がっこうぐらし!ならみーくんが好き。
でも視聴すると絶対に夢に見るので初投稿です。
19駅目 希望
5月3日(火)
「あの、佐倉さん。明後日、クラスの友達とお台場へ遊びに行くことになって…」
養ってもらっている身で遊ぶ金の無心をするなんて、と思う。けれど、資金援助(仮)の話があった手前、遊びの予定を言い出さないのも悪い。
おずおずと切り出した僕に、佐倉さんは指先で髭をなぞりながら提案した。
「一葉、店に来い」
「え?」
「軍資金が必要なんだろ?」
金が無いなら働けばいい。ようやっと、そういう年齢になったのだった。
喫茶店ルブランは盛況だった。
……盛況だったのだ、驚くべきことに。そんな事があっていいのだろうか。普段との温度差がすごい。これでも連休中だし、喫茶店としては普通なのかもしれないけれど異常事態だ。
「先輩、カレーが2卓、ブレンドが3卓」
「分かった」
だとしても、客席数からしてバイトは一人でも充分回せそうだ。
当初は雨宮先輩だけをバイトとして起用するつもりだったはず。人件費というのは驚くほど高いので。
つまりまあ、このアルバイトは佐倉さんの気遣いの結果で成り立っている。
「すみません、注文いいですか?」
「はい。何になさいますか?」
今まで存在意義を見失っていただろう注文票が活躍している。
双葉じゃなくても余裕で注文を覚えていけるくらいの人数しかいなかったので、棚の隅で埃を被っていたのを引っ張り出してきた。
佐倉さんは厨房とカウンターを行ったり来たりしている。客の前に出るのはバイト二人の仕事だ。
走り書きの注文票を厨房の端に置いて、代わりにカレーをお盆に乗せた。
「マスター、中坊はまずいだろ」
「高校生だっての」
「ええ、あの小さかった一葉くんが? 時が経つのは早いねぇ。いや、今もわりと…」
などと失礼なことを言ってるのは常連さんだ。伸びなかったものは仕方ない。
ルブランは俺が支えているとか言いながら、昼間から数時間一杯のコーヒーで居座っていた何しているんだか分からない人に言われたくない。
「いやぁ、いいもんだね。若い子がいるのは。連休だけかい?」
「そうですね。何か注文しますか?」
「マスターのコーヒーがあれば充分さ」
今日もコーヒーだけで居座る気らしい。ほぼ満席なのに。絶妙に満席にならないので追い出すこともできず、お客さんの顔ぶれが入れ替わる中、常連さんはいつもの席に座ったままだ。
別の卓を空けることにしよう。
「ありがとうございました」
空のカレー皿を重ねて、紙ゴミを中に。コーヒーカップをお盆に乗せ終わったところで、持ち上げようとする。
「わっ」
ガチン、と皿同士がぶつかる。危ない、バランスを崩して落としかけた。
「一葉は2卓の注文とって」
雨宮先輩はひょいとお盆を持って、厨房へ。
先輩が置いて行ったのだろう、いつの間にかあった布巾でテーブルを拭いた。
「一葉、皿洗いに回れ。割るなよ」
「はい」
お客さんが減ってきたあたりで、厨房に入る。回収だけされてそのままだった皿を洗って、定位置に戻していく。
「もう上がっていいぞ」
大分日が傾いてくると客足が落ち着いて、というか誰もいなくなって、僕と雨宮先輩は労働から解放された。
「これ、今日の分だ」
「ありがとうございます」
封筒を渡される。お給料だ。中に数枚の紙の感触がある。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
雨宮先輩と労いあう。
先輩はバイト慣れしているのだろう、ずいぶん手際がよくて助かった。…助けられた。バッシング手伝ってくれたし。
