双葉の兄になりたいだけの人生だった   作:水羊羹量産計画

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ARIAならアリスちゃんが好き。
映画版で顔が良くなりすぎてひっくり返ったので初投稿です。



15駅目 信条

 

4月28日(木)

 

 

 朝、雨宮先輩と会った。

 会ったというか、今日も待ち構えていた。

 

「放課後時間ある?」

「…はい」

 

 なくても作れということだ。拒否権はない。

 

 何をどう話したものか。

 余計な茶々を入れたことについては謝らなければならないと思うけれど、結果だけ見れば誰も死なずに上手く行った。

 だから、この件だけで認知世界から手を引くつもりなら、ああ良かったねと流して終わり。今さら話すこともない、と思う。

 

 けれど、呼び出したのは気持ちの問題だ。納得がいってないんだと思う。

 認知世界が危ないことは身にしみて分かっているはずだし、それでもついてきた理由を知りたいと思うのは当然。ましてや、一番いいところで待ったをかけたわけだし。

 そういうのは面倒だけど、ちょっかいを出したからには、ちゃんとしないと敵をつくる。聞かれたことを正直に話すべきだ。

 

 

 

 

 教室でも、昨日同様の展開が待っていた。興奮気味の飯塚さんにとっ捕まった。

 

「やあ子役希望くん、話は聞いたかね」

「鴨志田先生が休んでいるっていうのなら」

 

 校内はその話で持ちきりだ。

 昨日の件が鴨志田先生の精神にどんな影響を与えたのか、直接確認できないけれど、変化はあったのだろうと分かる。

 

「それだよ。偶然か、予告状が本物だったのか……総じて見て後者が優勢だね」

「そういうことにしてるだけで、別に信じてはいないでしょ」

「実際にどうかは関係ない。つまらない事実より面白い与太話の方が広まるものだ」

 

 何も知らない生徒たちも、予告状のことといい普通でない事態が起きているのは肌で感じているから、噂話はものすごい勢いで延焼している。

 目をつけられていた雨宮先輩たちが弱みを握って脅したんだ、とかいう当たらずも遠からずな噂話も耳にした。

 

「そんなことより、放課後は空いているね」

「あー……昼休みでいい?」

「君ねえ、本気でやる気あるのか?」

 

 返す言葉もない。

 ジトッとした目線が突き刺さる。精一杯申し訳なさそうな顔をして数秒、飯塚さんは特大のため息をついた。

 

「はぁ、ほとんど無理やり主演に据えたのはこっちだ。いいよ、昼休みにやろうか」

 

 許された、かもしれない。

 飯塚さんが寛大で助かった。そろそろ本気で怒られそうだ。

 

 

 昼休み。

 中庭では目立つからと校舎裏に呼び出された。やはり許されてなかったのでは?

 服はそのままでいいからと長髪のウィッグだけつけられて、まじまじと観察された。

 

「いや、似合うだろうなとは思っていたがここまでとは。逆に普段男装してたり?」

「ないよ」

「しかしそのハマりよう、明らかに女装処女ではないだろう」

 

 昔、双葉と入れ替わっているうちに、そんな訳の分からないものを喪失していたとは知らなかった。

 

「台本は読んだだろう? 一回、演ってみてくれ」

 

 いきなりやれとおっしゃるか。

 とはいえ、ギリギリ許されている立場上なにも言えない。初っ端のテストみたいなものと思って、簡単に台本をなぞる。

 一連の様子を無言で注視していた飯塚さんは、最後に大きく唸って僕に言う。

 

「いい、分かった。本番もそれで頼む」

「添削とかは?」

「もう練習日がないんだ、下手に弄らないほうがいい」

 

 及第点をもらえたと思ってもいいのだろうか。専門家が言うならと頷いた。

 飯塚さんは声を潜める。

 

「……今さらだけど、本当に嫌ならやめてもいいのだよ? 怪盗の件もあったし、どうとでも言える」

「どういう想像したのか分からないけど、たぶん不正解。それを言うなら飯塚さんのキャラも、だよね?」

 

