ごちうさならチノちゃんが好き。
ウェイトレス衣装が好きなので初投稿です。
4月30日(土)
朝、教室で待ち構えていたのは矢嶋だった。
「おー樋口、おはよう。お前まだ引きずってるの?」
「いや、まあ…うん」
今朝になっても、双葉の部屋の戸を叩く勇気はなくて、佐倉さんがもう家を出ていたのをいいことに、そのまま逃げるように登校した。
「この世の終わりみたいな顔してるぞ」
「そこまでじゃないって」
誰か鏡持ってるやつ、とかなんとか言って女子集団から煙たがられている。本当にやめてほしい。
元気な挨拶が聞こえた。芳澤さんだ。
「おはようございます!
……どうかしたんですか?」
「なんか色々あって樋口が傷心だ。芳澤さんのよしよしパワーで慰めてやってくれ」
「え、ええと?」
「やめて、芳澤さん困ってるから」
朝から訳の分からないことに巻き込まれたのに、芳澤さんはすぐに困惑の表情を引っ込めて、いつもの調子で微笑んだ。
「私でよければご相談に乗りますよ」
「ほら、なんか話せよ」
「やだよ。もれなく矢嶋も聞いてるし」
善意を無理やり引き出した感じがある。
それに、仮に矢嶋がいなくても嫌だ。極めて個人的な話だし、新たな問題は何も起こっていないのに相談も何もない。あの日から何一つ進んでなどいなかったと確認しただけじゃないか。
「悪い、樋口はシャケだった」
「…あ、それを言うならシャイですね!」
「そうそれ、謝意を示すわ」
「突っ込まないからね」
芳澤さんで遊ぶな。いい感じにすっとぼけた回答が返ってくるなあ、とは思うけれど。
小さな声で矢嶋が耳打ちする。
「やるってことでいいんだよな」
「うん。当たり前」
それとこれとは別の話だし。
昨夜の時点で、既に作戦会議は済んでいる。
今回は、舞台と小道具が主役みたいなところがあるから、それらを見せるための誘導の仕方などが直前に叩き込まれたのだ。演出家飯塚さんの手によって、グループチャットに上げられている台本には、細かい書き込みが追加されている。
「また何か催し物ですか」
「そんな感じ。楽しみにしてて」
「なんかいいですね。文化祭みたい」
そんな規模ではないけれど……いや、実際盛り上げようとする人数はこんなくらいか。
2時間目終了時、飯塚さんに声をかけて教室後方へ。花咲ロリータは、このタイミングで開演する手はずになっている。
「演れるね?」
「うん」
「ならいい」
むしろ、今は僕でいるよりも、他の誰かであるほうが気が楽だ。
飯塚さんの手でロリータに変身させられる。と言っても、授業と授業の隙間にきちんと着替える時間なんてないから、一昨日と同じ長髪のウィッグを被せられるだけ。それでも雰囲気はがらりと変わる。
「似合っているよ、ロリータ」
「ありがとう」
手鏡に映るのは、僕じゃない。
モデルにするのは芳澤さん。背筋を伸ばして努めて自信ありげにする。この先は、少しでも恥ずかしがったら一生からかわれる。
その間、前に出ていた矢嶋が注目を集めていた。
陽キャ2人組がすかさず盛り上げたお陰でクラスの目はそちらに向いている。眼鏡2人はすばやく教室のドアを閉めたのだろう。その前で陣取って、教室移動を防いでいた。台本通りに進んでいる。
「これより、冒険譚 花咲ロリータが開幕します。撮影、飲食は禁止となっておりますので、よろしくお願いします」
矢嶋は館内アナウンスみたいな口上を述べて、こちらに視線を送る。出番だ。
◇
花咲ロリータは少女である。
心優しいことが取り柄の、どこにでもいる素朴な娘。
冒険などには、これっぽっちの憧れもない。生まれ育った土地で静かに暮らせればそれでよい。そんな彼女が冒険に出るのは、やむにやまれぬ事情があってのこと。
事情が何かは知らない。
後から無理やり冒険要素を付け足したのだろう、一切明記されてない。
