NARUTOの奈良家に転生トリップしたらブラコンになった。   作:柚子ゴル

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番外編 シカマルSIDE

 

俺には6つ上の姉がいる。

名前は奈良シカミで、木の葉の上忍で、実力は相当高いと言われている。

上忍でありながらも、ほんの一時期特殊暗殺部隊にいた、と噂されているが、真相はどうかは俺にもわからない。

凄く強いと言われているらしいが、正直俺には、そうは思えない。

何故なら、自分に対して有り得ないぐらいデレデレだからだ。

自分が物心つくまえから姉貴はずっとそうだったからそんなもんだと思っていた。

姉貴とは、弟の写真、映像、盗聴…そんなものをするのが普通だと思っていたが、異常だと気付いたのは小さい頃に遊んでいたやつに言われてからだ。

 

「お前の姉ちゃん頭おかしすぎだろ!

そういうのへんたいって言うんだぜ?!」

 

「へんたい?」

 

「そうだ!ブラコンって言ってある意味病気だ!」

 

「え」

 

ちなみに姉貴はその子をその後ゆっくりお話ししようかと言って連れて行った。そして、そいつはもう二度とそんな事言わなくなった。

だが、あの一言を言われてからなんだか姉貴が嫌で嫌で仕方がなくなった。

自分に対し息を乱しながら話しかけてくるのも、鼻血を流しているのも、任務が終わってから自分の部屋に来て自分の寝顔を眺めてくるのも全部が全部、嫌になった。

態度であからさまに示すが、なかなか辞めてくれなかった。

その自分に対しだらしなく顔を緩めているのも嫌悪感が湧き、我慢の限界に近づいていて、ついに爆発した。

 

その日は蒸し暑く、夜になかなか寝付けないでいた。

夜中、何時かもわからないが、姉貴はいつものように自分の部屋に来てじっと自分を見ている気配がする。

今日ははっきり言ってやろうと思った。

ゆっくりと起き上がるとびっくりしたような顔をした姉貴に、きつい口調で言い放つ。

 

「いい加減にしろよ。姉ちゃん。」

 

「シカマルごめんね。起こすつもりはなかったんだ…。」

 

焦ったように自分に取り繕う姉貴に嫌気が指しながらゆっくり確実に言う。

 

「そっちじゃない。

変態変態って言われて嫌じゃねーのかよ。俺は嫌だよ。

姉ちゃんが変態っていうのもやだしもう、こうやって構われるのもうんざりなんだよ!」

 

「ご、ごめっ…!」

 

「姉ちゃんなんか…、そんな姉ちゃんなんか嫌いだ!」

 

はぁはぁと荒い息遣いで興奮した自分がいて、目の前には愕然としている姉貴がいる。

姉貴は愕然とした表情から次第に顔を歪ませる。

傷付き、心底悲しそうな表情をして、つっと一筋の涙が流れ出た。

今まで自分の前で常に笑顔だった姉はもういない。

その表情にびっくりした後、なんだか罪悪感が湧き出してきた。言わなきゃ良かったかもしれないという気持ちが溢れ出す。

 

「シカマルに、弟に必要とされない自分は何の為に此処にいるんだろ…。」

 

姉貴はボソリと呟いて、自分の部屋に戻った。自分にはよく聞こえなかったけれど、姉貴が部屋を出ていった後、言いたい事をいって気持ちがスッキリする筈が何故か更に胸がもやもやしていた気がする。

 

(姉ちゃんの事だから、適当に取り繕ってくると思ったのに…。)

 

 

次の日、姉貴は自分に対してちらちら見ながらも話しかけてこなかった。おはようという挨拶ですら話しかけるのを躊躇しているように見える。顔を見てみると一晩中泣いていたのか目を赤く腫らしている。

 

(やっぱりちょっとやり過ぎたかな…。)

 

でも、姉貴に謝ろうとは思わなかった。

罪悪感はわくし、少しだけ後悔している。俺は姉貴が嫌いなのか好きなのかわからなくなった。

 

「母さん、公園行ってくる。」

 

「気をつけんのよ!」

 

「はいはい。」

 

「はいは一回!」

 

適当に返事をし、モヤモヤしながらいつもの公園に行った。その訳がわからない感情を忘れられると思ったから。

 

未だモヤモヤを抱えたまま公園から家へ帰る途中、俺は人攫いにより、意識を奪われた。

 

 

嫌な浮遊感に目を覚ますと、目の前には人の足が見えて、その下は草が生い茂っている。森かどこかを、走っていた。

自分はグルグルと縄を巻かれ身動きが出来ない状態で、暗い森の中、知らない仮面を付けた男に抱き抱えられていた。横にはもう一人忍びがいる。

 

(これって明らかに誘拐だよな…?)