 現状、劇を続けることに以前ほどの意味はない。

 前回公演の影響と、裏掲示板から流入する陰口の類が叩き潰されたことで、クラスの雰囲気を落ち着けるという当初の目的はすでに達成していると言っていい。

 加えて、怪盗団という話題の種が現れたことで、僕らがクラスで何かをする必要性はさらになくなっている。

 

「私は劇ができれば何でもいいと言ったはずだ」

「そういう人は誰かに言われなくても勝手に劇を始めるでしょ?」

 

 はじめ、飯塚さんは目立たない生徒だった。それが、彼女の言う幸運な玉突き事故によって役者の役を演じることになった。

 今が最後のチャンスだ。今後も演じ続けるか、やめるか、その瀬戸際。次を選ばなければ、このままフェードアウトしてなかったことにできる。

 

「……矢嶋が君のことを苦手といった理由がわかったよ。

 負い目で引き受けたなら尚更だ。やらされていると感じるなら、君には断る権利がある」

「それはあまりに無責任だよ」

 

 ただでさえ、中途半端で投げ出したことばかりなのに。

 

「君は責任感でクラスを変えようとしていたのか?」

 

 それなら幾分かマシというもの。

 あの場において“良い”からしただけだ。双葉が聞いている場所で、双葉みたいな子が傷つくだろう空間を放置するわけにはいかなかった。

 芳澤さんを助けたかったからでも、クラスをよくしたいからでもなく、双葉に気に入られたいからでしかない。

 

「私はね、やりたいからやってるんだ。

 転落事故の日、私はこのクラスに失望した。あれを退屈な日々のスパイス程度に思っていた彼らを心の中で見下した」

 

 彼らに紛れようとしていた癖にね、と飯塚さんは笑う。

 周囲と同じ色の毛皮をかぶって暮らすのは窮屈だけど安全だ。群れの中の異常者は、強くあり続けなければすぐに地位を失う。

 

「だが、矢嶋に問われた。

 君は何ができる、と」

 

 飯塚さんにはクラスメイトを観客として扱い、舞台の上から見下ろしているところがある。

 矢嶋には人を見る目がある。

 僕と芳澤さんをクラスの輪に留めたように、ひとり舞台の飯塚さんを見つけ出したのだ。

 

「多少作ってでもね、何もしないで過ごすよりずっといいと思った。だって、その方が格好いいだろ?」

 

 飯塚さんの語る言葉には濁りというものがない。心の底からそう思っているから。

 

「強い自分を演じることは悪ではない。しかし、演じきる必要がある。私にとっての責任はそれだ。

 私は少なくともこの一年間を捧げてもいいと思ったんだよ」

「演じきる……」

 

 飯塚さんは舞台の上でも袖でも役を貫き通すつもりだ。

 

 その方が格好いい、と飯塚さんは言うけれど、それまでの振る舞いを変えるほど格好良さにこだわるタイプとは思えない。

 なら、リスクがそこまで大きくなかった?

 最低一年間の演技を、軽く実現できるだけの実力が飯塚さんにはあるように見える。そう見えるようにしているだけなのかもしれないけれど。

 

「ま、私も全員にそこまで覚悟しろとは言わないさ。中庸を行くのもいい。中性的なのは更にいい」

「趣味はみ出てるよ」

 

 理由はどうあれ飯塚さんは劇団をやめるつもりはないみたいだ。必要とかそういうことではなくて、やりたいのだと。

 なら、参加させてもらっている僕が真っ先に降りる道理はない。

 

 

 

 

 放課後。

 雨宮先輩に呼び出されていたけれど、ホームルームが終わるのはこちらの方が早いみたいで、廊下や階段に先輩たちの姿はない。

 他学年のエリアは当然進入禁止なので、校舎を出て先輩たちを待った。

 

「話してもらえるかな。君が知ってること、昨日のこと」

「もう先輩たちに関係ない話、なんて言っても無駄ですよね。分かっています」

 

 部活でもないのに他学年が混ざるグループが学校で話すのは目立つ。特にこのメンバーは話題の中心人物ばかりだし。

 いったん学校前の路地に移動したものの、ここも人の目がある場所で落ち着かない。

 

