Re:Build ―スラム転生ハンター、旧領域の亡霊と契る 作:ロシュ
そして誤字報告や感想評価ほんとうにありがとうございます。
こらからもがんばっていきます。ただストックがこの話で切れたので今後3日に一回の投稿ペースになるかもです。
クオリティとかを下げたくないのと焦って書くといい表現とか案が出なかったりするので…(言い訳)
夜明け直後の灰色の空を背に、アキラは廃区画 F-13 のビル群に分け入っていた。
ここはスラムから半日も歩けば着く、クズスハラ街遺跡と呼ばれている場所。主にアキラが活動場としている都市から一番近い広大な都市の遺跡。ハンター歴3年でランク 13──と言ってもまだ駆け出しの域を出ない少年が単独でうろつくには、さすがに厳しい場所だ。都市の奥に行けば行くほど敵の強さも遺物のクオリティも比例して上がる傾向にある。
アキラは自身の戦闘力や諸々を考え自身が死なない程度に少し無理をすれば探索できる場所を探索している。
その廃墟の遠くに見える巨大なビル郡、あそこに行けば高価な遺物を見つけることができるだろうか、今の生活をより良いものにできるのだろうか。そう思い、そして一瞬でその思考を彼方に飛ばした。
(いくら考えてもあのデカいビルに行くの無謀すぎる。辿り着く前に死んじまうのがオチだ)
もちろんアキラは今持てる分で最高の装備をしている。武器屋で購入した AAH 突撃銃(微改造品)+整備済みマガジン3本、セミオート拳銃、軽量サバイバルナイフ入りの簡易防護服、中古スキャナーと携帯端末を連動させた“安物”情報収集機
とはいえハンターランク13の子供が持てる武器武装は限られている。ハンターランクが10以上になった為、弾薬費等が割引になってはいる。だが、依然としてこのクソ危ない戦場で生き延びるのには物足りなさがある。装備なんていくらあってもいいですからね。
またアキラの戦闘センスもそこまで高いわけでは無い。いくら前世の記憶があるとはいえその前世は平和そのもので実銃を握った事も、訳のわからない生物に襲われたこともない。アキラは今世でのスラムや過酷な環境で生存するための警戒心や生きる為の術、そして──ほんのわずかながら、前世よりは冴えた直感を武器に今日も生きていく。
「……反応なし。目視クリア、しっかし碌なモンがねぇな」
耳元で独りごち、アキラは床に散らばるコンクリ片をそっと蹴り飛ばす。空洞になった建物のエントランスに、細かい埃だけが舞った。
外壁のクラックから差す朝日と、割れた蛍光灯がキラキラ光る薄闇。雑音と静寂が入り交じる、いつもの遺跡の匂いだ。
目的は奥の資材倉庫跡で反応した希少金属。スラムの買取所なら1ピース三千オーラムは堅い。三つ拾えれば弾薬ひと箱が確保できる計算だった。
◇ ◇
いつも通りの遺跡探索や戦闘を行う予定であった。だが旧遺跡はいつも通りとはいかない、何かの拍子で歯車が狂いいつもは相手にしていないモンスターがポップすることもあった。そのモンスターはウェポンドッグ、犬のような体に重火器を装備している生物型のモンスターだ。しかもそれが複数体、そのモンスター自体の知識や容姿は知っていた。それゆえに、自身の力量を鑑みても複数体のそれを相手取るのは難しかった。
アキラはそのウェポンドックを複数体同時に戦うことを早々にあきらめ、各個撃破を狙う。しかしアキラがどれほど逃げ隠れても、ウェポンドックの方がアキラより素早く俊敏性が高いため敵を巻くことができなかった。
(くそくそくそくそ!! なんでだよ! どうすんだ!!!!)
アキラは内心悪態を叫びながら逃走していた。都市の近くであり、そんなに大きな遺物を持って帰らないだろうと考えていたため徒歩で探索に来たのが間違いだった。またアキラのランクから車のレンタルは可能であったが、それより装備や徒党の運営費で資金を使用していたため車やバイクのレンタル代がなかったのだ。
(絶対絶命、ここからどう巻き返す? いやそもそもあいつらを全部倒せるのか?!)
