NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

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第十一話

僕が初めて任務で人を殺した日はひどく鮮明に脳に焼き付いている。

 

 

 

任務内容は他国から盗まれたらしい禁書を奪い木の葉に持ち帰るというものだ。

それが本当に盗まれたのかはわからない。忍びになって僕が初めてわかったことは、忍びは盗みもするし嘘もそれはもう真実の方が少ないってぐらい沢山つく。僕もついてきたし、いろんな巻物やらを他国から盗んできた。

今回上忍一人中忍一人下忍の中でも圧倒的に力があった僕一人。合計三人でスリーマンセルを組んでいた。いつも通り巻物をこっそり奪いその場を静かに立ち去る。

バレたことはなかった。上忍は里内でも優秀と有名でありビンゴブックにも載っているぐらいだ。

中忍はいつも変わっていたけれどなかなか力があるやつらだった。けれど今回は違った。明らかに任務が始まる前から緊張していて大丈夫自分なら出来るとブツブツ独り言を言っているやつだった。僕はいやな予感がした。いつもは自信満々なやつが来るのにどうしてこんなやつが…。大丈夫かこの任務と思っていたらやはり大丈夫ではなかった。

 

そいつが致命的なミスをしたのだ。巻物をこっそりと奪う役をその中忍に経験としてやらせれば、なんと巻物はなんとか奪えたが巻物を保管していた者たちに暴露て追手を3人引き連れて来た。

中忍は必死に走り寄って来て上忍に巻物を渡し少し話した途端に身体が崩れ落ちた。背中には無数の苦無や手裏剣が刺さっており生きているのもやっとの状態に見えた。今現在いる場所は森でありとても高い木の枝にいる。だから崩れ落ちている中忍は今にも枝から落ちこの高い位置から落下しようとしていた。

死亡するのが確実なのだから直様中忍のそばに駆け寄り腕を掴もうとした。しかし逆に上忍に腕を掴まれた。僕は煩わしそうに上忍をじっと見た。

 

「なんですか?」

 

「もう死んでいる。あいつは先程任務を立派に遂行した。

我々は何としてでもこの巻物を木の葉に持ち帰る。

それが我々に出来る最善の事だ。

そのためには今から此方に向かって着ている追手を倒すか巻く必要がある。」

 

仲間である忍びをすぐに見捨てると判断した上忍は冷たい人だと思ったがこれが忍びだと言われれば妙に納得した。

これがうちは一族などの血系限界があるならまた話は別だ。下手に身体を持ち帰られたりして弄られたりするので特殊な一族の場合持ち帰る必要がある。

だがあの中忍は特に特別な一族出身でもないため死体は放置。

ご家族には後々好きなように言い訳をすればいい。努力はしたのですが…最善は尽くしたのですが…

立派に任務を遂行しました。とか。無駄に大袈裟にご家族に報告する。そういうこともしていかなければならない忍びはきっとこの世界で一番のブラック企業だ。

仲間の死は別段初めてではない。流石に初めて見た時は焦りもしたがなんだか画面越しに見ている映画の一部のように感じる。そもそもこんなにも冷静でいられるのはそんなに中忍に対する想い入れがないから。別にシカマル以外どうでもいいわけで…だから別段気にしない。そんな僕を上忍はいい心構えだ。その年でそれだけ落ち着きを持てるのはいいと言っていた。

 

 

 

そして巻物を持ち去り追手から逃げ帰っているのだがなかなかまけないでいた。

そして上忍が降した判断は相手を倒すということ。

僕はそれに従った。

 

 

 

深い森の中、三人の追手の忍びと上忍と僕で向き合っていた。

二人は上忍が相手にするようで僕は一人の追手を相手にした。

実践は正直これが初めてだった。模擬実践は山程していたのだから程よい所までいけるだろう。

僕は静かに首についているネックレスを握る。このネックレスは店先でシカマルが握ってなかなか離さなかった代物。欲しいのかなと思ってシカマルに買ってあげれば姉ちゃにあげると笑顔で言われた。それからこれは僕の大切な大切な宝物だ。

しっかり息を吸い吐く。それをある程度繰り返ししっかり相手を見やる。相手は僕より断然に年上で余裕の表情を浮かべている。

何もしないようなので僕は一歩踏み出そうとした。

したのだが、相手の殺気が…本気で自分を殺そうとしてくる殺気が恐ろしく一歩も動けないでいた。

つーっ…と汗が地面に落ちるのを感じながら相手が徐々に近付いてくるのに一歩も動けないでいた。模擬実践がどれほど意味がないのかがわかった。本当の殺気を受けていないのだから。あれはある程度動けることを前提にやっていた。だからここでは意味をなさない。

 

相手の忍びはあっという間に僕に触れる距離にきた。にも関わらず動けない僕を見てあざ笑った後相手の忍びがそっと僕の宝物に触れる。その瞬間いいようのない怒りが湧いてきた。僕の宝物に無断で触れるなんて許されるはずがないと。僕は重たかった身体を動かし油断していた相手に思いっきり頭突きを食らわした。

 

「っっっ?!!」

 

「僕の許可なしに大事な大事な宝物触れないでくれない?このゴミ屑が。」

 

蔑んだ目で見て目の前の驚いている忍びに苦無を向ける。その途端殺気はより一層強くなった。

 

「てめぇ…殺す…。」

 

そう呟いた瞬間相手は僕には到底見きれない速さで動き始めた。速さを見きれない僕はただ一方的にリンチを受けている様に見える。僕は文字通りボコボコにされた。

 

 