だから、ここはよくある設定で穴埋めする。例えば……村では絶対に許されない罪を犯したことにしようか。うっかり祠とか壊しちゃった、みたいな。
「ああ、私はこれからどこに行けばいいのでしょう」
とにかく、生まれ育った村にいられなくなった彼女は各地を巡り、根を下ろす土地を探すことになった。
「まあ、可愛らしいワンちゃん」
ある時、ロリータは白犬と出会う。
迷子なのだろう。ロリータは飼い主の代わりに、食べ物を分けてやったり、撫でてかわいがってやったりした。
懐いた犬はロリータの後をついて回るようになる。
ロリータは犬とともに様々な里を訪れ、一生懸命働く代わりに住まわせてもらえないかと頼んで回る。
しかし、どの里も余所者にいい顔はしない。
「働き手はいてもね、食わせてやれないのさ」
貧しい農村で、ロリータは一晩の宿を借りるのみ。
「そんな細腕で漁師の嫁がつとまるか」
賑やかな漁村で、ロリータは一晩の宿を借りるのみ。
「邪魔をしないでおくれ。
わしは対立煽りツイートをしながら一人で静かに暮らしたいのじゃ」
誰からも忘れられたわりにWi-Fi環境のある秘境で、ロリータは一晩の宿を借りるのみ。
ちなみに、脇役はナレーションも含めて全部飯塚さんが演じている。
飯塚さんがロリータ役をやったとて、劇から逃れる術はなかったらしい。どこから出したのか分からない謎の小道具が出るわ出るわ。
冒険劇らしく、道中で嫁探しをする猿をやっつけたり、人買いに売り飛ばされそうになったのを脱出したりするシーンも台本にはあったけれど、時間がなかったらカットしてとの指示通りカット。
多分だけど、これも後付け。
当初の案のロリータはそういうことしないし。設定上、冒険譚に向かない性格をしている。
「次の里こそ、私を住まわせてくれるかしら」
うん。こっちだ。
しっくりくるヒロインムーブをして退場。教室を出たところでウィッグを取った。
ドア越しに教室のざわめきが聞こえる。飯塚さんがいたお陰で、また何か始まったな、と受け止めているみたいだ。
あとは女装についてのコメント。あれヤバくない?と肯定意見だか否定意見だかわからない声が聞こえてくる。
怖いもの見たさで聞き耳を立てていたい気もするけれど、このときクラスメイトたちとは接触しないように、と台本に書かれているのもあって一度トイレに行く。
「おつ、そろそろ俺らも行くぞ。あ、これカツラいれる袋な。あと筆箱」
「助かる、ありがと」
一通り教室から人がはけたあと、花飾り担当の矢嶋がやってくる。ウィッグを不透明の袋に入れて腕にかけた。
陽キャ2人組の誘導によって教室移動はスムーズに済んでいた。
やや遅れてきた担任だけが、クラスの雰囲気の違いを感じ取ったのだろう、首をひねっている。
「今日は大人しいと思ったら、全員上の空だな。何かあったのか?」
クラスの何人かが堪えきれずに吹き出した。
道化役(本当に何も知らない)となった担任は、何か秘密の物事が進行していることだけ察したようだ。
「お前ら、寄ってたかって仲間はずれにするなんてひどいぞ。先生に言いつけてやる」
「せんせー、早く授業して下さい」
「学習する権利の侵害です」
「すーぐ人に言いつける。これだからきのこ派は」
「なんでや、きのこ関係ないやろ」
誰か突っ込んでやれよ。面倒くさそうだから自分は嫌だけど。
……大体そんな感じで、クラスの思いはひとつに重なり、謎の一体感が形成される。担任だけを残して。
「教え子がいじめる……委員会にいじめ報告しよ……」
哀れ。
やがてロリータは座り込んだ。
「ああ、もう歩けない。
どこか豊かで、意地悪な人がいなくて、静かなところに行きたいわ」
呟いて、そのまま目を閉じたロリータの顔を白犬は見あげる。
