戦闘狂兼ロマン主義者   作:星を見るパイ

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書き溜めはコレで死にました


2.処女作.exe

ゲマトリアに所属してから数ヶ月

黒服に神秘について色々教えてくれた

 

感想としては『面倒だけどその手間をかける価値がある』かな

 

神秘はキヴォトスの存在するモノに宿っているもので、生徒は特に多くの神秘を持っており、その証明がヘイローらしい

 

ちなみに俺にもちゃんとヘイローがあった

黄色で丸の中に六角形がはまっており、ちょうど中心あたりに点みたいな縦棒が入っているヘイロー

中心の縦棒のせいで目みたいに見えてあんま好きじゃない

 

コレを黒服に説明した時ボソボソなんか言ってそのあと『良いヘイローじゃないですか。貴方らしい。』って言われた

 

なんて言ってたんだアイツ

 

まあいい、今日はついにお披露目の日だ

 

 

 

 

「クックックッ、貴方という人は...!」

 

「どうだ黒服、なかなかいいものができそうじゃないか?」

 

「会議の際に言った『やりたいことのためなら何でもする。』...嘘ではないとは思っていましたが、コレほどとは...!」

 

今黒服に見せているデータ

それは俺がこの数ヶ月で考案し、検証し、アイデアを固めた俺の初作品...その青写真だ

 

「気で狂ったのかと思いましたよ...。」

 

黒服の目に見える部分が心なしか明滅してるように見える

 

流石の黒服でも()()にはビビるのな

 

「ダイジョブダイジョブ、キヴォトス人舐めんな!」

 

「いやそういう意味で言ってるわけでは...無いわけではないですが...」

 

お?ポーカーフェイスの黒服様が狼狽えてますねぇ

 

「でさ、これの素材回収後、お前が組み立ててくれね?」

 

「...ええ、そうですね...コレを貴方1人で組み上げるのはかなり無理がありそうですね。」

 

黒服から青写真を返される

その手には少し冷や汗が滲んでいた

 

「黒服、そんなビビることないじゃん。失敗した時困るのお前ちゃうやろ?」

 

「いやですからそういう意味では...もう良いです、貴方はそういう人でしたね...。」

 

「分かればよろしい。」

 

黒服の部屋から退出し、外出の準備をする

 

さて、素材集めと行きますか

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

素材は特別なもの以外をショッピングモールで買っていく

 

お金は黒服から

 

実験関係なら予算を下ろしてくれる

マジで感謝、頭が上がらねぇなぁ...

 

「まさか繊維強化プラスチックがこんな所で買えるとは...ブラマで買おうと思ってたのに...。」

 

思わず予算のほとんどを突っ込んでしまった...まあ優秀な素材だしよく使うからあるだけ買っても問題ないんだけど

 

そこら辺のショッピングモールで売ってない物はブラマ...ブラックマーケット案件だ

ブラマはクソ高いし危ないからあんまり多用したくない

粗悪品や偽物も多いからね

 

"ぐうっ...超合金製だと...!"

 

「んあ?」

 

店と店の移動をしている時に、通り過ぎようとしたおもちゃ屋から異様なほどの熱量を感じた

熱量の源はプラモデル売り場にいた、身長170cm後半ぐらいの男性の人

その人物はヘイローがなく、財布と商品の値札を交互に見ながらすごい顔で苦悩していた

 

ヘイローが無い成人男性、つまりあれが...先生?

 

マジ?アレが?

 

プラモデル買うのにあんな苦悩してる大人が先生?

ばあさん以外のゲマトリアが認めてる人物がどんな人かと思ったら...こんな人だったんか...

 

"コレを買ったら今月の生活費が...!でもいつ再販するかなんてわからない...今、今を逃せばいつ手に入るかわからない..."

"ぐあああ!もう、コレに頼るしか...!"

 

先生が懐から何かを取り出そうとし、止まる

 

"アロナ...それは卑怯だよ...ユウカに伝えるのはやめて..."

 

先生は膝から崩れ落ち、タブレットを落としてしまう

 

1人で何やってるんだコイツは...

どんだけショックだったのかシッテムの箱落としてるじゃねぇかよ

 

それすごいオーパーツなんだろ?詳しくは知らないけど

 

「………」

 

今自分がゴミを見る目してる気がする

いや初対面の相手に何勝手に期待してんだって話なのは分かってるんだけどさ

 

"ハッ...!だ、誰?"

 

あっ、やべ気づかれた

...まあ、ゲマトリアとして動く時は顔晒さないし、問題無いか

せっかく考えた名前の使い道もできるしな

 

「俺は日理(ひわたり)カナデだ。あんたが噂のシャーレの先生?」

 

"そう、私がシャーレの先生だよ。カナデってどこの学校の生徒?制服じゃなさそうだから..."