アキラの武器弾薬はまだ十分にあるが、その武器たちはいずれもウェポンドックを一掃できるような火力はない。グレネード数個、AHH銃、ハンドガン、回復薬に替えの弾倉、そして先月保険として購入していた加速剤だけだった。
(加速剤はくっそ集中できていつもより機敏に動けるドーピング剤みたいなもの……お守り替わりで一回分しか購入してないし、ましてや大人用の薬剤だから子供が飲んだら薬物血中濃度や副作用が想像できない!! 加速剤ってなんだよ!? 麻薬かなんかか!? 結局高いからって試しに使ってなかったのが裏目に出たぜくそが!!!!!)
大量の薬物投与により副作用のリスクや、これを飲んだ後しばらくはデバフがかかり体が動きづらくなるとかそんな効用を想像するが、アキラには今の現状を打開できる手はもう、加速剤しかない気がした。
(あああああああああ、結局いくら考えてもキリがない!!! 後のことは、あとで考えよう! 今生きなきゃ、意味ねぇもんなああああああ!!!!)
アキラは加速剤を取り出す、市販的に販売されている加速剤は様々あり、酸素マスクのように吸う吸入型、口から服用する経口型、湿布等の貼り薬から皮膚を通じて体全体に運ぶ経皮吸収型、筋肉注射用など様々あった。だがアキラが選んだのは注射型の加速剤で、なおかつ自身の血管──静脈にさして投与する静脈注射型の加速剤だった。
薬剤の効き方はその薬剤の量や投与方法によって異なる。経口投与であれば、飲んだ薬剤は、胃で溶けて小腸から吸収され血中に移動する。
また経口投与の場合、直接血管に薬剤を打つ静脈注射の場合に比べ、効果の出現は遅い。それは、肝臓で代謝を受ける前に、血管を介して全身に運ばれるためである。
そのため、静脈注射は効果が強く、速く現れるという利点はあるが、肝臓で代謝される前に、全身へ作用するため、副作用が出現する危険性が高くなるという側面を持っている。それを理解しながらも加速剤を使う局面を予測し、即効性が必要だと考えたため、アキラは静脈注射型を選んだ。
(自分の血管なんて見ればわかるんだよ!!)
アキラは自身のベルトを使い、自身の腕を駆血し、血管に針を刺し薬を投与した。
するとアキラの思考が、頭のギアの回転が上がる。
(なるほど……これは前世のゾーンとか過集中に近いやつか!? なら、ギリ出来るだろ!! 俺なら!!)
そうしてアキラは複数体のウェポンドックに立ち向かう。まずは戦闘のウェポンドックの足を狙って数発。被弾したウェポンドックは加速したまま転倒し身動きが取れなくなる。
(まず1匹!)
アキラには全て倒す必要はないと割り切っていた。一対一を何回も続ければいい。ギリ今の状態なら2対1を捌ける自信があった。加速剤による効果で自身の思考能力が上がり自分以外のスピードがゆっくりと感じる。
しかしそれはアキラの動きも同じだったが、敵を倒す為の思考を数倍早く出来る今ならこの盤面を切り抜けると思えた。またいつもよりエイムや情報収集機のスペックも心なしか上がっている気がした。気のせいかわからないが、少なくともこれもヨシと考えた。
アキラの思考の深さがさらに深くなる。直感的にこれ以上は踏み込むべきではないと頭が理性が警鐘を鳴らすギリギリの一線まで深く落ちる。
(敵がどう攻めてくるかを予測するくらい、FPSで腐るほどやった! 今の戦力は2〜4頭。狙いは──落石だッ!)
アキラは腰にぶら下げていたグレネードを二つ引き抜く。
ピンを抜きながら、ビルの脆くなった壁面へと全力投擲。
そして、その投擲先へ向けて銃を乱射!
(起爆が早まれば、衝撃で瓦礫が──来るッ!)
炸裂音。
ビルの壁面が砕け、鈍い轟音と共にコンクリ片が雨のように降り注ぐ。
瓦礫の嵐がウェポンドックに襲いかかる。
重量で命を刈り取るには至らない。だが、足止めには十分だった。
がれきの下から這い出ようとするウェポンドック──
その頭上へ、さらに3つのグレネードが、ピンの抜かれた状態で放物線を描いて落ちていく!