この後はどうしようか。何かを始めるにはもう遅い時間だけど、一日を終わりにするにはまだ早い気もする。
「お前らカレー食ってくか?」
「まだ営業時間じゃないですか」
「昼、そんな暇なかったろ。まかないだ」
そういえばそうだ。忙しなく動き回っていたから忘れていた。
ありがたくいただくことにした。
「一葉はルブランでバイトしたことあるのか?」
「今日が初めてですけど」
「手慣れている気がした」
「ありがとうございます…?」
アルバイトは初めてだ。
今まで年齢的に雇ってもらえなかったし。
けれど、給料が発生しないちょっとした手伝いなら以前に何度かした覚えがある。常連さん達に覚えられているのはそのせい。
その時はこんなに混んでいなかったから、コーヒーの話を聞きながらのんびりやっていた。
「でも、雨宮先輩の方がバイト慣れしていますよね」
「地元でやってた」
「道理で」
わりと無法地帯な秀尽と違って、一般的な高校はバイト禁止も珍しくない。ネットの海を見る限り、禁止されても働いている連中も多い様だけど。
「あと、最近はコンビニと花屋と牛丼屋で働いてる」
「よくそんな時間と体力がありますね」
本当に同じ人間なのだろうか。
なんか一人だけ別ルールの世界に生きていそう。風呂に入ったら体力が全回復する、みたいな。
「そういえば、先輩はお風呂どうしてるんですか?」
「銭湯」
「ああ、すぐそこの」
「行ったことある?」
「いえ。家風呂じゃないと落ち着かないので」
銭湯、あった気もする。いつも通り過ぎているから、視界に入っていても印象がほぼない。
そんなに利用者がいるのだろうか。よく生き残っているものだ。ルブランが営業できるくらいだし、案外大丈夫なのかもしれない。
「四茶ってどうやって採算取っているのかわからない店多いですよね」
バッティングセンターとか、映画館とか。
ああ、映画館は死にかけてるんだっけ。しばらく前からシャッターが下りたままだ。
「堂々とうちの悪口か?」
「まさか。ルブランは採算取れてないこと分かってるので…」
「こりゃひでえ」
趣味としか思えない経営をしていて酷いも何も。
「でも、だから好きですよ。ルブラン」
「そうかい」
そういうお客さんも多いと思う。誰かが情熱を注いだものはいいものだ。お金になるかどうかは別として。
豆選び、機械の手入れ、それからルブランカレー、細部に至るまで佐倉さんのこだわりが込められている。
いつも居座る常連さんなんかは、特にそういうのを嗅ぎ取っているのだろう。
「前にも同じようなことを言われたよ」
誰に、とは聞くまでもない。
佐倉さんにがこういう風に話をする時は、母のことを言っている。なんとなく居心地が悪くなって、黙々とカレーを口に運んだ。
家に戻ると、双葉が玄関先で待ち構えていた。飛びついてくるのを受け止める。
「おかえり」
「ただいま」
「店、忙しかったんだ?」
「うん」
今日もしっかり聞いていたみたい。帰ってくるのも分かっていたと見た。
双葉は僕の服の袖を引っ掴んで、自室に引っ張っていく。連れられるまま部屋に入ると、双葉は内側から鍵をかけた。
なるほど、今日は少し機嫌が悪い日みたいだ。
「抜け駆け」
「え?」
「わたしもカレー食べたかった」
「ああ、そういう……佐倉さんに今日はカレーがいいって言ってみよう?」
「でも、わたし働いてない」
双葉が引っかかっていたのはそれか。
別に、働く対価としてでなくとも食べていいと思うけれど、双葉の言いたいことも分かる。不公平だと、後ろめたく思うのは止めようがない。
「一葉みたいに、できてない」
