NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

26 / 36
番外編 サスケSIDE

 

「お味はどう?サスケ。」

 

どうでも良さげな顔をしながら、俺の家の台所で勝手に作った料理を並べ、俺にそう聞く。

 

「まぁまぁだ。」

 

そう答えればつまらなそうに、舌打ちをするシカミを見る。

 

「素直に美味しいっていいなよ。

僕がわざわざシカマルに会える時間をさいて来てるのに…。

可愛くないなぁ…。」

 

「誰も頼んでないだろ。」

 

「あぁ…もうシカマルに会いたし。」

 

残念そうにシカマルの名前を口にするシカミになんだか少し悪い気がして、素直に前よりは美味いと言おうとする。

 

「ま、いいや。

サスケがどう思おうが。」

 

「……。」

 

が、そんな事を言われては何も言えない。

 

こいつが俺の家に来て、料理を作るようになって何年が経っただろうか。何故かシカミは一週間に必ず一度、いきなり来ては台所を勝手に使い、料理を作る。それは健康的なものばかりで、とても美味しい。認めたくはないけれど。自分が好きなトマトは必ずどこかかしらに入っているし、味も悪くない。認めたくはないけれど。

最初のうちは抵抗したりしたけれど、あの無理矢理な性格は断るのに、ひどくうざったいし、面倒だ。

諦めに入っている。

 

シカミが料理を作りに来るようになったのは、うちは一族が殺された後からだ。

イタチに対し復讐しようと決めた数日後である。

 

 

俺が演習場で修行し、お昼を食べようとしていた時だ。

いつもは母さんが作ってくれていたおにぎりは既製品に変わり、味気ないものを食べる。

あまり、美味しいとは感じず、とりあえず生きるために食べる…という言葉がぴったりだった。

母さんのおかかおにぎりが食べたい…。涙が出てきそうになるがなんとか堪える。

規則正しく口を動かすと、いきなり目の前に人影が出来たのに気づいた。ふと顔を挙げるとそこには兄であるうちはイタチと仲が良かった奈良シカミがいた。

 

「なっ!お前…!なんでここに…っ!」

 

「いや、一人寂しく食べてるの可哀想だなって思って。」

 

「っっふざけんな!あっちいけよ!」

 

「あー、うるさい。僕もここで食べる。」

 

「なっ?!」

 

そう言って隣に座り風呂敷を広げる奈良シカミ。

俺はこいつが嫌いだった。

いつもイタチといて、自分と兄の時間をとられてる感じがする。

しかも、何より俺をシカマルと比べシカマルの方が上だと、俺自身やイタチに言ってくるのが気に食わなかった。

隣に座るやつに警戒を露わにし、睨みつける。

シカミはそれに気づいたのか、話しかけてくる。

 

「何?」

 

「……。」

 

「これが欲しいの?」

 

「っ…。」

 

「好きなんでしょ?イタチが言ってた。」

 

ブラブラと手で揺らすのはよくイタチが食べていた団子。

よくイタチは奈良シカミと甘味処に行っていた。その都度イタチは俺に団子を買ってきた。一緒に食べようと言って縁側で二人で食べた。

甘い物はあんまり好きではないけれど、イタチがニコニコしながら見てくるので、自分は笑顔で美味しいと答えた。微笑ましくあまりに輝かしい思い出なのに、その輝かしさが酷く自分をイラつかせた。

 

「甘いものなんか…」

 

噛み締めるように呟く。

どこを見てるのかわからない。

焦点が合わない。

ふと、団子、つまり甘いものを見ているとイタチを思い出す。

あんなに大好きだった兄。

けれど兄は自分を裏切り、両親までも殺し、仲が良かったこの親友まで裏切ったのだ。

あんなにも好きだったのに。

俺はイタチが…

 

「嫌いだ。」

 

シン…とやけに静かに感じる中、やはりシカミは興味無さげにふーん、と言った。

やけに冷静だと、自分でも思う。

この目の前の女もまた、イタチに裏切られたのだ。

そう思うと嫌悪感がそれほど湧かない。

ただ言うならば、この女を見ていると優しかったイタチを思い出す。

嘘で塗り固めた優しかった頃の兄を。

それが嫌でイラついて仕方がない。

ふと、そこで疑問に思った。

こいつはイタチをどう思っているのかと。

 

「なぁ、お前はどう思ってるんだ?