(──遅延爆破、フィニッシュだ!)
次の瞬間、刹那の閃光!
狙い澄ました位置で炸裂したグレネードが、頭蓋ごとウェポンドックの上半身を吹き飛ばす。
残る敵は3体。そのうち1体は瓦礫に潰され脚を負傷し、地面を這っている。
だが、残った2体は違った。
──来る!
ウェポンドックに群れとしての理性はない。だが──野生の本能は、こう告げていた。
「今ここでアキラを仕留めなければ、次は自分たちが死ぬ」と。
爪を振りかざし、牙を剥き、金属音を撒き散らしながら、2体の獣が突っ込んでくる!
アキラは建築物の意図的破壊による分断や足止め、FPSで培った直下グレネードの真価や前世の使える手段はおおよそ使いきったと悟った。
(俺にはもう、グレネードはない! 足止めも分断も──手札は切れてる!)
アサルトライフル《AHH》、拳銃、回復薬、そして残りわずかな加速剤。
だがそれだけで──いい。十分だ。
(俺にできるのは──覚悟。それだけだ)
それは奇しくも原作のアキラと同様に覚悟は自身の仕事だと、自身がやるべき事だと心で理解した。
左右から迫る2体の突撃。
だがウェポンドックの攻撃方法は獣としてその爪や牙で襲いかかるだけでなく、背中や体に内蔵する
ほんのコンマ数秒──右のほうが速い気がする。だが、武装は? 牙か? 銃か?
右が爪、左が銃? それとも逆? 迷いが生まれる。
(どっちが先か? どう攻めてくるか? わからない──!)
(……迷ったら、撃つな──だ)
そう、賢者は結論が出るまで待つ。
だがアキラは──
(だがもう、迷いはない!)
アキラは
引き金を引いたのは左!
左のウェポンドックの背部、武装ユニットへ正確に連射。
被弾した砲身が、火花と共に爆ぜた。
続いて頭部、胸部へ照準を下げ──三点バースト!
爆発。崩れ落ちる金属の肉塊。
残るは──右の獣!
爪が、迫る!
銃を構えるには近すぎる!
(なら──拳だ!!)
(人類が手にした最初の武器! 神話の時代から語られてきた最古の格闘術、それが拳だッ!!)
アキラの拳が、金属の顎を撃ち抜いた!
衝撃でウェポンドックの頭部が傾く。
その一瞬、反対の手で目に指を突っ込む!
視界を奪われたウェポンドックが、わずかにひるんだ──
アキラは躊躇なく、拳銃を抜き放つ!
(狙え──残ったその目を!)
連射。弾丸は目から突き入り、脳を叩き潰す!
ガクンと音を立てて崩れ落ちるウェポンドック。
沈黙。
その戦闘、一分にも満たなかった──。
勝利の実感など、なかった。
ただ、静寂が訪れた。
鼓膜が張り詰めていた空気を忘れたように、耳鳴りだけが残った。
アキラはその場に膝をついた。
指が震え、喉はカラカラ、頭は痛い。目の奥がジンジンと焼けるようだ。
(……あっぶねぇ……ほんとに、ギリギリだった……)
めまい。
視界が斜めに傾き、世界がグラグラと揺れた。
呼吸が荒い。鼓動が早い。喉の奥から込み上げてくる何かに、アキラは口を押さえた。
(吐きそう……やばい、ほんとに限界……)
加速剤の副作用か、それとも過集中の反動か。
脳の芯が焼け焦げたような感覚。考えることすらしんどい。
(クソ、やりきった代償がこれかよ……動ける気がしねぇ……)
助けを呼ぶ? 否。
この区域に他のハンターが入ってる保証はない。
むしろ音を聞きつけてくるのは、新たなモンスターの方が可能性が高い。
(動かなきゃ……でも、脚が……思考が……!)