「邪魔が入らない場所に行きましょう。

 行き先は僕が駅と呼んでいる認知世界です。鴨志田先生のパレス同様、入り口付近なら誰も来ません」

『認知世界…まさか』

 

 モルガナは行き先に察しがついたらしい。やはりというか、この猫は駅を知っていた。

 

「知っているのか?」

『あそこは……いや、見てもらったほうが早いか。イセカイナビを』

「使わずに行けるかも知れません。手を繋いでもらっても?」

 

 ひとつなぎになった先輩たちの手をとって、駅の一番浅いところに連れて行く。

 駅の表層は広間になっている。

 下に繋がるエスカレーターがいくつも並んでいるけれど、縄張りでもあるのか下の層の化物が上がってくることはない。内緒話にはもってこいの場所だ。

 

『やはり、メメントスか』

 

 先輩たちはいつの間にか怪盗装束に変わり、モルガナは二足歩行の姿になっていた。認知世界だと変身するらしい。

 

「記憶、ですか。言い得て妙ですね。

 そこの黒猫は知っているみたいですけど、ここは人の集合的無意識が形になった場所です。

 みんなのパレスとでも言ったほうが伝わりますか?」

 

 リャナンシーはいつもと変わらず、すぐ側に浮遊している。彼女の存在に気づいたモルガナはすっと半身を引いて警戒態勢に入った。

 

『そいつでワガハイたちを襲おうって魂胆か?』

「まさか」

『なら呼び出す必要ないだろ』

 

 それはこっちの台詞だ。

 襲うなら、予告もせずにメメントスに引き込んで混乱しているうちに呪殺とか、もっと成功率の高そうな方法をとる。

 

『そんなの私の勝手だわ。危なっかしいんだもの、この子』

「呼び出してはないけど。自衛手段がこれしかないもので」

 

 リャナンシーが雑魚認定する化物たちでも、普通の人間が敵うような性能をしていない。

 

「一葉は戦えない?」

「戦えるのが当然みたいに言わないでください。

 僕自身には戦う力はありません。彼女は仲魔、昔契約を交わした用心棒のようなものです」

「ペルソナじゃないの?」

『私、この子じゃないもの』

「そっか、カルメンは私だもんね」

 

 高巻先輩はうんうんと頷いた。

 利害が一致しただけで、僕とリャナンシーは別物だ。メメントスで出会っただけの化物を自分と思うなんてどうかしてる。

 

「てかナビなしで入ったよな、今」

『ナビにメメントスが登録されてるぞ』

「僕はずっとこうやって認知世界に来ていました。

 むしろ、イセカイナビやペルソナについては僕に聞かれても分かりません。この4月まで存在も知らなかったので」

 

 どちらも僕にはないものだ。いろいろ確かめてみることもできない。

 

 先輩たちがナビを確認している間に、話すべきことを整理する。

 彼らを使おうとしている人ではない何者かの存在がいるだろうことは、知っておいたほうがいいと思う。警戒してどうにかなるものではないけれど、全く知らないよりはいい。

 

「まずは、ごめんなさい」

 

 深入りするなと言っておきながら、パレスの件を傍観していた。

 

「認知世界の研究が良からぬ大人の手に渡っているだろうことは、前に雨宮先輩にお伝えしたとおりです。

 でも、今回の件は人間の手によってのみ行われたこととは思えない。イセカイナビを作ったものに雨宮先輩は心当たりがあるのではありませんか?」

「……」

「肯定ととりますね。

 世界には人間と同じくらい人間でないものが溢れている。彼女だけではありません。神と呼ばれるような存在もいます」

 

 その名前を持っているだけで、それそのものというわけではない可能性はあるけれど。

 

「僕が本当に先輩たちの平穏を祈るなら、都合よく与えられた奇跡なんかに縋らせてはいけなかった」

 

 様子見などせずに、リャナンシーの力で脅して認知世界から追い出せば良かった。

 退学がどうとか、そういう次元の話じゃない。退学になっても死にはしないけれど、認知世界の化物たちは人間を殺しに来る。

 

