前世競走馬だけどウマ娘になってない【未完・現在作り直し中】   作:ゲッテルデメルング

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真夏日のメングラッド

 

「熱い太陽、砂浜、海! アケルナルの記念すべき第一回夏合宿が始まったわ!

「このド暑いのに元気やな~」

 

 ここで猛特訓して、来る秋華賞、ジャパンカップ、そして有馬記念に備えるわ!

 どれほど厳しいトレーニングでも構わないわよ!

 ユグ、この炎天下のビーチでのトレーニング内容を言いなさい!

 

「夏合宿にふさわしい併走相手を連れてきたよ」

「フサイチパンドラで~すっ! アイ先輩、よろしくおねがいしますね~っ!」

「……」

 

 …………なんで(前世の)母さんがいるのよ!!?

 

「まだ本格化も来てないけど、パンドラさんは本当にいいのかな? 頼んでおいてあれだけど……」

「大丈夫っ、私ってほら、天才だしぃ~。天才最強と併走するなんて、鬼に金棒とかそういうことでしょ~? もう無敵でしょ~? ね? ね?」

「(あっ、これはアイの母親だな)」

「(*1*2*3)」

 

「なんや、向こうはおもろいことになっとるなあ~」

「でもユグ、いったいどうしてパンドラちゃんと併走させることにしたんだろ? まだ本格化も来てないのに、なんでなんだ?」

「多分やけど、アイが習得したユグの領域に関連する話やとうちは見てる」

「ユグの領域に?」

 

 ……ユグのやりたいことは理解できているからトレーニングはやるけれども。

 

 ユグは私が手に入れたあの世界樹の領域と、私の新世界の領域との脚質の差。それを埋め合わせようと考えているのね。

 世界樹の領域は逃げを行って発動するタイプ。それに変わって私の新世界の領域は差しで発動する。

 この脚質の差だけはどうあっても埋め難いもの。

 私は先行も一応できるとはいえ、領域はその限りではない。

 

 ユグが求めたのは、自分の領域と私の領域とを()()()()()()()

 そしてその習得を秋華賞まで、強いて言えばこの夏合宿中という極めて急ピッチで行いたいと言うつもりね?

 

「領域はまれに親から受け継ぐことがあるんよ。前世でそんなんを見かけへんかったか? 走ってる相手別の馬に見えるアレやね。宝塚でのアイの使ったユグの領域はそれの応用みたいなもんやな」

「あー、ワグネリアン君のアレってそういうことだったんだなー」

 

 良いわよ、受けて立つわ!

 それぐらいの難題でもなければ張り合いがないってものよ!

 見てなさいユグ! 今から母さんの走りを覚えて母さんの領域をマスターしてやるんだから!

 

「さあトレーナー、砂浜ダッシュのカウントをとり始めなさい!」

砂浜ダッシュ……? この熱くて暑い砂浜を……? ね、ねぇトレーナーさん? 私、この海で泳ぎのトレーニングをしてスタミナ向上を図ったりするとか、向こうのクイズ大会で賢さを底上げするべきじゃないかなって思うの!」

「えっ」

「ほら、私って天才だけどぉ~? ……ッほら、さすがに暑すぎて熱中症になるのは嫌だしぃ~? 天才でもちょ~っとなんかなぁ~って、ね?」

 

 ………………頑張るわよ、私!!!

 

 

 

 


 

 

 

 

 うちはメイクデビューの疲れを抜き取るためにいったん休憩。

 ブーと一緒に身体を慣らせるために遊び程度に軽く泳いだり、海の家でみんなのトレーニングする様子を眺めながらかき氷を食べたりしとる。

 

「そうや。ブー、最近なんかコソコソしとったみたいだけど何しとったん?」

「お? ララのライバルになりそうなウマ娘のデータを集めてたんだ!」

「ライバルの? でもそれはユグがもう集めとったはずやろ?」

「ユグはほら、人間でトレーナーさんになっちゃっただろ? トレセン学園内のウマ娘視点での活動はそこまで追えないと思ったんだ!」

「はー、よう考えたなあ。確かにマークしとけ言われたウマ娘はぎょうさんおるけど、その動向まできっちりユグはんが追いきれるか言われると厳しいもんがあるわ。頑張ってくれたんやな、ブー」

「えへへ」

 

 はにかみながらブーはメロン味のかき氷をパクリと食べる。

 それにしても調査なあ……えっそのガタイでやったんか?