 

自分は人攫いにあっているのを自覚し、慌てた。身をよじり叫び暴れ出したのをみた男は自分に対しビンタをし静かな声で言った。

 

「静かにしろ。恨むんなら奈良一族に生まれた事を恨むんだな。」

 

「っ!」

 

殺気。今まで受けたことのない嫌な感じが自分めがけて襲ってくる。

そういえば姉ちゃんが口癖のように言っていた。

 

『特殊な術を持っている一族は狙われやすい上にまだ力がない子供を攫おうとしてくるからシカマル気をつけてね!いい?そういうときは助けて姉ちゃんって言うんだよ?いついかなるときでも助けに行くからね?

シカマルが困ってたら必ず助けてあげる!約束!ね!』

 

にっこり笑い俺の頭を撫でる姉ちゃんにあの時はなんだか恥ずかしくて適当に流してしまったが、どうしようもなく今、会いたい。姉ちゃんは俺を大切に思って心配して言ってくれているのに、俺は周りの意見を気にして喧嘩をしてしまった。あんなに自分を心配してくれる人はなかなかいないのに。確かに行き過ぎているかもしれない、けどこんなくだらない事で喧嘩なんかしたくない。

それに、姉ちゃんに泣かれるのは嫌だ。あんな傷付いた顔をされるのも嫌だ。

なんだ…俺だって姉ちゃんの事大好きなんだ。

 

 

「…けて…。」

 

「なんだ?」

 

「助けて!姉ちゃん!」

 

「おい!何してんだ!黙らせろ馬鹿!」

 

「うるせー!わかってる…!」

 

自然と出たのは

姉貴に対する助けだった。絶対するかと思っていたけど姉ちゃんに会いたい想いが強かった。姉ちゃんなら来てくれるかもしれないと思った。

 

大声を出した自分にイラついたのかしらないが、男は首に手動をいれた。自分はまたもや気を失ってしまった。

 

 

次に気が付いたのは、血生臭さと自分に手動を加えた男の叫び声だった。いつのまにか、体の自由を奪っていた縄はない。

ぼんやりと見える景色は、正直信じ難いものだった。

いつのまにかきていた姉ちゃんは、忍び二人と戦っていた。

いや、もう勝負はついているように見える。姉貴が自分をさらっている男目掛けて苦無をのめりこませているところだ。その男は叫び声をあげ痛がり許しを請う。けれど姉ちゃんはあいも変わらず見たこともないような冷たい視線で男の体をいたぶる。もう一人の男は地面に寝そべり、やはり血だらけで意識を失っていた。見た感じもう助かりはしないだろうということがそのズタボロ加減でわかる。

こんな血だらけの中、自身の見知った人物が人を殴る様を見て、心から恐怖した。身体が無意識のうちに震える。

いや、それよりも自身の見知っているあの人は、本当に自分の姉貴なのか?

 

(こんな姉ちゃん見たことねーよ…)

 

本当にいつも自分にだらしなく顔を緩めていた人なのか?本当にあの人は今朝物凄く落ち込んでいた姉ちゃんなのか?

無表情で冷たい目をして人に暴力をするあの人は、本当に自分の姉ちゃん?

 

目を開けた自分に気付かない姉ちゃんに、思わず声をかける。

 

「姉ちゃん…」

 

すると姉ちゃんはピクリと動きを止めシカマル、自分を見つめる。

見つめること数秒、自分を見ながら男の顔面を蹴り上げ意識をなくさせる。蹴った時、なにやらゴキリと嫌な音がなった。

それを意にも介さないように近寄ってくる姉ちゃん。

あんなにも会いたかったのに、何故だか怖い。無表情で身体は真っ赤に返り血で染めている姉貴はいつもと違いすぎた。しかし、次の言葉を聞いた瞬間、身体が震えて、姉ちゃんと声に出しながら近寄ろうとした。

 

「大丈夫?シカマル?」

 

震えた声で、自分に言ってくる姉ちゃんに何故だか涙が溢れてきた。

近寄ろうとするけれど、何故か離れていく姉貴。いつもなら喜ぶのに何で…?喧嘩をしたから自分が嫌いになったのだろうか?

 

「なんで離れていくんだよ…」

 

「ごめんね、シカマル。

僕今汚れてるから…汚いでしょ?血とかいっぱいついてるし…。

それに、シカマルは僕の事……。」

 

顔を俯いて話す姉貴はやはりいつものように元気がない。

なんだよ。そんな姉ちゃんの方が自分は嫌だ…。

そう思い、話しながら進んでいく。

 

「俺は…!俺は姉ちゃんの事好きだよ!嫌いなんかじゃない!この間はごめん!