「それらは必ず代償を取り立ててきます。

 一度奇跡を使ったら最後、もう引くこともできない。

 僕はそれを知りながら、先輩たちが人間でない何者かの思惑に巻き込まれるのを黙って見ていたわけです」

 

 一旦話を切る。

 

「……んだよ」

「竜司?」

「一旦黙ってろ、言わなきゃ分かんねーんだよこういう馬鹿は」

 

 食いかかってきたのは坂本先輩だ。骸骨の仮面越しの顔に不満と書いてある。

 

「お前、勘違いしてんじゃねえよ!!」

 

 耳がキーンとする。

 逃げ出さなかったことを褒めたい。怒声に身がすくんで動かなかっただけとも言う。

 

「鴨志田を許せねえって、許してる自分が許せねえって思った。弱えままの自分を変えてやろうと決めた。

 俺の意思だ。俺が決めたことだ。お前でも顔も知らねえカミサマとやらでもねえ!」

 

 ああ、そこか。

 つまり、彼らは自分の意志を信じている。

 僕と彼らの間に決定的に違うことがあるとしたらそれだ。自分の選択が選んだことなのか選ばされたことなのか、僕には分からない。

 

「お前の覚悟はどこにあんだよ。ねぇからテメェのペルソナもねぇんだろ。

 そのくせ、強えやつを味方につけたら偉そうに説教か?

 引っ込んでる方がいいのは、戦うシカクもねぇお前の方だろうが!」

「ちょっと、竜司!」

 

 高巻先輩に腕を掴まれて、ようやく坂本先輩は冷静さを取り戻したようだ。

 

「お前も怒れよ。コイツは俺たちのやったことを本気で間違いだって決めつけてんだ!」

「私も、私たちの選択が間違いだったなんて思ってない。

 でも、私たちのしたかったのは、一方的に人を怒鳴りつけることなの?」

 

 んな訳ねぇ、そう吐き捨てた坂本先輩はこちらをじっと睨んでいる。

 

「……重ねて、ごめんなさい。

 先輩たちに何ら落ち度はありません」

「謝らなくていい。理由を知りたいだけだ」

 

 理由、あまり大層なものではない。

 至極個人的で単純な、そのくせ達成できていない目的。

 

「欲望の核を盗まれた鴨志田先生がどうなるのか知りたかった。

 正確には認知世界の出来事が現実の人間の精神に与える影響を知りたかったんです」

「なぜ?」

「それは、」

 

 前は、認知世界のことを調べていると言った。秘されたままの研究をそのままなかったことにしたくない、認知訶学が学問になればいいと。

 けれど、この回答ではもう引き下がってはもらえない。

 

「言えよ。胸張れることなら、言え。

 それとも人に言えねえようなことするつもりなのか?」

 

 精神暴走事件のことを言っているのなら、例として挙げたのは良くなかった。

 そんな他所のことまでからかっていられるものかと思うけれど、先輩たちからそう見えても仕方ない。

 

「ある人を助けたいから」

 

 往生際悪く、言葉を濁した。

 怖いから。それから、言い訳にしたくないと思ったから。

 

「現実世界では届かない言葉でも、認知世界なら、と夢を見ました。小学生の頃の僕は」

 

 母が仕事を持ち帰ったとき、僕と双葉は側で研究を見ていた。

 切れ端みたいな情報しか持ち出しを許されていなかったみたいだけど、少なくとも僕は認知世界の存在を知っていた。たぶん双葉も。

 だから、どうしようもない現実に直面したとき、その解決手段として手を伸ばしてしまったのだ。

 

「でも、資格がなかったんでしょうね。

 メメントスから生きて帰れたのはリャナンシーと契約できたおかげで、僕自身は何もできないまま」

 

 覚悟があればペルソナ能力に目覚めるというなら、この時の僕も現実から逃げてただけだったのだろうか。

 

「お話、うまくいかなかったの?」

「それ以前に見つけられなかったんです。メメントスのどこを捜しても」

 

 それは今も変わらない。

 集合的無意識のはずなのに、この駅には人間の数が少ない。

 

「それで、今回の件です。

 はじめは巻き込まれて入って、すぐに認知世界だって分かりました。個人の認知世界があの規模になるなんて考えもしなかった。もしかしたら、捜すべきはメメントスでなくてパレスなのかもしれない。

 そう思い至って、後先考えず飛びついたんです」

「それで、イセカイナビを気にしてたのか」

 

 けれど、認知世界からのアプローチがうまくいくとして、その対価は僕一人で支払い切れるものだろうか?