 わりかし性格がウマ娘から変わらんかったブーの挙動やとバレかねへん気も……いやアレってユグの前やからできるさかい他人相手ならわりかし何とかなるか? ……いやほんでもそのガタイの良さでスパイ活動はできんわ。

 バレたりせんかったんやろか。

 

「……まあええわ。ほな、その調査の成果を聞かしてもらおか」

「おう! まずは三冠路線の最有力候補、トウカイテイオーだな!」

「会長さんの後継者やったっけ?」

 

 トウカイテイオー。

 無敗三冠の生徒会長シンボリルドルフに憧れたウマ娘。

 柔軟な肉体から繰り出される末脚の評判は抜群で、デビュー前から既に領域の発現寸前だと噂されていたらしい。

 

「とは言え、まだ本格化が完全にできてないみたいだな。本格化しきってからデビューさせるらしいぞ」

「ほー、間に合うんかそれ?」

『トレーナーいわくジュニア級の終盤辺りには間に合うらしいけどさー!』ってなんか不機嫌そうだったぞ」

「ちょい待って直に聞いたんか?」

「うん!」

 

 調査ってそういうもんやったか……?

 とはいえテイオーさんのデビューはジュニア級末頃っちゅうんはええ情報やな。

 ホープフルステークスに出れない可能性があるってことでそれはつまり皐月賞がGⅠ初戦になるっちゅうこと。

 経験差ならうちの方がダントツになるっちゅうことや。

 

「そやけどまああの末脚はすごいとは思うさかい、用心するに越したことはあらへんわ」

「うん。次にドリームジャーニーさんだね。灌江(かんこう)トレーナーさんのチーム『アークトゥルス』に所属しているみたい」

「……ん? 灌江トレーナー? ジャーニーさんは二郎トレーナーって言うとったんやけど」

「二郎って旧姓ってやつみたいだぞ。苗字があるだけでも不思議なのに、変えたりもできるんだから人間の名前って不思議だな!」*4

「ちょい待って二郎って苗字なん?」

 

 明らかに名前みたいなのに??

 変わった苗字があるもんなんやなあ……世界って広いわぁ……

 

 そやけどその名前のトレーナーやったら知ってる。

 ティアラ路線でアイの影に押しやられとるザパールさんが所属してるチームやな。

 他にはヒシミラクルさんとかが有名やな。彼女がチーム初のGⅠタイトル制覇やさかい。

 

「そのチームはどういうトレーニングをしとるのか気になるなあ」

「ジャーニーさんのことはいいのか?」

「どうせ気にしたところで後をつけさせてもらえんやろ? コーヒーの一杯でも貰ってなあなあにされるんがオチなんは解り切っとるわ」

あ、あはは……*5――アークトゥルスのトレーニング内容については他のチームと大差ない感じだな。でも気になったところで言うと……」

「言うと?」

「灌江トレーナーって、なんというか……騙されやすそうな感じがしたぞ

「何やそれ」

 

 前世のグランちゃんみたいな感じか?

 

「ほら、ザパール先輩もジャーニーさんも、こう、リーダーシップのある感じがしてな? それに振り回されてるような気がしたぞ!」

「リーダーシップ、なあ……」

 

 ザパールさんにはあるやろうけど……ジャーニーさんにリーダーシップあるんかいな?

 リーダーシップって言うよりも仁義の方がある気するんは気のせいか?

 

 とはいえ言いたいことは解る。

 どちらとも人を引き付ける魅力を持ち合わせとって、それこそ一般人的なトレーナーやったら振り回されてまうやろ。

 ジャーニーさんはそれ考慮してそのチームに入ったんやろうなあ。

 でもジャーニーさんの魅力って魔性よりもおっかない香りしてそうやな……

 

「まあこのチームに関してはそう時間が経たないうちに動くやろ。他には三冠路線に来そうなウマ娘はいーひんのかいな?」

「それだと……これ、情報としてはまだ不正確なんだけど」

「ん?」

「地方のトレセン学園で、三冠路線に手が届きそうな能力を持ったウマ娘がいるって言う噂があるらしいぞ。今学園の理事長さんたちが移籍の交渉を行っているって」

 

 ……地方のウマ娘、か。

 

 確かユキノビジンさんも地方出身やったなあ。

 地方って言うのんは思たより化物の出身地やったりするんか……?

*1
※母親がユグに甘々な態度をとっている光景にゲボが出そうなアーモンドアイ

*2
※こんなのでユグに母親だと納得されたことが心底納得できないアーモンドアイ

*3
※やりたいことは本能で俊足理解できたけど理性がそれを阻んでいるアーモンドアイ

*4
ユグ「ララは既にトレーナーの名前は知ってたみたいだし、チーム名だけ教えておけばいいかなって思ってそこまで伝えてなかったんだよね」

*5
※図星の顔

番外編 追加するなら どれにする? ※あくまで参考程度です

  • 18年皐月賞
  • 18年日本ダービー
  • 18年菊花賞
  • 19年天皇賞春
  • 19年宝塚記念
  • 20年京都記念
  • 20年ドバイシーマクラシック
  • 20年天皇賞秋
  • 20年ジャパンカップ
  • 21年ドバイシーマクラシック
  • 21年宝塚記念
  • 21年有馬記念
  • その他
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