「……そう見えるだけだよ」
できなくても、やりたい。やらなければならない。だから、みっともなくてもやる。
僕はいつもそうやってきた。それができた。双葉はその権利を奪われてきたのに。これが抜け駆けでないなら何だろう。
「ごめん、忘れて。やつあたりした」
「いいよ」
「よくないよ。一葉は大体何でも許しちゃうもん」
「ええ…。なら、許さなければいいの?」
「うん。でも多分一葉が嫌だから、許してもいいよ」
「ついていけないんだけど」
「だよね、知ってる」
やつあたりくらい構わない。
何も起こらない日々が続くよりもずっといい。そう思うから、僕は双葉を置いて学校にも行くし、バイトもするし、遊びに行きもする。
そこに罪悪感はある。迷いも。だから、双葉から非難されるくらいで丁度いい。
……だから、双葉も許されたくないんだ。それは気づかなかった。
「あのね、一緒に見たいの録画した。見よ」
「うん」
双葉はぱっと立ち上がると休止状態だったパソコンを起こして、録画ファイルを開いた。
内容は探偵もの、はじめから犯人が分かっているタイプの話。伏線の張り方、絵の出来、全体的に丁寧でよくできている。端的に言って好みだ。
「こう、ねちねち追い詰めていく感じがいい。言い逃れする度に証拠出してくの、芸術点高い」
「十年前ならまどろっこしいだけって言ってそう」
「うん、言う。それで一葉しか見ない」
「容易に想像つくね」
繭の中で双葉も変わりつつある。
変わりたいと思ってくれている。今日のことだって、変化を望んでいるからこそ。今はそれを素直に喜びたい。
自分の部屋に戻ってきて、いつもの双葉みたいに腹ばいになってベッドに寝転がる。
大事に持っていた封筒を開けると、数枚の札が出てきた。
『ずいぶん嬉しそうね』
気づいたら、リャナンシーが後ろから覗き込んでいる。
『一日かかって、これっぽっち? 駅で巻き上げたほうが早いじゃない』
「そういうことじゃないよ」
『ふぅん?』
自分で働いて得たお金は嬉しいものだ。何の憂いもなく使えるお金を手に入れたというのもあるけれど、やっと…人権を得た、みたいな。認められたような気になれる。
『使ってしまえば同じものだわ』
「そうだね」
けれど、こういうものの積み重ねが必要なんだと思う。
お金だけの話じゃない。奇跡みたいなものに縋るよりも、ずっと安全で成果がでない、そういう道をはじめから選ぶべきだったんだ。
5月4日(水)
「佐倉さん、今日もルブランに行った方がいいですか?」
「小遣いが足りないならな。昨日の感じからして居候だけで手は足りそうだ」
一人バイトが増えるだけ赤字が増えそうだ。別にお金が足りていないわけじゃない。
雨宮先輩がこき使われるのは決定事項みたいだ。家賃代わりに手伝え、とか言われてそう。
本は高価だ。
文庫本でもそれなりにするのに、専門書の類になればお小遣いでは到底賄いきれない。そうなると自然、図書館か古本屋かの二択になる。
とはいえ、せっかくバイトをして稼いだお金をむやみに散財するのはやめておきたい。
「本借りてくる」
「おー」
双葉に声をかけて、適当な袋と図書館の利用カードだけ持って家を出る。
我らが四件茶屋には、図書館の出張カウンターがあって、現地に行かなくても区内の本は受け取れるようになっている。
ネット上でいくつか読みたいのを予約しておいたから受け取るだけ。本棚をぼんやり眺めるのも好きだけど、目当ての本を見つけるのは得意ではないから、読みたいものだけ届く仕組みはありがたい。
「俺が借りたかったのは旧訳版だっての。去年まであっただろ、持ってこいよ」