 

俺の今の服装は紺のショートパンツ、白の長袖Tシャツとかいうクッソシンプルなもの

服装とかそこまで気にしないけど変なの着ると視線が痛いから全無地が一番楽

 

で、どの所属かだっけ?

...困ったな、誤魔化せる気がしないぞ

 

...7割正直に言うか

 

「生徒じゃない。ブラックマーケットで暮らしてる。」

 

"...そっか、辛かったらいつでもシャーレに来ていいからね。"

 

何だコイツ...?

本当にさっきのプラモ野郎と同一人物か?

何で初対面の相手に手を差し伸べようとするんだ?

 

「大丈夫、不自由はしてない。」

 

ゲマトリア、主に黒服のおかげでね

 

思わぬ接触があったけど目的の素材は大体手に入った

あとはそこらへんには無い素材だからゲマトリアにねだるとしよう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒服は言わずもがな、マエストロもゴルゴンダもデカルコマニーも快く協力してくれた

あのばあさんは協力してくれなかったけどな!

 

黒服と俺で組み上げたそれは全長1mはありそうな長銃

銃身には多数の突起物が連なっており骨のように見える

これが俺の初作品

 

だがまだ未完成だ

 

最後の素材、それは俺の腕

 

 

 

テーブルの上に俺の右腕を固定する

 

テーブルには刃物、いわゆるギロチンが付いており、黒服のボタン1つで作動する

このギロチンは特殊で、ゴルゴンダに無理言って『ヘイローを破壊する爆弾』の機構を組み込んでもらった

一撃で神秘ごと腕を持っていけるだろう

 

「カナデ...いえ、『ロマンチスト』覚悟は良いですか?」

 

「今更それ聞く?」

 

「それもそうですね。」

 

刃物が勢いよく落とされ、テーブルに突き刺さる

 

右腕が二の腕から宙を舞い、鮮血が吹き出す

 

 

「———!!!」

 

 

悲鳴は出なかった

出せなかった

 

覚悟していたにも関わらず襲ってくる激痛と喪失感で顔が歪む

同時に素材が揃ったことへの喜びと、作品への期待感で口角が上がる

 

「では、できる限り最速で組み上げます。」

 

黒服が俺の腕を持って作業スペースへと歩いて行く

 

止血は事前に縛っていたが十分では無かった

 

ちゃんと溢れた血は一滴残さず溜めれるようにしてある

勿体無いからな

 

 

 

 

 

大体5分後、黒服が完成した長銃を持って来た

 

「完成しましたよ。」

 

「ありがとう。早速取り付けてくれ。」

 

持ち手のように見えたところが右腕の切断面に覆い被さり、接続ができた事を実感する

 

「へへ...ふへへ...できちまったよ...!」

 

完成したのは腕ごとの砲台

 

「命名方式的にこれは...『神秘の背骨』って呼ぶべきかなぁ...本当に俺の腕についてる...ふへへぇ...」

 

「………」

 

黒服のいつも上がっている口角が少し下がってる気がするがそんなことどうでも良い!

 

「いいから試し撃ちするぞオラァ!」

 

銃口が接地しないようにしながら実験室へと走る

 

前の時と同じように的に向かって銃口を向ける

 

この『神秘の背骨』の仕組みは簡単

 

自身の右腕の血肉と骨を混ぜ込み、それを正しい位置に付けることでこの長銃を自らの腕と脳に誤認させる

 

自らの体が一番神秘を流し込みやすい

故にこのような仕組みになってる

 

流し込んだ多大な神秘を侵食型に位相変更し、12.7×108mm大口径の銃弾を加速させて叩き込む

 

結果、対象の無意識下神秘装甲を()()し、対象を破壊する

 

「モニターできてるー?」

 

『問題ありませんよ。』

 

トリガーはいらない

神秘を流し込めばすぐ発射する

 

 

ドガァン!

 

 

的なんてなかったかのように貫き、いつぞやの実験で凹ませた壁も貫いた

 

「貫通力すっご!」

 

『...完全に貫通してますね。』

 

「ごめ!ちゃんと直すから許して。」

 

『気にしていませんよ。むしろ実験の成果としては嬉しいぐらいです。』

 

さぁーて、一つ作品が出来たわけだけど...次は何作ろうかな

非常に癪だけどばあさんの兵隊用の武器でも作ってみるのもアリかなぁ




元ネタはエヴァンゲリオンANIMAのF型零号機専用武装、天使の背骨
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