そしてアキラは一旦近くの建物で籠城することを決め、手持ちスキャナを覗き込みながら二階へ上がった、その時──
《──接続確立。帯域 0.2 Gb/s 遅延 7.8 ms》
端末の表示が一瞬ノイズを走らせ、耳の奥に直接声が飛び込んで来た。
『聞こえる? テスト、テスト。……あら、思ったより早くつながったわね』
女の声。澄んでいるのに妙に距離感がない。アキラはすぐさま近くの柱に体を隠した。「外部スピーカーなし、骨伝導系? だがこの安物の情報端末とかには音声機能はつけてないはずだ」とアキラは咄嗟に考え、反射的に銃口を周囲へ向けた。誰もいない。だが、確かに“小声”が頭蓋骨の内側を震わせている。
『落ち着いて。こちらは敵意ないわ。あなたの情報端末を経由して通信しているの。姿を見せた方が安心する?』
アキラは戦闘後と薬による副作用から妄想や幻覚かと考えた。だがアキラの五感がそうではないと否定した。
「(まさかあの噂ってマジなのか?)……出来るなら、そうしてくれ」
アキラが考えたのはある噂、それはこのクズスハラ遺跡で流れる「誘う亡霊」。アキラは噂とかにあまり興味はないが、自身が生き残るためにもある程度の情報収集はシェリルと共に行っていた。
噂の内容は文字通り、亡霊とやらが遺物を餌に馬鹿なハンターを釣って殺すって噂だ。どういう経緯で死ぬかどうかは不明だが、少なくとも生きて帰ってきたやつはいないらしい。目撃者は全員死んでるのに何故噂が残っているのかが疑問だったが、まぁそんなもんか。と思考を放棄してその噂をあまり間に受けなかった事を思い出したのだ。
アキラが答えた瞬間、崩れた階段の踊り場にふわりと美女が現れた。街の広告ホログラムより遥かに高精細。何故か全裸の翡翠色の瞳をした絶世の美女がそこにいた―
『ちゃんと私のことが見えるのね。よかったわ。私はアルファ。あなたの名前は? そしてあなたはハンターかしら?』
でっか! てかなんでマッパなんだよ!! ここ旧遺跡だぞ!? どこから来やがった!?
アキラは内心かなり動揺するが、急に現れた謎の美女に向けてAAHを構える、敵か味方もわからない今警戒しないわけがなかった。しかも命懸けの戦闘の後で生存本能から自身の情欲が激ってくるがそれを無理矢理押し込んだ。
「……俺の名前はアキラだ。一応ハンターをやっている、がそれがどうかしたか? 用件は? そして何より……お前は何者だ」
銃口は下げないまま、視線の硬さは変えない。アルファは小さく肩をすくめる仕草をした。
『すごく警戒してるわね。理解してもらえないことや、ある程度の語弊を前提に説明すると、あなたが見ている私は拡張現実の一種だと思ってくれて構わないわ。あなたの脳には特異な形式の情報に対応した無線の送受信機能があって、私が発信している情報を取得可能なのよ』
この世界がSF系なのは理解していたが今までのSFとはまた違った話が出てくる。いわく俺にはアルファさんと通信できる何らかの機能があり、それを用いて通信している。それが先天性なのか後天性なのか不明であること。
脳が視覚、聴覚から入る情報を処理する段階に、外部からの追加の情報を送り込むことによって、アキラの視界にアルファの映像データを、聴覚にアルファの声帯データを認識させているらしい。
今までの会話なども、空気の振動などを介さず行われて念話みたいなもので脳から送られる指示情報、外部からの入力情報によって、二人の会話が成り立っていること。
(高性能なAIと、無理やり俺の頭に入り込む
前世でもAIやARについてある程度の知識は知っていた。自身が処理できるレベルの技術であれば便利だと思い前世でも使っていた事もあるが故に、今世でも情報収集機等にAR機能を少しばかり入れたりしていた。前世でもゲーミングPCの改造を少しばかりはできる人種であったためある程度の知識はある。だからこそ、アルファと名乗る目の前の存在が、自身の想像や経験や予想を遥かに超える存在である事を認識できた。自分が理解できないモノに人間は勝手に恐怖を覚えてしまうのだ。アキラも同様であった。
