叩き込まんとする。
「させません!」
マシュが盾を構え、両者の間へと割り込む事で打撃を防ぎはするものの、反撃を行うことが出来ずに防戦一方へと追い込まれてしまう。
「マシュ!」
「よそ見してる場合かい!」
一瞬気を逸らしてしまったゴジュウウルフをゴーカイレッドが切り裂けば、そのまま蹴り飛ばす。
咄嗟にカバーに入った陸王が無数の弾丸を放つが、大砲の放射によって弾丸ごと纏めて吹き飛ばしてしまう。
一部の砲弾がテガソードの里へと直撃し、風穴が空いた事からも威力の高さが伺える。
「テメェ……舐めんな!」
「二人で行こう!」
ゴジュウウルフとゴジュウレオンがそれぞれウルフデカリバー50とテガソードを構えてゴーカイレッドへと切り掛かる。
ゴーカイレッドはゴーカイサーベルとゴーカイガンを使って巧みに二つの斬撃を受け流しつつ反撃をするが、ウルフデカリバー50の空間転移により一瞬ゴジュウウルフを見失ってしまい、そのまま背後から現れたゴジュウウルフに背中を切り裂かれてしまう。
ゴーカイレッドはよろめきつつも銃撃を二人へと見舞い距離を取らせれば
「闘いってのはこうでなくちゃねぇ!
ゴーカイチェンジ!」
【ゴーカイジャー!】
ゴーカイレッドの赤き装甲は青き装甲へと姿を変え、二つのゴーカイサーベルが手元へと収まる。
《……ゴーカイブルーやとぉ!?》
巡の驚愕も気にせず、ゴーカイブルーは二刀流の斬撃でゴジュウウルフとレオンへと斬りかかり、2対1だと言うのに圧倒さえしてみせる。
二人のテガソードから放たれた斬撃を受け止めれば、そのまま押し返し斬撃をお見舞いすれば二人はそのまま地面を転がるように吹き飛ばされてしまう。
「先輩!」
「陸王!?」
アーチャーの杖捌きに攻勢に出れずにいた二人も、吹き飛ばされるのを見て咄嗟に後退し
マシュが前方で盾を構えて2人を防御する姿勢へと入る。
ドレイクはその様子を見れば笑いつつ
「この世にいるのは戦う奴と戦わない奴だけだ。
【ゴーカイジャー!】
今度はゴーカイピンクへと姿を変え、二丁拳銃を向けつつドレイクは尋ねる。
藤丸はその言葉に吹っ切れたように笑えば
「……良いぜ、正面から……ぶっ飛ばす!」
テガソード越しに令呪が浮かび上がり、それを見たマシュが盾を携え即座に飛び出す。
やっぱり薮は一発ブチ込むに限るねえ、とドレイクは舌舐めずりしつつも銃を連射しつつ
「だけど忘れるんじゃないよ!アタシを守るナンパな騎士をね!」
既にマシュの眼前で杖を振りかぶっているアーチャー、そしてマシュに迫る無数の弾丸。
それを打ち払うのは──
「君こそ、僕達を忘れちゃ困るね!」
「アンタの相手は私!!」
ゴジュウレオンがテガソードとレオンバスター50にて銃弾を
ゴジュウユニコーンが杖をユニコーンドリル50で受け止めれば、テガソードでそのまま思い切り押し込む。
マシュとドレイクの間が、完全に空いた。
藤丸は目を閉じつつ──ロマンの説明を思い出す。
魔術礼装。
カルデアの技術を結集した物で、魔術を扱えない物でも魔術を扱えるようになる力。
未だにスーパー戦隊の力と現地サーヴァントに頼るしかない現状にて、カルデアの力のみで完成された代物。
基本的に自動で作動するが、三つの魔術は着用者の意思が必要となる。
使う時が来たのなら──意思を言葉に込めて、示すと良い。
それこそが、君にとっての魔術の呪文となるんだから。
「わたしに力を!マスター!!」
「
令呪が一際強く光り輝き、狼の遠吠えが響き渡る。
「
マシュの魔術礼装が真っ赤に輝き、身体能力が数段階跳ね上がる。
