NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

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第十八話

 

あれからナルトは寝る間も惜しみ木登りをしている。やり過ぎだとかそういう皆の制止を振り切り構わず続けていた。

僕はナルトの護衛兼監視でもあるから彼から離れられない。

つまりナルトが頑張れば頑張るほど僕も外に居続けなければならなかった。今朝ナルトは油断しまくり隙ありまくりで白と出会い接していた。相手の敵意がある感じではなかったのて僕は気配を消しただ見ていただけだけれどこの様なことがあるから僕も油断ができない。

正直迷惑以外のなにものでもないけれどまぁ、これからのことを考えていかなければならないからうるさくて妙に勘がいいカカシがいない所は調度いいのだが…。

 

今ナルトとサスケは森の中にいて相変わらず切磋琢磨に修業をしている。その風景に少しだけ関心しながら木の太い枝にぶら下がり僕は考え事をしていた。

 

それは再不斬のこと。確か再不斬は故郷霧隠れの里に帰り国を手中するという大きな野望があったはず。

そんな男があのようなくだらない賭けで本当に木の葉に来るのか。

僕もいろいろ悩んだ。ならば白のように術を掛けてしまえばいい、という極論に一度辿り着いたのだが、ふと原作を思い出した。

 

確か霧隠れの里は内乱が多く政情が荒れていて正に下剋上などそのようなことが起こる里だった。徹底した実力主義、力こそが正義という風潮。

再不斬は特別にチャクラ量が多いわけでもなく白のような血継限界もない。

再不斬がこの実力主義の里の中、自分の存在をアピール出来るのは残虐な殺しを重ね実績を上げること。

再不斬のアカデミーの卒業の試験。それは生徒同士の殺し合い。昨日まで親睦を深めていたライバルや仲間であった筈の人を殺す。しかし再不斬はなんとも呆気なく生徒を皆殺しにした。いやいろいろな葛藤はあったかもしれない。が彼はそれをやってのけた。それは極めて異例であり霧隠れの里は彼に期待した。再不斬はそれに応えるように実績を挙げていき霧隠れの七人衆の一人となった。

何故ここまでしたのか。それは本人にしかわからないことだけれどきっと再不斬は周囲にあまり期待されず育ちなんとか注目を浴びたかったのかもしれないと考えている。

 

しかし里とはいつもまでも同じ状態ではいられない。里の空気は変わった。

平和と安定を求め始めた里は力が異様にある者を忌み嫌うようになった。再不斬も例外ではなく同胞をなんの躊躇もなく手にかける彼を里の人々は恐怖の対象と見始め彼自身を認めなくなっていった。

 

そして自分を見限った里を今度は再不斬自身が見限り血継限界というだけで迫害にあっていた白をつれ里抜けをした。

 

今までのことから考えるに再不斬の故郷霧隠れの里に帰り国を手中するという大きな野望を言い換えると「故郷霧隠れに自分の存在を認めさせる」になるのではだろうか。

ただ人から認められたいだけで間違えた方向に進んで気付いてしまった時には後戻りできない。

なんともまぁ複雑な上に面倒臭い男だ。けれど同時に哀れでもある。

再不斬は気付いていないのだ。誰よりも何よりも大切に思ってくれている白という存在がいることに。

彼は白に利用できる道具として生きることを何度も話している。何故なら再不斬は白を認めることにより自分の存在を認めることになるから。一見白が再不斬に依存しているように見えるかもしれないが実は再不斬もまた白に依存していた。

原作では白を失い再不斬はそれに初めて気付く。

 

だから僕は術を施さなかった。

白に死なれては困るから白がまるで死んだ様に演出すればいい。ただ僕はそれだけをやればいいのだ。

国でもない、里でもない自分自身を見てくれて認めてくれるその存在は身近にいる白なのだと気付いた再不斬はきっと変わるだろうから。

 

しかし本当に…

 

 

 

「面倒臭い男…。」

 

 

 

溜息を吐いたあと、閉じていた目をあけナルトやサスケの様子を見る。この間とは比べ物にならないぐらい成長していた。

今日、明日にも登り切りそうな勢いだ。

 

 

「おーい!マサキ!俺の駄目な所教えてくれってばよ!」

 

 

ナルトが口の近くに手を持っていき大声で僕に話しかける。

僕はぶら下がっていた木から降りアドバイスをするため近寄る。

サスケも俺にも教えろと偉そうな態度でやってくる。微笑ましい光景だけれど、きっとあともう少しで再不斬との戦いが来る。その時原作通りにいくかわからない。サスケは瀕死状態に陥っていたがもしかしたら何かのきっかけで本当に亡くなるかもしれない。またこうやって修行が出来るだろうか。

それは僕にもわからない。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

二人とも僕のアドバイスのおかげで木登りを出来るようになり三人仲良くタズナの家へと帰った。

 

今はもう皆でリビングの大きなテーブルに集まり座っていた。

僕がシカマルの写真をみて精神を充電しているといきなり確かイナリという餓鬼が泣きナルトを批判し出した。

 