イタチの事。」

 

「んー?あいつは馬鹿だね。

本当不器用で、馬鹿。

頭良いんだけど馬鹿なんだよ。」

 

「っ…。」

 

少しだけ…ほんの少しだけイラついた事は確かだ。

自分の兄である人物をこう馬鹿呼ばわりされるのはあまり嬉しくない。

ただ、それだけだ。

今沸き起こったであろう感情を制御し、落ちつく。

シカミはさらに言葉を続ける。

 

「でもね、」

 

シカミはしっかりとサスケを見て、答えた。

 

「あいつは優しいよ。」

 

その答えにギョッとする。

頭がおかしいとは思っていたが、こうまでとは…!

 

「どこが優しいんだよ?!

自分の親、友人、親戚を殺して優しい?!頭おかしいんじゃないのぐぁっ!」

 

話している最中に、シカミが持っていた団子が、口の中に入る。

口の中には、懐かしい甘過ぎない絶妙なタレの味が口一杯に広がる。

思わず吐き出しそうになるが、口に入れられ、吐き捨てるわけにもいかないのでとりあえず食べる。

やはり、自分にはあまり好きじゃない味だ。

 

「何するんだっ…?!」

 

また口に団子を入れられた。

 

それから話す度に団子を入れられ、ついには黙るけれど、黙ったら黙ったで無理矢理団子を口にいれてくる。

忍びのスキルでは全く勝てないので、自分はただただ団子を食べさせられた。

 

その日自分は、本当に甘いものが大嫌いになった。

 

 

 

あれからだ。

シカミが料理を作るようになったのは。

正直、昔はただの嫌がらせかと思っていたが、今はなんとなくわかる。

シカミはきっと、俺に優しかった頃のイタチを忘れて欲しくないのだと思う。

自分はそんなシカミがあまり好きではないけれど、あの団子も、この料理も優しかった頃のイタチを思い出させるものばかりだ。

料理はたまにイタチがしてくれた時がある。完璧を追求し、何度も失敗を繰り返し、何品かを作っていた。

それが、トマト料理だった。

俺がトマトを好きなのを知っているイタチは頑張って料理をしていたのだ。

そのトマト料理が、必ずシカミの料理に出るのだから二人のどちらかが教えたに違いない。

けれど、イタチのそれは全て嘘であったのだ。と最近まで思っていた。

波の国に行って、イタチのそんなものが、嘘であるとはどうも思えなくなってしまったのだ。

今自分の中にあるイタチへの感情は、殺意ではなく、ただ単純にどうしてうちはを殺したのだろうということだけだ。

今日、波の国へ帰ってきて初めてシカミと会った。

きちんと聞きたい。こいつなら何かしら知っているはずだから。

料理を食べ終わり、箸をおく。

真剣な顔をして相手を見る。

 

「なぁ、聞きたい事があるんだが。」

 

「シカマル関係の事は何がなんでも話さないから。」

 

「誰も興味ねーよ!

じゃなくて…、イタチのことで質問ぐぁっ…?!」

 

「子供はもう寝る時間だよ。

それ食べたら、歯磨きして寝な。

んじゃ、帰るね!食器はよろしく!