普段ならば届かない距離であろうとも、一っ飛びで詰められる程に。
「やるじゃないか坊主!!」
【ゴーカイジャー!!】
仲間を強化する魔術に驚嘆を示しつつもゴーカイレッドへと姿を戻せば、ゴーカイサーベルをマシュに向けて振り被りつつも……ドレイクは、違和感を覚える。
背後からイヤな感じがする……が、しかし今は曖昧な感覚よりも明確な脅威に対抗すべき。
ドレイクはゴーカイサーベルを振り下ろそうとし──
「マシュ!防御姿勢!!」
藤丸が森林の方から臭う凄まじい血の香りに咄嗟に指示を出せば、マシュはドレイクを飛び越えて盾を構える。
そしてその瞬間
【ティラノハンマークラッシュ!!】
凄まじい速度で飛んで来た巨大な赤黒い斧がマシュの盾へと突き刺さり、そのままマシュはテガソードの里を打ち抜いて尚止まらず、近くの山へと激突してしてまう。
「──しまった!争っている間に一周してしまったか……!」
恐竜のような意匠を持ち、黄色い指輪を手に嵌め
金色のテガソードと黄色いハンマーを持った戦士が街を見ればそう叫び
「コ……ロ、ス!コロスゥゥゥゥゥ!!!」
どうやら黄色の戦士と争っていたらしい禍々しい斧を担いだ筋骨隆々の男がドレイク……ゴーカイレッドを見れば即座に跳躍。
さながら獣のように襲い掛からんとし──
《……消え、た?》
そのまま姿を消してしまう。
既に銃を巨大な男へと向けていたドレイクは息を吐けば
「何だったんだ今の……?」
「気にしなくて良いよ、アレはああ言うモノさ。
全く引き際を弁えている」
アーチャーはもう戦う必要は無いな、と杖を消しつつキャプテンの方を見れば
「さてとキャプテン?賭けても良いけど君
この少年少女に命を助けられたよ?」
と飄々とした様子で尋ねる。
ドレイクは変身を解き、銃をポケットへと仕舞えば数秒黙り込み
「……決まってる、呑むぞ!!」
と快活に笑って見せる。
急なテンションの変わりっぷり……いやある種変わってないテンションと
取り敢えず戦闘が終わったのか?と藤丸達は変身を解く。
ドレイクはそのまま酒場へと向かおうとすれば……男に肩を掴まれる。
なんだ、と凄みをきかせつつドレイクは男を睨み
「貴女達の所為で店がボロボロなんだが?」
数秒の沈黙。
辺りを見渡せば砲撃により壁や床に穴が空き、食器やテーブルなども床で散乱していた。
しかも元より海賊に荒らされていたので、掃除しなければならない程テガソードの里は荒らされており……
黄色の指輪を嵌め、黄色を基調とした僧侶または神官を思わせる格好をしている眼鏡を掛けた男は凄まじい怪力を持ってドレイクの肩を握りつつ賠償金をドレイクへと請求した。
「…………悪かったよ、野朗ども!掃除しな!」
数秒考えたが、まー流石にアタシ達が悪いか、とドレイクは頭を掻き
聖杯に食器諸々を出させつつ部下に掃除をお̶し̶つ̶け̶任せる。
「ひょっとしなくても……竜儀だよね?」
陸王がやれやれと腕を組んでいる男にそう声を掛ければ、竜儀は振り向き、ほう。と意外そうな顔を浮かべる。
「百夜か、お前も来てたんだな」
何やら顔見知りらしい二人に藤丸達は二人の会話を見ている事しか出来ず、陸王と竜儀はある程度と言葉を交わせば
「大体のことは理解した、ならば案内しよう……この、テガソードの里へ!」
なんかもうヤバい雰囲気すんな、と嬉々としてテガソードの里へと入っていく竜儀を見つつ
藤丸はマシュと顔を見合わせた。
ゴーカイジャーのユニバース能力は他ゴーカイジャーへのゴーカイチェンジにしました