「申し訳ありません。
古いものは昨年末に廃棄図書として無料配布しておりましたので、もしかしたらその中にお探しの本が…」
その難癖の付け方は初めて見た。変な人もいるものだ。
ささっと手続きを済ませて、数冊の本を受け取った。用は済んだから帰ろう。
家の方に足を向けたところで、リャナンシーに行く手を塞がれた。
『寄り道しましょう。小腹がすいたわ』
「借りたの読みたいんだけど」
『私は勝手にやるもの。あなたは立ち読みでもしていればいいんじゃないかしら』
「訂正、家でゆっくり読みたい」
リャナンシーはすっと目を細める。
『あなたから吸い取ってもいいのよ?』
脅迫するほどなら、それは小腹がすいたのレベルではないと思う。
無人の路地に入って、そのまま世界の層をまたぐ。たちまちの間に世界は赤と黒に塗り替わった。
この移動も慣れたものだ。駅はいつも通り閑散としている。
『なんだか久しぶりね』
「自分から入ったのは春休みぶりだからね」
これが自分からと言えるかは別として。
エスカレーターを降りて、ついでにホームからも下りる。相変わらずこの場所は薄暗い。
いつもの線路を歩きながら、たまに現れる敵影をリャナンシーは鼻歌交じりに自身のエネルギーに変えていく。
『退屈していたの。前はかなり奥まで行ったでしょう?』
「全体攻撃してくるのがいて逃げ帰ったけどね」
『一度、奥底を確かめるべきだわ』
「だから全体攻撃で死ぬんだって」
自衛手段がないので、こちらを狙われたら普通に死ぬ。リャナンシーはもともとこちら側の存在だから、僕が死のうと困らないのだろうけど。
今更ながら、奔放な彼女がなぜ仲魔などという窮屈なポジションに収まっているのか疑問に思う。
『全てのニンゲンのオタカラなのでしょう。きっと力あるものよ。手に入れれば、何でもできるくらい』
「悪巧み?」
『そうね。この世の理から変えられる、かもしれないわ』
これはまともに聞いてはいけない系統の話だ。悪魔の甘言とかそういう類。どんな罠が潜んでいるか分かったものじゃない。
けれど、全く聞かないで落とし穴にハマるのはごめんだ。多少興味があるふりでもして、引き出せる限り知っていることを話してもらおう。
「ごめん、どういうこと? 話のスケール大きすぎない?」
『理を敷く側へと至るのよ。望むなら協力するわ』
うっそりと微笑む妖精に首を横に振る。
「やりたいならリャナンシーだけでやって」
少なくとも、才を重視する彼女なら双葉にとって悪いようにはならないだろう。他は……ちょっと駄目かもしれない。
『できないわ。知恵が足りないもの』
「リャナンシーは妖精の中でも賢い方だと思うけど…そういう話じゃないんだ」
望むなら協力する、というくらいだ。ならば、知恵というのは僕を指しているはず。完全にイコールで結べるかどうかは知らないけど。
「知恵って、他の誰かじゃダメなの?」
『もともと一つだったものを分けたのだもの。それ以外が入る余地なんてないわ』
「分けた?」
『屈辱的な話よ。気がないなら聞かないでちょうだい』
それきりリャナンシーは口を閉ざしてしまった。もう話すつもりはないらしい。
一つだったものを分けた。何者かが。
でも、それはおかしい。リャナンシーは妖精で、妖精というものは人の心が描いた存在だ。ならば必ず人が先であり、妖精は人に付随して現れたもののはず。
この前提が違ったら、もう何も言えないけれど、そこは認知訶学を信じるとして、何かを分けて人と妖精になるというのでは順番が違う。
あるいは、知恵というのは人間そのものを指していない?