愛しのシカマルが僕を待っているー!」

 

「んぐっ…ん…。

……なっ!おい!シカミてめぇ…!」

 

団子を口の中に放り投げたシカミは窓から逃げるように出て行った。

料理を作りに来る度、最後は団子で締めるシカミ。

自分は凄く嫌で、大嫌いだったが、今日、口の中に入った団子は喉の奥に無理矢理おしこむいつもと違い、何故かすんなり喉を通していった。

不思議と嫌な感じはせずに飲み込めた。

それに思わず舌打ちする。

 

「意味わかんねー。」

 

呟いた言葉とは裏腹にサスケは笑っていた。

 

 

 

 

 

◆おまけ◆

 

 

✳︎サスケとシカミの初対面。

 

サスケ「(兄さんの友達か…強いのかな…。術教えてほしいな…。)」

 

イタチ「この人は奈良シカミ。この子はうちはサスケ。俺の弟だ。」

 

サスケ「あ、あの…よろしくお願」

 

シカミ「シカマルの方がサスケより可愛い。」

 

サスケ「」

 

イタチ「お前は全然わかってない!…etc」

 

シカミ「いや、シカマルの方が…etc」

 

サスケ「」

 

話についていけない上、初対面でディスられる。

ストレス+21

 

 

✳︎サスケが初めてシカマルと会った時。

 

サスケ「は?お前がシカマル?」

 

シカマル「?そうだけどなんで知ってんだよ」

 

サスケ「いや、兄さんとシカミが友達で…」

 

シカマル「まじかよ、あの人の言ってる事気にすんなよ。盛り話好きだから。」

 

サスケ「ああ…。お前の事凄く話してたよ…。素晴らしいって…。」

 

シカマル「全くあの姉貴は…めんどくせーなぁ。」

 

サスケ「(こいつ満更でもなさそうな顔しやがって…)」

 

シカミとシカマルの仲の良さを見せつけられる。

サスケのストレス+21

 

 

✳︎シカミを理由にたまに断られる。

 

サスケ「兄さん!修行みてよ!」

 

イタチ「すまない、サスケ。今からシカミと甘味処で反省会だ。お前も来るか?」

 

サスケ「……。あいつがいるならいい。」

 

シカミのせいで、たまに兄が構ってくれない。

サスケのストレス+231

 

✳︎たまに道端で会うと…

 

シカミ「あ、サスケ。」

 

サスケ「………こんにちは。(まじかよ、最悪。)」

 

シカミ「……。」

 

サスケ「なんですか?(早く家入りたい)」

 

シカミ「やっぱりシカマルの方がどう考えても天使。」

 

サスケ「」

 

いきなり比べられる。

サスケのストレス+21

 

 

✳︎一人で集中して修行したいのに…

 

サスケ「……。」

 

シカミ「それでさ、シカマルってば本当最高なの。普通の人間だったらそうはならなくない?」

 

サスケ「……」

 

シカミ「だよね!やっぱりそう思う?」

 

サスケ「……」

 

シカミ「やっぱりサスケはわかってるなぁ…」

 

サスケ「(返事してないのに…)」

 

集中したいのにも関わらず、構わず話しかけてくる。

サスケのストレス+21

 

 

*イタチとの修行で…

 

サスケ「(久しぶりの兄さんとの修行だ…!楽しみでよく眠れなかったけど!凄く嬉しい!)」

 

イタチ「嬉しそうだな…。サスケ。」

 

サスケ「だって久しぶ」

 

イタチ「あれ?シカミ?」

 

シカミ「あ、ちゃーす。イタチ。僕も修行しようと思って。シカマルも連れてきた。」

 

イタチ「……寝てるじゃないか。」

 

シカミ「可愛いでしょ。寝込み襲おうとしたらぶっころ」

 

イタチ「サスケの前でそういう話は辞めろ馬鹿。」

 

サスケ「」

 

楽しみにしていた兄との修行でさえ邪魔される。

サスケのストレス+32

 

 

その他にも、サスケはシカミによるストレスで日々悩んでいた。

 

 





サスケがシカミ嫌いなのも分かる気がする。
考えるとシカミって随分自己中なやっちゃ。
でも、シカミだって考えて、サスケに料理作ってるんだよ!イタチにサスケを頼むって言われたから頑張って料理作ってるんだよ!
とは言っておきます。あまりにも主人公あれなんで、、、
そして、サスケのストレス数字は意味があったりなかったりします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。