 そもそも自力でパレスに入る手段を持たない以上、この方法は僕個人で完結しない。

 

「先輩たちは、仮に鴨志田先生が改心したとしてその後はどうするんですか?」

「どうって、まだそんなこと考えてねぇよ」

「…そうですよね、僕も迷っています」

 

 僕と双葉の件に、先輩たちを巻き込むなら、モルガナやらイセカイナビ製作者やらも話に絡んでくる。

 超常の力で双葉の心の呪縛を解いたとして、次はそういう類のものに縛られるだけではないか。

 

 奇跡に縋らず、現実世界の双葉を自由にする。それは理想だけど、過去に幾度となく失敗している。

 

「諦めるのか?」

「それだけはあり得ません。迷うのは方法だけです」

 

 変わっていないようでも状況は刻一刻と変化している。前に駄目だったからといって次も駄目という理由はない。ないけれど。

 たなびく金髪が視界の端に映る。リャナンシーとの契約があるかぎり、こちら側との関係をすべて絶つことはできない。

 それに、双葉を先輩たちの安全より優先しておいて、おめおめと引き下がるのはわりと最悪だ。

 

 気まずい沈黙が続く。それを破ったのは高巻先輩。

 

「えっと、じゃあ昨日はどうやって助かったの?」

「メメントスを通って戻ってきました」

「……ええと?」

「崩れたパレスの残骸が引き寄せられたみたいな感じでしょうか。ここ、深くに向けた引力みたいなものがあるんです」

 

 一度深めに潜ったときに、もっと深くまで降りたら戻ってこられなさそうな気がして引き返したのを覚えている。

 奥に行けば行くほど、住んでいる化物たちが強くなっていったというのもある。先手で全滅させないと、こちらを狙われた時に死ぬし。

 

『そこに何があるんだ?』

「さあ? 順当に考えてオタカラ?」

 

 絶対に碌なものじゃないという確信だけある。

 普遍的に価値あるものと考えると正体は絞られてくる。不老不死とか尽きない富とか、そういうのだろう。

 

「まだ、聞きたいことがありますか?」

「えっ、ええと……私はない、かな?」

 

 高巻先輩の言葉に他のメンバーも頷く。坂本先輩も、ひとまず気は済んだのだろう、何か言ってくることはなかった。

 行き同様、先輩たちの手を引いてメメントスを離れ現実世界に戻る。2度目はもう驚きもしない。順応性が高い。

 

 その場は解散になって一緒に歩くのは、帰り道が同じルートの雨宮先輩とモルガナだけになる。

 

「一葉は、どんな対価を払った?」

「?」

「リャナンシーに」

 

 ああ、その話か。

 みんなのいる場で聞かなかったあたり、予想はできていそうだ。

 

「生命力です」

『……そういうことか』

 

 それでモルガナに当たりがきつい、なんて訳じゃないんだけど。単純な好き嫌いの問題に近い、と思う。たぶん。

 まあわざわざ訂正することでもない。

 

「すぐにどうこうというものじゃないですし、むしろ彼女なしではすぐに死んでますし。

 うまい話はないということですね」

 

 比較的人に寄り添ったタイプの妖精でこれなのだから。

 

 

 

一葉の読みですが、私は一葉という文字列として捉えているので音は問いません。何を当てても正解です。 気になるのであれば決めましょう。投票で多かったのが公式見解ということで、よろしくお願いします

  • カズハ
  • ヒトハ
  • イチヨウ
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