汚くなんかないよ!俺を守ってくれたのに…!ごめんなさい!俺が…俺がもっと強かったら姉ちゃんにそんな想いさせなかったのに…!」

 

「シカマル…。」

 

姉ちゃんは顔をあげて泣きながらボソリと呟く。

 

そうだ。何が助けてだ。

姉貴に人を殺させて、あんな姉貴を作ったのは俺じゃないか。助けてなんてなんでそんな甘い事を…。

俺が強くならなきゃ。次は姉ちゃんに助けをかりないぐらいぐらい強く…!そして姉ちゃんは俺が助けるんだっ…!

 

「姉ちゃん、俺強くなるよ。

姉ちゃんを守れるぐらい。」

 

決意をした。あんな元気がない姉ちゃんは嫌いだ。なら元気な姉ちゃんを守ればいいだけじゃないか。

しっかりそう告げれば、姉ちゃんはこう返してきた。

 

「それは駄目!僕は弟を守りたいんだよ!駄目だよシカマル!僕に守らせて!じゃないと強くなった意味がない!」

 

その言葉にがくりときた。普通ここはうん、楽しみにしてるよとかポジティブな言葉ではないのだろうか?

まぁなんといか姉ちゃんらしいっちゃらしい。

あたり一面、血だらけな中、何故か恐怖を感じず呑気に自分は、ははっと笑った。

 

 

 

✳︎おまけ✳︎

 

シカマル「どうやって俺の事見つけたの?」

 

シカミ「シカマルの服にはどこにいるかわかるようにICチップが入ってるからね!なんだか不自然な動きで怪しいと思ったんだ!」

 

シカマル「………任務は?」

 

シカミ「さぁ?知らない。どうなってんだろうね!」

 

シカマル「…やっぱり好きなんて気のせいだったかもしれない」

 

シカミ「…え?!」

 

✳︎おまけ✳︎

 

シカミ「おい、イタチてめぇお前んとこの一族の警備部隊どうなってんだよ!ちゃんと仕事しやがれこの野郎!シカマルが怖い目見たんだよ!どうしてくれんだ!」

 

イタチ「………。お前が抜けた後の尻拭いをしてくれた相手に対しての最初の言葉がそれか…?」

 

シカミ「それはまぁあざっした。でもそもそもシカマルが攫われなかったらあんな事にはならなかったと思われる!」

 

イタチ「そんなもん知らん。というか何故それを俺に言う。父さんにでも言えばいいだろう…?父さんは警備部隊隊長なんだから。」

 

シカミ「言ったら申し訳ないって謝られた。それでごめんで済んだら警備部隊はいらねーんだよ!みたいな感じで、暫く話してたら、公務執行妨害とか意味わかんないやつで、何故か写輪眼かけられた。なんですか君の親父さん本当勘弁してくれませんか?」

 

イタチ「お前が悪い。父さんは忙しいんだよ。」

 

シカミ「じゃあ聞くけど、サスケが攫われたらどうするんだよ。」

 

イタチ「俺自ら助けに行けばいい話だ。警備部隊よりさきにな。出番なんか与えてやらないさ。」

 

シカミ「……その考え方なんかかっこいいな。よし、それで行こう。警備部隊より先にシカマルの危機に気付き素早く行動した自分流石。」

 

イタチ「別に自分褒めてないだろう俺は。」

 

✳︎おまけ✳︎

 

特別上忍拷問部隊イビキ「シカミお前殺さずに引き渡せ。いくらなんでも死人と今にも死にそうな瀕死のやつにどうやって拷問するんだ。何故奈良一族を誘拐しようとしたのかとか誰の指示だとか全くわからんではないか。」

 

シカミ「知るかよ。片方はいつの間にか動かなくなってたの。というかシカマルを誘拐するなんて死んでもまだ殺し足りないくらいだよ。ね?イタチ。サスケが泣きながら縄で縛られて兄さん助けてとか言ってたら…」

 

イタチ「殺します。確実に殺しますね。じっくりたっぷりいたぶってこの世に生まれた事を後悔させてあげます。」

 

シカミ「ほら、イタチより僕の方がましでしょう?まだ一応生きてるんだから。」

 

特別上忍拷問部隊イビキ「俺は過去いろんな奴を見てきたがお前らと危険である意味怖い狂ってるやつは始めて見たぞ。」

 

シカミイタチ「「お褒めのお言葉ありがとうございます。」」

 

特別上忍拷問部隊イビキ「どう考えても褒めてないだろ?!」

 

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