「ならば、桃源郷に参りましょう。きっとあなたも満足します」
「まあ、あなた、話せたの」
突然、白犬は喋りだし、ロリータはびっくり仰天。
疲れも忘れて、桃源郷はこちら、と先導する犬の後を追いかけ始める。
つまり、再びの教室移動。
眼鏡ちゃんこと脚本担当が、スマホ片手に指で丸印を作ったのが見えた。教室の飾り付けはつつがなく終了したという意味だ。
陽キャ2人が、次のクラス来るぞ、とか言って追い出しにかかる。
道なき道を進み、やがて開けた土地に出た。
「ここが桃源郷…!」
争いがなく、実り豊かな常春の場所。桃がたわわに実り、心地よい風はほのかに甘い。後に仙郷とも同一視された夢の世界。
実際には、学校でわりと見かけるお花紙によって、無理やり花が咲き乱れている風に飾り付けられた教室。けれど、なんだかそれっぽく見える……気がする。
だいたい全員入りきった辺りで、白犬こと飯塚さんが大きく腕を広げた。
「良いところでしょう。
ここに住みましょう」
白犬は言う。
「食べ物はたくさんありますし、意地悪を言う人もいません。誰かの邪魔にもなりません。
いつまでも幸せに暮らしましょう」
ロリータは辺りを見渡す。
のどかな風景だ。草原と桃の木と、澄み渡る空。気持ちよく昼寝ができるだろう適度な日差し。
けれど、ロリータは疑問に思う。
たっぷり数秒間、時間を開けてロリータは白犬に問う。
「なら、どうしてここには誰も住んでいないの?」
「…おや、気づいてしまわれましたか」
白犬は耳の端からたちまち灰になり、消えてしまった。
気づくと、ロリータはある川辺の里にいた。
山中で行き倒れていたロリータを地元の住民が介抱してくれたのだとか。
「白い犬を見ませんでしたか?」
「さあねぇ…? いなかったと思うよ」
ただ、ロリータの両の手には灰が握られていた。
灰は風にさらわれて、川の土手の枯れ木に降り注ぐ。するとどうしたことか、木は生気を取り戻し、いくつもの蕾をつけ、花を咲かせた。
たちまち噂は広まり、ロリータは里の人気者。
「どうか、この里に置いてもらえませんか。たくさん働きます」
「もちろんさ、花咲ロリータ。歓迎の花見をしよう」
そうして、ロリータは川辺の里でいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
「これにて、花咲ロリータは閉幕となります。ご観劇ありがとうございました」
一同前へ、全員で前に出て手をつなぎ、礼をする。
数が少なくてさみしいからと脚本担当まで駆り出された。見事に足並みがズレている。
「ありがとうございました!」
全員前に出ているから、仕掛け人はいない。
けれど、拍手が聞こえる。
震源は芳澤さん。
それに釣られるようにして、拍手は波みたいに広がっていく。
満開の拍手の中で、遅れてやってきた担任だけがまるで意味の分かっていない呆け顔をしていて、それが可笑しくてみんなで笑った。
◇
「おつかれ。各々思うところもあるだろうが、無事終了してなによりだ。軽く反省会をしておこう」
半ドンだから既に帰路についている生徒も多いなか、飯塚劇団のメンバーは教室の後方に集まっていた。
「反応はどうだった?」
「おおむねいい感じ? あの後、白犬何者って話で持ちきりだった」
「装飾も流用できるように大袋に回収したし、また何かに使えるだろ」
「そう言われれて以来、ずっとほこりをかぶっていた小道具たちの供養になったよ」
この大袋かかえて帰るのか……と眼鏡くんこと装飾担当が遠い目をしている。飯塚さんがどこからともなくサンタクロース帽子を取り出して、頭に被せた。
「飯塚さんは四次元ポケットでも持ってるの?」
「残念、検知不可能拡大呪文だ」
「やはり魔女だったか。