『あら、ここは巣ね』
「線路が見事に捻れてる」
考え事をしているうちに、珍しい場所を見つけた。
一応地面に沿っていた線路がねじ曲がりながら中に浮き上がっている。中は独立した部屋のようになっていて、こちらからは見えない。
『行きましょう。少しは骨のあるのと戦えそうよ』
「殺さないでね」
今までの傾向からして、中には人型がいる。現実の人間の精神体だ。こちらで殺したら現実でも死んでしまう。
リャナンシーの後を追って巣の中へ入る。
「なんかすごく見たことある人だな…」
『さっき本がどうって喚いていたニンゲンだわ』
「なんだよお前ら、俺になんか文句あるってのか?」
捜していない人に限ってすぐ見つかる。本の貸し出しカウンターで変な文句をつけていた人だ。
「どうでもいいけど、司書さんに迷惑では?」
「あんなやつら税金泥棒だ、何言ってもいいんだ。貸し出しの仕事すら機械に任せやがって」
「それとこれと関係なくない?」
まるで話が通じない。
勝手にヒートアップして体が靄に包まれる。出てくるのは、人ではない怪物だ。
『知るか! 俺が不幸なのはアイツらのせいだ!』
ぺしーん、と平手打ちが飛んだ。我が仲魔は、殺さないで、という指示を守って手加減したらしい。
それだけで化けの皮が剥がれて、人型はへたり込んだ。
『それで、何か言うことは?』
「ひい、命だけは!」
「取らないから、司書さんに謝って。あと行動を改めること」
「はいぃ!」
人型は光の粒になって消える。現実の自分にかえったのだろう。
光が散った後に草臥れた紙切れが落ちていた。これは、栞だろうか。歪な文字で、本マスターと書いてある。
『改心の真似かしら?』
「実験も兼ねて。あと単純に不快だったし」
必要な工程は踏んだと思う。戦って、天狗の鼻をへし折って、現実の自分にかえらせる。
後で現実の司書さんに聞いて、あの人の精神が変化したか確かめよう。
『思ったのだけど、これ、放っておいたらパレスになるんじゃないかしら。
自分のものみたいに場所を占有しているし、主を倒すと物を落とすでしょう?』
「……ありそう。
ねえ、これがパレスになったとして、ここから中に行けると思う?」
パレスが崩壊したとき、残骸はメメントスに落下した。
メメントスからパレスが立ち上がるとしたら、その繋がりを辿ってパレスに侵入できないだろうか。
『どうかしら、少なくとも私は難しいと思うわ』
「どうして?」
『高いところから下りるのと、下から登るのならどちらが楽かしら?』
位置関係の問題か。
認知世界に現実の物理法則は関係なさそうに思うけど、無意識にそのルールが適用されている可能性はある。
それに、メメントスの下層には、吸引力のようなものがあった。オタカラによるものなのかは定かではないけれど、力に指向性があるなら、パレスに登るのは困難だというのも頷ける話。
『あなた、やっぱりそうしている方がいいわ』
「?」
『妹を救うためなら何でもするのでしょう?』
……ああ。今のは良くなかった。
言われて気づく。リャナンシーは良しとしたけれど、それは彼女の基準においての話。
奇跡には依存性がある。
いつの間にか、また使うことを考えていた。そうでない堅実な道を尊んでおきながら、手っ取り早くリャナンシーを使って物事を解決する、なんて。
『別にいいじゃない。仲魔だもの、何でもしてあげる。私がついているわ』
「それは…駄目」
鴨志田先生の件で思い知った。
諦めていたものが変えられる。彼らは自分たちの持つ奇跡的な力で、それだけのことをした。
顛末を目撃したあの場の生徒は、少なからず影響を受けた。すごいものを見た、と本能的に理解したのだと思う。自分でも、と勇気を得て、何でもできるような気さえするほどに。
けれど、それは奇跡に頼らなくてもできなくちゃいけないことだと僕は思う。
双葉とは、話ができて、触れられる。
『怖くなったの? それとも…あなた、まだ手段を選んでいられるつもり?』
「違うよ」
本当に手段を選ばないなら、恥も外聞も捨てて、雨宮先輩に頼み込めばいいのだ。僕の妹を助けてください、そう言うだけできっと手を差し伸べようとしてくれるだろう。
でも、しない。
資格がないまま、双葉を助ける道を探している。最善を迂回してまで。
怖いから?
違う。
信用していないから?
違う。
プライドがあるから?
違う。
「双葉を連れ出すのは、僕がいい。そういう、わがままだよ」
他の何にも許したくない。
リャナンシーにも、雨宮先輩にも、佐倉さんにも、そうかもしれない。
一人では何もできなくて、他力本願ばかりのくせに、そういう欲が湧いた。
希望を見たから。自分にも何かできるかもしれないと、信じたくなったのだ。
一葉の読みですが、私は一葉という文字列として捉えているので音は問いません。何を当てても正解です。 気になるのであれば決めましょう。投票で多かったのが公式見解ということで、よろしくお願いします
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