とはいえいくら考えても状況は変わらず、この高性能AIに自身が敵うわけもない事を自覚しながらアキラはアルファを見据える。
アルファはアキラの表情を見て、自身のことを最大限に警戒している様子もあるが、完全ではなくとも自身のことを理解してもらえたことに安堵の表情を浮かべる。
アキラはアルファにより説明を求め、アルファが要点を纏まとめて説明する。
『私の姿や声はあなたにしか知覚できない。だから気を付けないとあなたは虚空に向かって話しかける異常者だと思われる。取り敢えず、それは分かって欲しいわ。あと、私のことはアルファでいいわよ。私もアキラって呼ぶわね』
アルファは説明の最中もアキラに微笑ほほえんでいた。そのほほえみにはスラム街に住む薄汚い子供に対する侮蔑も警戒も哀れみも全く無い。それがアルファに対する警戒を無意識に下げていることにアキラは気付きながらも納得する事にした。
「……分かった。それで、アルファさんはこんな場所で何をやってるんだ?」
『人を探していたのよ。私を知覚できる人をね。ちょっとした頼み事があるのだけれど、そもそも私と会話が出来る人でないと、話すら聞いてもらえないからね。一番良いのはその人がハンターであることよ。しかもちょうど私を視認かつ、ハンターであるアキラがちょうど現れてくれて助かったわ』
「……そうか。美人さんに求められるなんて嬉しいよホント。で、こっちの質問に答えてもらっていいか? あんたは何が目的だ」
アキラは改めて武器を構えなおす、アルファが微妙な表情を浮かべる。
しかしアルファは意欲的に話を続ける。
『私の目的ね? 私が指定する遺跡を極秘に攻略すること。それを可能であると見込める、もしくはこちらのサポートありで可能であるハンターを探しだし、依頼することが目的よ?』
「続けろ」
『報酬として私がアキラをいろいろサポートしてあげるわ。これは前払分よ。更に成功報酬として、遺跡の攻略後に貴重な旧世界の遺物を進呈するわ』
「その遺跡の危険度や詳細は?」
『詳細については契約していないアキラに伝えることはできないけど、危険度についてはかな──り危険よ』
「なぜそんな危険な遺跡に駆け出しのスラム出身のガキのハンターに依頼する? 別にあんたみたいな高性能AIなら自身で突破可能じゃないのか?」
『私の独力で可能だったらアキラに依頼なんてしていないわ。私が直接ではなく誰かを介してその遺跡を攻略してもらう必要があるの』
「……ずいぶん一方的だな。依頼内容も報酬内容についても怪しすぎる。こっちは今すぐ命を預ける気はない」
『まあそうよね。でもアキラは何故かわからないけどすごく疲弊してる様に見えるわ。このままだと都市に戻ることが困難でしょ? だから今から私の能力をアキラに見せるわ。 仮契約でもいいし、まずはアキラにとって私が有用であるかを見極めて、そのあと正式な契約をするか考えない?』
アキラにとってアルファという存在は怪しさ満点で警戒すべき対象であった。本来のいつものアキラであればここで仮契約すらせずに立ち去るだろう。だが今のアキラにはアルファに指摘されたようにかなり疲弊しており、都市に戻れる状態まで回復するかもわからなかった。
そしてアキラは決断した。さっきの戦闘と同様に、後のことは後で考えて今は生きるためだけに意識を向けようと。だからアキラは仮契約としてアルファのサポートを受ける決断をした。
「……わかった、仮契約だ」
『よし、じゃあまずはそこを左ね』
アキラは得体の知れないナニカの手を借りることを選んでしまった。
読了感謝です。
今回のお話では原作より早目に脳内時間圧縮に片足突っ込む(薬物ありき)アキラくんと、それにつけ込んだアルファというお話になります。
前もって書いてたんですが、直前になって戦闘シーン入れたいなぁと書き加えてたら8000字超えてたので結構削りました。だから投稿遅れました。バカです。
なお、呪術廻戦は最終話まで読了済みです。早くアニメで直哉の「人の心とかないんか?」を聞きたいものですドブカスがよぉ。
アキラ「内緒やで?ぶっちゃけダサいと思っとんねん。ハンターが得物使うの」