てか、眼鏡くんが居なかったら装飾終わらなかったわ。あらかじめパーツ組んどかないとキツそう」
「それどこに置くんだよ。バレバレだろ」
「逆に考えるんだ、バレてもよかろうと」
「おーい、そこの2人は反省ある?」
会話の輪から外れている僕と脚本担当を発見した矢嶋が、気を利かせて話を振る。今ちょっと人と会話をする余力がないから、振らないでほしい。
「脚本が微妙って言われたので筆を折ります……」
「女装癖って言われる根拠になるでしょこんなの……」
「わあ、じめじめスパイラル」
「でんでん虫かな?」
溢れ出る陰のオーラの直撃を食らってなお、陽キャ2人組は平然としている。つよい。
それどころか積極的に慰めに来る。
「結構よかったと思うけどな。脚本も俺には書けないし」
「だよな。まあ、なんでロリータが犬と桃源郷に住まなかったのか謎だけど」
「桃源郷は理想郷と違って非実在性が重要だから死ぬか夢オチじゃないと行ったことにできないからああなったというか動物が話した時点で異界入りが明白になって怖がってくれるかなってあと生還させたかったしでも書くとうまくいかないんだよね……あああ」
「なるほど分からん」
「こりゃ重症だわ」
ぶつくさ言っているうちは、改善策を考えてるってことだから、筆を折ったりしないんじゃないか。お前らがいじめるなら筆を折るからな!本当にいいんだな!と精いっぱい威嚇しているだけというか。
放っておいてもそのうち正気に戻ると思う。
「で、そっちは? 似合ってたぞロリータ」
「似合いたくなかった……」
「女装というか、もはや変身だったからセーフ。堂に入りすぎ? すり足すぎてとる揚げ足がない、みたいな?」
「穴がなくても掘って入りたい……」
それなりにうまくやったと思うし、飯塚さんの小道具に注目が集まっていて視線は分散していた。
今のところ悪評も聞いてないし、ずっと平然としていれば、変につつかれることもないと思う。つつかれたとて、弱みでも握って黙らせ…話し合いをすれば解決する。
だから、今懸念することも恥ずかしがることもない。ないけども。
「もうちょっとそっとしておいて……」
「お、おう…?」
もう数分だけ待ってほしい。
隣で脚本担当もぶんぶんと頷いて……いや、悶えているだけか。
「ところで、お台場観光どうするよ。全員揃いそうな5日でいい?」
「おー」
「どこ行く? 遊園地?」
「この直前でチケット取れるか?」
「あー……適当に歩くだけでも楽しいだろ。この時期なら何かしらイベントやってそうだし」
「とりあえず、朝9時に東京テレポート集合で」
いつの間にかそういうことになった。
話がまとまって解散する頃には、僕も脚本担当も落ち着いて「脚本まぢ無理なんで人の書いたやつに文句言えるの?」
落ち着い「てか何も書いてないあいつらより私のほうが偉いわ」
落ち「腹いせにあいつらの精神をバキバキに折る脚本書いてやる!」
……闇落ちしていた。
とにかく、じめじめスパイラルからは脱却したから良しとする。一応やる気は出しているし。
触らぬ神に祟りなし、そっとしておこう。同じ結論に達したらしい飯塚さんはパンと手を叩いた。
「それじゃ、解散。また2日!」
「飛び石だなぁ」
「勝手に連休にしてるやつは俺たちの劇見逃したんだ、いい気味だろ」
「そうかな…そうかも…」
校門を出たところで、元気な声に呼び止められる。
「あ、佐倉くん。偶然ですね。色々してたら遅くなってしまって」
「いや、待ってたよね」
「……! 分かりますか?」
分からいでか。
反省会をして、短くない時間が経過している。いつもの芳澤さんならとっくに学校を出ているはずだ。
「ええと、バレちゃいましたね。私が佐倉くんとお話したかったので、出待ちしてました」
「別にいいのに」
「よくないです。友達でしょう?