僕は地面に倒れひゅーっひゅーっと息をしていた。身体が動かなくなり思考が定まらない。目の前にはやはり近付いて来る敵の姿がボヤけて見える。

僕はシカマルがいつケガをしてもいいように医療忍術を修行していた。それが今業をなしなんとか自分自身の傷を塞ぐ。だけど相手には悟られてはいけない。

敵は静かに僕に近づきそして僕のネックレスに触り思いっきり引きちぎった。チェーンがボタボタと落ちていくのをぼーっとした目で見ながらシカマルをふと思い出した。あんなにも笑顔だったシカマル。これを僕に渡してきたシカマル。それが今全て壊れた様な気がした。ふと顔をあげれば気持ち悪いぐらいの笑顔な敵。僕に汚い声で話かけてきた。

 

「なぁ、これお前の大事な大事な宝物なんだろ?くくっ、残念だったなぁ。今俺が壊しちゃったぜ?あはははは!!!!」

 

 

それを聞いた時心のどこかが爆発したような気がしたが目が下がっていきゆっくりと瞼を閉じた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

ふと手元に滑りを感じた。

目を開けると自分の手が敵の首を締めている光景が入ってきた。

敵の忍びは頭から血を流し腹には穴があき所々手裏剣や苦無が刺さっている。手には自分の血か相手の血かわからないぐらい真っ赤に染まっていた。

あまりにいきなりのことで首を締めていた手を離した。手を離すと自然にドサリと音をたてて追手の身体が地面に崩れ落ちた。

直様あたりの様子を確認すれば酷い有様だった。

焼け焦げた匂いはするし血の匂いは充満している。先程まで自分は危ない状況だったのにも関わらず今では傷一つ身体についていなかった。医療忍術で回復したのだろうか。その割にはチャクラが有り余っている。それにこの目の前の追手のケガの現状。かなりおかしい。そもそも自分は追手には全く歯が立たなかったはずだ。しかし、今自分は追手の首を締めていた。記憶が全くない。暴言を吐かれてからの記憶が…。

 

暫く考えていたかったのだが、はっと気づいた。

追手は死んでいるのか?ということだ。

自分は盗みや嘘、沢山の罪深き事をしてきた。時代が時代だし、善人だって騙した。

だけど、ただやったことがないのは人を殺す事。

そもそも前世の世界では日本は平和の国であり自分は人殺しなど無関係だった。むしろ人殺しは嫌というほどどれだけ駄目なことか耳にたこができるぐらい聞いてきていた。僕も人を殺す事に対して罪悪感もあるし嫌悪感もあった。だから人殺しはしたくない。と思っていたのに…。

 

急いで追手の脈を確認する。かろうじて生きている。生死の境目だろう。医療忍術で助けれるだろうか。いや、何より血が足りない。どうすれば…人を殺さずにいられる?

どうすれば…僕がこれ以上自分の価値を下げるようなことをしなくてすむ?

それは……僕が助けるしかない。

 

 

「倒したのか?よくやった。シカミ。」

 

医療忍術に取り掛かろうとすれば後ろで上忍の声がした。

僕は肩を揺らし医療忍術をかけようとしていた手は止まった。

後ろを振り返ると返り血を浴びた上忍の姿があった。無表情で僕を見つめ二人の追手を倒したことがその余裕さでわかる。

僕に近づくにつれ無表情が歪んだ顔に変わった。

 

「まだ……殺してないじゃないか。」

 

 

僕が何も答えれないでいると上忍は僕に苦無をしっかり握らせた。

 

「さ、はやく。時間がない。」

 

それに思わず焦った。この人は僕に殺せというのか。

心の余裕の無さから思わず本音を言ってしまう。

 

「殺さなくたって……

いいじゃないですか!」

 

苦無を近くに投げ捨てた。

甘いとはわかってる。

本当は殺さなくてはいけないのもわかってる。

ただ頭はわかっていても身体が動かない。それを許さない。

上忍は睨んでる僕を非難する様な軽蔑したような顔でみた。

 

「これからお前は強くなり色々な任務をし恨みを沢山かうだろう。

それまで自分は人を殺さないでいるのか?」

 

「…それが今である必要がない。」

 

「お前には本当にガッカリだよ。

忍びに年は関係ない。

強くなるためには精神共々強くならなければいけない。今お前の目の前には弱っている敵がいる。今本当の覚悟を決めろ。人を殺す覚悟を決めろ。」

 

「…………。」

 

いまだ何の返答もせずウダウダやっている僕に上忍は溜息を吐いたと同時に先程の追手とは比べ物にならない程の殺気を僕に当ててきた。

 

 

「殺さないならお前はいらない。足手まといだ。此処で殺す。」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

あの後結局僕は人を殺した。

殺気が怖くて恐ろしくて。

その様子に気づいた上忍は不敵に口だけ笑い僕が投げ捨てた苦無を再度拾いあげ手にキツく握らせる。そして耳元で囁いた。

 

 

「シカミ。殺せ。」

 

 

僕はきっと忘れない。

あの後上忍の殺気で起きた追手の怯えていた目を。

そして怯えた目をした後直様覚悟を決めまっすぐ見据えていた目を。

肌を切る感覚とは全く違う感覚で肉を切り裂き骨をおり涙を流しながら嘔吐をしながら追手の首を落とした感触を。

そしてそんな僕を上忍がやはり蔑んでいた目で見ていたことも。

 

 

全てが全て忘れられないだろう。

 

 

ちなみにその日あった出来事はそれだけではない。

将来の口寄せのパートナー。

自称妖精の空也と初めて会っていたのはまた別の話。

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