「なんでそんなになるまで必死に頑張るんだよ‼︎修業なんかしたってガトーの手下には敵いっこないのに‼︎いくらかっこいいこと言って努力したって本当に強い奴の前じゃ弱い奴はやられちゃうんだ‼︎」

 

「うるせーなぁ、お前とは違うんだってばよ」

 

ナルトは興味がなさそうにイナリの方を見ないで答える。意外な大人に反応に驚きながら関心する。

イナリはそれが癇に障るようで泣き叫びながらナルトに苛立ちをそのままぶつける。

 

「お前見てるとムカつくんだ!この国のこと何も知らないくせに出しゃばりやがって!お前に僕の何がわかる!辛いことなんか何も知らないでいつも楽しそうかなヘラヘラやってるお前とは違うんだよ‼︎」

 

その言葉にナルトの肩がピクリと動く。今にもナルトが反論しようとしたがイナリの続く言葉と行動にぴたりと止まった。

イナリは僕に指をさし訴えかけた。

 

「それに、お前もだ!いつもいつも写真見て辛いことなんかないように顔をだらしなく崩してヘラヘラして…。見ていてムカつくんだよ‼︎」

 

「お、おい。マサキには止めとけってば。」

 

ナルトが止めるているのを聞きながら僕は無視した。そんな安っぽそうなホームドラマの修羅場よりも今は精神的回復。シカマルの写真を見る方が大切だ。

ナルトはきっと焦ってイナリに話しかけたんだろうけどイナリは僕から返事がないのにムカついて更に叫ぶ。

 

「シカトかよ!なんか言えよ!僕が正論で何も言えないのかよ!」

 

これには思わず呆れる。

これ以上絡まれるのは嫌だからこいつを黙らせるしかない。今はシカマルの写真を見るという神聖な時間なのに。

 

「何を言ってほしいの?

可哀想に。大丈夫?そんなにも無神経で馬鹿で生意気なのも仕方ないよね。だって自分の信じていた父に裏切られて目の前で殺されちゃって…。辛かったよね…………って同情されたいの?いつまで過去を引きずるの?いつけじめをつけるの?失った物ばかり目がいって今あるものを何故大切にしようとしないの?君が何か行動を起こさなければずっとこのままガトーみたいな雑魚に大切な人を殺されちゃうよ。嘆くなとは言わないけどいつまでもそんなんじゃ駄目だよ。」

 

シンとなった空気の中僕は少し居心地が悪くなり外へと出る。

第七班とカカシが驚いた顔をしていたのを横目に。

僕のことだから酷いことを言うとでも思ったのかもしれない。失礼な奴等だ。

 

 

 

外に出てから暫く歩き海を見つめる。あからさまについてくる気配に嫌気がさし出てくるように施すとカカシが隣に来た。チラチラこちらの顔色を伺うように見てくるのが鬱陶しい。

 

「何ですか、何か御用でも?」

 

「なんか…さ、やっぱり変わったよね。シカミ。」

 

「は?」

 

いきなり突拍子も無いことを言われたので思わず間抜け面を晒してしまった。忍びとして駄目だ…。

落ち込んでいる僕を無視せてカカシは構わず続けた。

 

「んー、だってあんなその人のためになる事言うキャラじゃなかったでしょ。まぁいい変化だと思うよ。俺は。」

 

「……。別に。雇い主の子供に失礼なこと言うほど馬鹿じゃないですけど。」

 

「いやいや結構失礼な言葉も入ってたよ⁈」

 

「煩いな、黙れよストーカー。」

 

「ある程度の暴言はもう大丈夫だから!」

 

語尾にハートでもつきそうな感じで話すカカシにひたすら嫌悪感が出た。

 

「きも。」

 

「あ、なんかそれはナチュラルだから真っ直ぐ心に来て傷付く。」

 

 

 

確かに僕自身少し変わっていってるのかもしれないと思っていた。

前まではシカマル以外はどうでもよくて誰が死のうがそんなの本当に知るかって感じだった。一緒にいて幸せで楽しくて最高なのはシカマルだけだったのに、今日ナルトとサスケの修業のアドバイスをし勝負もした。少しだけ楽しいと思えてしまった。今までそんなことはなかったのに。サクラとの会話も飽きなく朝まで話していたのも楽しかった。

それを失いたくないなと今日アドバイスをしている最中少しだけ思えてしまった。原作に介入してどう変わるかなんて知るかと思っていたのに何故か酷く心配になった。

 

前までは考えられなかったのに。

それを認めたくはなかった。何故だか知らないけどそれを認めるのには勇気が必要でなんだか苛立ちを感じた。

 

「僕は相変わらずシカマルが第一で他の人なんかどうでもいいんですよ。」

 

噛みしめるようにカカシに呟く。

カカシの瞳に僕がどううつったのかなんてわからないけれど一人になりたかった。僕は更に足を進める。それにカカシは付いてこない。

カカシが後ろで言った言葉はやけに僕をイラだたせた。

 

 

「全く、素直じゃないんだから。」

 

 

 

 

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