こうでもしないと佐倉くんは一人でうじうじ悩むんだろうな、と思いました」
「ええ…」
「そういう子に心当たりがあるので」
芳澤さんに連れられるまま、学校付近の自販機の前まで来る。
「私、佐倉くんのこと心配したんです。無理やりやらされてるんじゃないかとか」
「そういうのじゃないよ」
「はい、分かります。
はまり役ってあのことですね。舞台の上の佐倉くんは本当の女の子に見えました」
素直に喜ぶべきだろう。
それほど練習を頑張ったわけでもないのに、成果が上がるのは釈然としないものがあるが、そこからは一旦目をそらす。
「私、佐倉くんのことを不思議な人だな、と思ってました。苦手なことにも頑張って挑戦しているのに、その理由が見えないから。
でも、何となくですけど分かった気がします」
理由、また理由だ。近ごろはそれに呪われてると言ってもいいくらい。
それらしい回答でも用意すればいいのだろう。上辺だけだと勘付かれても、気のいい人ならひとまずそれで納得したことにしてくれる。つい最近それでコケたけど。
理由が見えないのは不気味だし不安だ。聞き出したいと思うのも当然のこと。
けれど、強引に聞き出そうとしたのは、やはり駄目だったのだろう。
「女の人は自分が弱いのを知っているんです。
腕力では男の人に勝てませんし、弱い立場に置かれることも多くて……佐倉くんには分かるんですよね。そういう気持ち」
その言葉は意外に感じた。
明るくてひたむきな姿ばかり見ていたからか、無意識のうちに芳澤さんは強者の側だと思い込んだのかもしれない。
多分、双葉も怖かった。
今の双葉にとっての世界は、僕と佐倉さんと佐倉家だけ。佐倉さんが居候に構っていて、僕は秘密ばかりを作っている。
そんな中で、数年ぶりのお出かけの誘い。理由はわからないにしろ、双葉には応じるのが難しいこと。けれど、拒んだらどうなるだろう。怒られるかもと、見捨てられるかもと、思わずにいられるだろうか。
「いつも佐倉くんは、怖いって思っているんじゃないですか? 立ち止まったら恐ろしい怪物に食べられちゃうかもって」
「そんなこと、」
「でも、競技前に控室で泣きそうになってる子と同じ顔をしています」
いつもこんなふうにしているのだろう、芳澤さんは小さい子にするみたいに屈んでこちらに笑顔を向ける。犬の尻尾みたいに結んだ赤髪がはねた。
「佐倉くんは、ちゃんとした自分じゃなきゃ許せないんですね」
当たり前だ。
だって、何もなければ双葉の方が出来る。
そうでなかったから、せめて正しく良いものでいなければならない。そうでなければ申し訳が立たない。
「でも、私は良いと思うんです。
運動が苦手な佐倉くんも、人のために頑張る佐倉くんも、それ以外も全部」
「肝心なことは何もできないよ?」
「良くなろうとしている人は良い人です。私が保証します。だから、大丈夫」
芳澤さんが純粋な善意で言っていることが分かる。
誰かに寄り添うのは芳澤さんにとってはごく当たり前のことで、そこに悪意も敵意も混じる隙はない。
信じたいとも思う。
何かに縋って気が休まるなら、それも選択肢のひとつだと思う。それに、差し出した手を振り払われるのは芳澤さんでも気分を害することだろう。
「……」
けれど。
脳のどこかで警鐘が鳴る。受け入れるな、と。
双葉を放っておいて僕だけ誰かの救いの手を取るなんてとか、それらしい理由は思いつくけれど、きっとそういうことではない。
無意識下でより合わさってできたのだろう、まったく合理的に見えない正答。僕はもう二度とこの勘というものに背いてはいけないから頷けない。
「心配してくれてありがとう。もう少し自分で考えてみる」
「…はい」
一葉の読みですが、私は一葉という文字列として捉えているので音は問いません。何を当てても正解です。 気になるのであれば決めましょう。投票で多かったのが公式見解ということで、よろしくお願いします
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カズハ
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ヒトハ
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イチヨウ
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その他(感想へ)